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農林水産省

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特集1 世界遺産条約採択40周年 世界自然遺産を守る林野庁の取り組み(5)

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流氷が接岸する世界最南端の地

知床


大久保農場の広大な農地。大久保さん夫婦はエコファーマーの認定者でもある

[DATA]
北海道斜里郡斜里町、目梨郡羅臼町。
知床半島中央部から先端部にかけた陸域とその周辺海域。
面積711km2
(陸域487km2、海域224km2


希少種であるオオワシ

希少種であるオオワシ

シマフクロウ

シマフクロウも希少種


大久保さん家族。長男は今年6年生、次男は3年生になった

世界遺産地域の中央にある羅臼岳


大久保さん家族。長男は今年6年生、次男は3年生になった

6月の羅臼湖。歩道新設の検討のための踏査
知床の自然
知床半島は、北半球で最も低緯度で流氷を観測できる地域です。

この流氷がもたらす栄養分が植物性プランクトンの発生を促し、トドをはじめとする海棲哺乳類、海と川を行き来するサケ科の魚類、これをエサとするヒグマなどの陸上哺乳類やシマフクロウ、オジロワシといった猛禽類など、海や山に棲むさまざまな生き物を育んでいるのです。

また、知床には希少な動植物が数多く生息・生育しています。植物では固有種であるシレトコスミレやチシマコハマギクなどが生息し、鳥類では国際的な希少種であるシマフクロウやオオワシ、オジロワシの繁殖地・越冬地となっています。

さらには、限られた地域の中に多様な森林生態系が成立しており、ヒグマやエゾシカなどの大型の哺乳類が高密度で棲息し、知床の自然の豊かさを象徴しています。

地域と連携した林野庁の取り組み
このように、原生的な自然に恵まれた貴重な地域である知床半島の天然林を保護することによって森林生態系を維持し、そこに生息する野生生物の保護や遺伝資源を保存するために、林野庁北海道森林管理局ではさまざまな取り組みを行っています。

海域と陸域との繋がりの改善を図るため治山ダムの改良を行い、サケ科魚類の遡上環境を整えています。また、エゾシカの増加に伴い、希少植物種や個体群の絶滅、高山植生への影響、急傾斜地の土壌浸食などが懸念されていることから、知床世界自然遺産地域の隣接地域において、囲いワナによるエゾシカの生体捕獲を実施し、個体数調整を行っています。

たくさんの人が訪れる羅臼湖歩道については、湿原植生を守るために、地域関係者、地元自治体などとの協働により、新規歩道ルートの設置が進められています。


多様な環境が世界有数のヒグマの生息密度を支えている

多様な環境が世界有数のヒグマの生息密度を支えている。特に知床半島先端部ではヒグマ対策を万全に。クマ除けの鈴などは必携だ
  
樹皮を食べるエゾシカ

樹皮を食べるエゾシカ


河川工作物の改良   
河川工作物の改良

河川工作物の改良(左:改良前、右:改良後)。改良した河川や自然河川などでのサケ科魚類の遡上状況等を長期的にモニタリングしていく

知床半島の植生

知床半島の植生