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農林水産省

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特集1 世界遺産条約採択40周年 世界自然遺産を守る林野庁の取り組み(3)

地域力が生かされている保全活動の一例

屋久島の希少植物ヤクタネゴヨウを守る


世界遺産を後世に引き継いでいくために、自然保護活動を進めるにあたって地元の協力は欠かせません。
屋久島では絶滅の危機に瀕した固有種「ヤクタネゴヨウ」を守るために地元住民グループが立ち上がりました。
その経緯と活動について、取材に同行してくれた樋口浩さんが語ってくれました。

屋久島・ヤクタネゴヨウ調査隊によるヤクタネゴヨウの自生地での現地調査の様子

屋久島・ヤクタネゴヨウ調査隊によるヤクタネゴヨウの自生地での現地調査の様子

屋久島・ヤクタネゴヨウ調査隊によるヤクタネゴヨウの自生地での現地調査の様子

「NGO屋久島・ヤクタネゴヨウ調査隊」の代表、手塚賢至(てづかけんし)さん。

「NGO屋久島・ヤクタネゴヨウ調査隊」の代表、手塚賢至(てづかけんし)さん。屋久島生物多様性保全協議会の会長、屋久島まるごと保全協会[YOCA]の副会長も務めている。屋久島・ヤクタネゴヨウ調査隊は結成後、関係機関との協力体制を構築し、ヤクタネゴヨウを含む森林生態系の保全に向けた地域の原動力となっている

NGO屋久島・ヤクタネゴヨウ調査隊 http://yattanekunn.no-blog.jp/


地元の協力が保護対策の推進力に
屋久島及び種子島のみに自生する五葉松であるヤクタネゴヨウは、屋久島には約2,000個体、種子島に約300個体が残ると推定されています。屋久島の自生地はほとんどが国有林野内にあり、森林生態系保護地域、国立公園特別保護地区、世界自然遺産地域などに含まれています。

過去には木材として盛んに利用された時代もあったようですが、近年、自生地における病害虫や風倒の被害、シカの食害、他樹種との競合などさまざまな要因が重なって、個体の衰退、後継樹の減少が目立ち、環境省『レッドデータブック』(『日本の絶滅のおそれのある野生生物・植物A.』2000年)の「絶滅危惧A.B類」にランク付けられるなど、種の存続が危ぶまれている状況です。

このような中で、屋久島においてヤクタネゴヨウの保全のため地道に努力を重ねている地元協力団体「NGO屋久島・ヤクタネゴヨウ調査隊」(以下、調査隊)があります。調査隊は平成11年の発足以来、傾斜30度にもなる急峻な地形の自生地を精力的に探索し、ヤクタネゴヨウの全個体のサイズや分布調査を行っており、最近その分布域の全体像がつかめるようになってきました。林野庁九州森林管理局では、調査隊のこの調査成果の一部を保護対策の基礎資料として活用しています。

また、低標高地にあるクロマツに発生した松材線虫病は、ヤクタネゴヨウへも感染する危険があるため、いち早い発見と通報により伐倒駆除に協力する「松枯れ110番」運動を展開して、ヤクタネゴヨウへの感染拡大を未然に防ぐ努力が続けられています。

さらに、存続の危機にあるヤクタネゴヨウの存続・回復を目的に、林野庁では屋久島森林管理署管内の国有林野にヤクタネゴヨウの見本林、採種林を造成していますが、まだ若い採種林ではシカ防護柵の設置、補修、病害虫の除去作業、刈り払い作業など多くの作業が必要です。これらの維持管理作業も調査隊のメンバーなど地元協力者の応援によって実施するなど、ヤクタネゴヨウの保全全般にわたる調査隊等地元協力者の貢献は極めて大きなものとなっています。


徹底したい!山や森林を歩くためのマナー

*決められたコースを歩く!
決められた周回順路がある場合はそれを守り、歩道や木道があるところでは道を外れないようにしましょう。

*動・植物を大切に!
森には学術上貴重な動植物が数多く生息・生育しています。一本の植物、一匹の虫がその地域の生態系を維持し、自然景観を保っています。動・植物の採集はやめましょう。

*ゴミは持ち帰る!
ゴミは必ず持ち帰ってください。山や森林に入る際には残飯やティッシュを持ち帰るために袋を持参し、自然の中に投棄せず、持ち帰りましょう。

*水は汚さないで!
水場周辺でのトイレや水場で食器を洗うことは、水質汚染につながります。トイレは決まった場所で、水に分解しやすいトイレットペーパーや水溶性ティッシュを使用するようにしてください。食器は水場で洗わず、紙で拭きとって持ち帰ってください。

*焚き火は厳禁!
山中や森林内でのたき火は火事の原因になります。絶対にやめてください。

*動物は連れて行かない!
貴重な生態系に重大な悪影響を与える恐れがありますし、ほかの人の迷惑にもなるので、盲導犬・介助犬・聴導犬を除き、ペットなどの動物は連れて行かないでください。

*野生動物にエサは与えない!
野生動物への餌付けは人間に馴れることを覚え、農作物被害などを引き起こすきっかけとなります。また、いくら可愛くても野生動物に近づくことは危険なのでやめましょう。

トイレは決まった場所で!携帯トイレの使用にご協力を
自然環境への負荷を軽減するために、必ずトイレか携帯トイレを使用しましょう。携帯トイレを持参していれば、混雑時の長い待ち時間にイライラすることもなく、し尿搬出のコスト削減に寄与することができます。今、さまざまな携帯トイレが市販されています。

例えば屋久島では登山用品店、観光案内所、土産物店などで購入できます。屋久島で販売されている携帯トイレの価格は1個入り400円、2個入り500円です。携帯トイレ使用時に人目を避けるために、ポンチョを持っていると便利です。