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MAFF TOPICS

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東日本大震災 被災地の復旧・復興に向けて

がれきを活用した海岸防災林の復旧・再生

「『みどりのきずな』再生プロジェクト」


MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。
MAFF TOPICSでは農林水産省のお知らせを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けします。
東日本大震災の津波により多くの海岸防災林に被害が発生しています。
これらの海岸防災林の再生に震災で発生したがれきを処理した再生資材を利用し、地元住民やNPO、企業等と連携した
植林活動を進めるプロジェクトが進行しています。

震災がれきから再生された資材を活用して盛土工事が進む(宮城県仙台市)
震災がれきから再生された資材を活用して盛土工事が進む(宮城県仙台市)

再生資材の盛土への搬入は、準備の整った地域から順次始まっている(宮城県仙台市)

再生資材の盛土への搬入は、準備の整った地域から順次始まっている(宮城県仙台市)

漂流物を捕捉した海岸防災林。中央の白いものは船舶(青森県八戸市。八戸市森林組合撮影)

漂流物を捕捉した海岸防災林。中央の白いものは船舶(青森県八戸市。八戸市森林組合撮影)

今年5月、青森県が開催した海岸防災林の植樹イベントで苗木を植える子どもたち(青森県八戸市)

今年5月、青森県が開催した海岸防災林の植樹イベントで苗木を植える子どもたち(青森県八戸市)
津波エネルギーの減衰効果を確認
東日本大震災に伴う大規模な津波により、青森県から千葉県にかけての海岸防災林、約140kmに被害が発生しました。根の部分から倒れる根返り被害や、幹折れ被害、さらには海岸防災林の流失など、その被害は甚大です。

しかし一方で、津波に耐えた海岸防災林による津波被害の軽減効果も確認されています。青森県八戸市では、海岸防災林が津波で流れ込んだ20数隻の船を止め、背後の家にぶつかるのを防いだ事例をはじめ、コンクリート片、車や船などの漂流物を捕捉した事例が各地で多数確認されています。さらには、海岸防災林があることによって、津波エネルギーを減衰させたり、津波が内陸部へ到達する時間を遅らせたこともわかってきました。

このような観点から、飛砂(ひさ)・風害の防止機能に加えて、津波に対する被害軽減効果も考えた、海岸防災林の復旧と再生が求められています。具体的には、海岸防災林をまちづくりにおける津波に対する多重防御のひとつとして考えながら、地域の実情や生態系の保全等を踏まえた再生を目指していくことです。

そのためには、地方自治体の土地利用計画なども踏まえながら奥行きのある林帯(りんたい:木がまとまって生えている地帯)を配置すること。地下水位から2~3m程度の高さの生育基盤を確保するための盛土(もりど)を実施することにより、根が深く張った、津波に対して根返りしにくい強い林帯を造成すること。幹や枝葉による津波エネルギーの減衰効果を発揮させるため、幹折れ被害を受けにくい太い幹を持つ強い樹木と、幹の比較的低い位置から枝が生える樹木で林帯を形成することなどが望ましいとされています。

がれきを活用した海岸防災林の再生プロジェクト
今年4月23日に、野田内閣総理大臣が被災地の海岸防災林の復旧・再生を「『みどりのきずな』再生プロジェクト」として推進していくことを発表しました。被災地と被災地を支援する人たち、被災地の人たちどうし、大震災を経験した今の世代と未来の世代、さらには自然と人間、といったさまざまな絆を海岸防災林の再生を通じて形にしていく、という意味を込めて命名されたものです。

このプロジェクトに基づき、約140kmにおよぶ被災した海岸防災林のうち、今年度中に約50キロメートルについて復旧・再生に着手する予定です。

さらに、東日本大震災によって発生した大量のがれきを、分別・無害化し、安全性が確認された再生資材に加工。その再生資材を盛土材として基盤造成に使用することにより、がれき処理にも貢献します。海岸防災林となる樹木の植栽は、地域の自然条件を踏まえつつ、NPOや企業等によるボランティアとも連携して進めていきます。

すでに盛土材としてコンクリートくずや津波堆積物(土砂)などからなる再生資材の搬入が、準備の整った地域で始まっています。海岸防災林の生育基盤の造成工事が完了した一部の箇所においては、来年の春以降に、植栽活動を希望するNPOや企業等の民間団体と連携した取り組みを行う予定です。

5年間で防潮堤の復旧や生育基盤の造成を概ね完了させ、順次植栽を行い、全体の復旧は約10年間で完了させる予定です。津波により大きな被害を受けた海岸防災林の復旧・再生には長い期間が必要となりますが、「『みどりのきずな』再生プロジェクト」は、さまざまな絆で結ばれた、地域に安全と安心を与える事業として、確実な一歩が踏み出されています。

『みどりのきずな』再生プロジェクトのイメージ図

『みどりのきずな』再生プロジェクトのイメージ図