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MAFF TOPICS

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東日本大震災 被災地の復旧・復興に向けて

震災を乗り越え、漁業の未来を考える

復旧進む八戸漁港


MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。
MAFF TOPICSでは農林水産省のお知らせを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けします。
青森県の太平洋沿岸に位置する八戸漁港では、東日本大震災の後、地震や津波による漁業関連施設の被害に加え、
漁業資源の減少、魚価の低迷、燃油の高騰などの大きな打撃を受けました。
水産業を地域産業の柱として再生させるためのさまざまな取り組みを行い、震災からの復旧復興を目指しています。

復旧が完了し、7月下旬に稼働を始めたB棟。
復旧が完了し、7月下旬に稼働を始めたB棟。
主に生鮮イカを対象とし、フード付きコンベアで船から直接衛生管理を行う荷さばき所へ水揚げする

沈船引き上げの様子

沈船引き上げの様子。沈船以外にも車やがれきなどの撤去を行い、航路や泊地(はくち:船が接岸、停泊する場所)の確保が迅速に行われた

津波により大型タンカーが追突したため岸壁は損壊したが、かろうじてA棟(グレーと茶色の建物)の全壊はまぬがれた

津波により大型タンカーが追突したため岸壁は損壊したが、かろうじてA棟(グレーと茶色の建物)の全壊はまぬがれた

津波により大型タンカーが追突したため岸壁は損壊したが、かろうじてA棟(グレーと茶色の建物)の全壊はまぬがれた。生鮮サバの荷さばきなどに向け、岸壁の復旧とともにA棟の稼働準備が進められている
被災した新施設、稼働へ
東北地方の海産物の水揚げや流通の拠点港として大きな役割を担う八戸漁港では、震災前、水揚げの段階から衛生管理を徹底させるためのHACCP(ハサップ ※1)対応型荷さばき施設「A棟」と、生スルメイカや冷凍イカの水揚げに対応する「B棟」が建設中でした。

しかし、竣工検査目前まで出来上がっていた2棟は、震災で建物や魚の搬送設備が破損するなどの被害を受けました。また、防波堤や岸壁等の漁港施設が損壊し、災害廃棄物(がれき)で航路が塞がれるなど、漁港としての機能が一時停止しました。

このため、主要水産物であるイカやサバなどの水揚げの早期再開に向けて、八戸漁港全体の復旧が急がれていました。官民一体となって復旧計画を立て、工事に取り組んだ結果、航路・泊地の確保、防波堤や岸壁の復旧といった漁港機能の回復が進みました。現在では、魚市場は復旧が完了、荷さばき施設も修復がほぼ完了しており、B棟は今年7月下旬に稼働、A棟は10月に試験稼働予定となっています。

漁業の将来を見据えた新たな取り組み
また、八戸漁港では近年の水揚高の減少といった漁況の変化やコスト削減の必要性を受けて、より収益性の高い漁業へと操業体制を変える取り組みも進められています。

八戸漁港はまき網漁業(※2)の主要水揚げ港のひとつであり、ここを母港として操業する株式会社福島漁業では、船団内の探索船や運搬船の数を減らし、代わりに魚倉などの運搬機能を併せ持つ改革型網船を導入する新たな操業に取り組んでいます。震災直前に完成していた3隻目となる改革型網船も、ようやく操業が可能になりました。船団規模が縮小するため漁獲量全体としては減少するものの、人件費・燃油費などを抑えることで長期的には収益が向上することが見込まれており、八戸の漁業の復興という意味でも期待が寄せられています。

(※1)原料の入荷から出荷までのすべての工程において、微生物汚染や異物混入といった危害を予測し、防止できるポイントを継続的に監視・記録し、異常が認められたら解決を行い、不良製品の出荷を防ぐシステム。
(※2)大きな群れをつくり回遊しているマグロ・カツオ・イワシ・サバなどの魚群を一枚の帯状の網で包囲して、その網を絞って捕る漁法。探索船、網船、運搬船などの複数の船で船団を構成することが多い。

トマトの低段栽培 トマトの低段栽培

株式会社福島漁業の改革型網船「惣寶(そうほう)丸」は第63・第83・第88の全3隻。各改革型網船を中心とした3船団でまき網漁業を行っており、網船内はより快適性の高い居住空間となっている

写真提供:青森県三八地域県民局地域農林水産部三八地方漁港漁場整備事務所/株式会社福島漁業