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農林水産省

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チャレンジャーズ 明日につなぐ夢 第65回

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秋田県大仙市(だいせんし) 農家レストラン「元気な農家」 農事組合法人中仙(なかせん)さくらファーム

地場産食材を使ったメニューで観光客にも喜ばれるレストランに!

新鮮食材と自慢のリンドウを持ってはいポーズ

新鮮食材と自慢のリンドウを持ってはいポーズ。女性スタッフはみな地元農家の主婦たち。農事組合法人の組合員2名、アルバイト3名で人気の店を取り仕切っている。右が農事組合法人「中仙さくらファーム」代表理事の田村誠市さん

中仙さくらファーム代表理事の田村誠市さん

中仙さくらファーム代表理事の田村誠市さん。新規就農を支援し「人・農地プラン」(※2)の作成を進めるなど、近隣地域を含めた集落営農プランのリーダー的存在だ

(※2)人・農地プラン
http://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/
hito_nouchi_plan.html

煎り米こめっこソフト

フライパンで煎ったお米をミキサーで砕き、濃厚なバニラソフトにトッピング。おせんべいみたいな香ばしさがクセになる「煎り米こめっこソフト」250円は人気No.1だ

手前はもちっとした食感のあるうどん風「あきたこまち麺」。奥は杜仲の葉を練り込んだ「杜仲麺」。

手前はもちっとした食感のあるうどん風「あきたこまち麺」。奥は杜仲の葉を練り込んだ「杜仲麺」。どちらも600円とお手頃価格


農家レストラン「元気な農家」
秋田県大仙市長野字高畑95-1 道の駅なかせん こめこめプラザ内
TEL.0187-56-2002
営業時間11時00分~15時00分
http://nakasen-sakurafarm.jp/restaurant.html
地元食材でオリジナルな旬のご飯を提供
秋田県大仙市にある農家レストラン「元気な農家」は、全国花火競技大会で有名な大曲(おおまがり)と、みちのくの小京都といわれる角館(かくのだて)を結ぶ国道105号線沿いの中仙地区に建つ「道の駅なかせん  こめこめプラザ」内にある。観光客も立ち寄りやすい好立地だ。

午前11時の開店と同時に、孫と一緒に訪れた女性は、迷わずこの店の人気商品「煎り米こめっこソフト」を注文。濃厚なバニラアイスに芳ばしい煎り米のトッピングをたっぷりまぶしたソフトクリームを二人がおいしそうに食べている間に、近くのカウンターには新鮮な野菜が次々と運ばれてサラダバーが整う。さらにあきたこまちの炊きたてご飯が入った炊飯器が並ぶ頃には、ランチタイムのお客が次々と訪れる。平成22年4月にオープンして2年半。すっかり観光客や地元の人に愛される評判の店となっている。

この人気を支えているのは、地元で採れる食材をふんだんに使ったお母さんたちの手作り料理。野菜はスタッフの女性が自分の畑から朝採りして持ち寄ることもある。野菜だけでなく、手作り豆腐や、杜仲茶(とちゅうちゃ)の葉が入ったエサを食べて育つ杜仲豚など近隣の名産品も数多く取り入れて「秋田中仙産」のおいしさをアピール。店長の田村由喜子さんをはじめとした女性スタッフは、定期的に試食会などを開き、その季節にしか食べられないメニューを研究しているという。

イチオシは、地元のあきたこまちの米粉を小麦粉に練り込んだ「あきたこまち麺」と「杜仲麺」。米どころ秋田は、ソバ粉などの雑穀文化がない。「それなら米粉や特産の杜仲茶を利用したオリジナル麺で勝負しよう」と、店のオープンに向けて開発したメニューだ。

「この店の理念は、地場産の食材を使うこと。そしてお客様においしい食事をしていただくと同時に、地元の農家の発展も目的にしているのです」というのは、この店の運営母体、農事組合法人「中仙さくらファーム」の代表理事、田村誠市さん。このレストランは食材の生産や調達から、料理、販売までを、地元の農家が一貫して手掛けている。

集落営農のアンテナショップとして
農事組合法人「中仙さくらファーム」は、仙北平野の北側、豊川地区に点在する19戸の農家が平成17年に結成した集落営農組織である。特別栽培米(※1)のあきたこまち、りんどうなどの花卉(かき)、大豆、野菜などの栽培を手掛けると同時に、農家の高齢化の問題には当初から積極的に取り組んできた。代表的な取り組みは新規就農者の支援とグリーンツーリズム。「新卒の学生や脱サラの成人を対象にした研修や、中学生の農業体験まで、さまざまな形で農業に関心のある人たちを受け入れたいのです。そして人が増えればその一環として食事も賄いたい。さらに観光業としての農業の可能性も試したい。そんな思いで開業したレストランは、地元農家の将来の姿を模索する、いわばアンテナショップですね」と田村誠市さんは言う。

19戸の農家が点在する地域は、山河と田んぼや畑などが広がる昔ながらのほのぼのとした風景の農村だ。その村が今、農家レストランの誕生をきっかけに、一丸となって新しい営農のスタイルにチャレンジしている。

(※1)特別栽培米:生産された地域で行われている栽培方法(農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培されたコメ

まるで自宅のキッチンにいるかのようにのびのび働くスタッフたち

まるで自宅のキッチンにいるかのようにのびのび働くスタッフたち。朝一番の仕事は畑から取り寄せた大量の野菜の下ごしらえ
   「道の駅なかせん こめこめプラザ」

「道の駅なかせん  こめこめプラザ」。名産品「あきたこまち」はもちろん、お米を使ったおかきなどで評判の道の駅。「元気な農家」は入って右側にある

お盆から10月まで出荷が続くリンドウは「中仙さくらファーム」の主力商品で道の駅でも販売

お盆から10月まで出荷が続くリンドウは「中仙さくらファーム」の主力商品で道の駅でも販売。ウィルスや水に弱い花だけに慎重に扱われる
   「中仙さくらファーム」には通年栽培できるレタスの水耕栽培の温室があり、これが店の「サラダ食べ放題」を支える原動力に

「中仙さくらファーム」には通年栽培できるレタスの水耕栽培の温室があり、これが店の「サラダ食べ放題」を支える原動力に

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Photo:Koji Sugawara

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