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農林水産省

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特集1 獣医師の仕事(5)

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獣医師になるには


これまで、さまざまな分野で活躍する獣医師の仕事を紹介してきました。
では、獣医師になるには、どうしたらいいのでしょう。

馬の頚静脈から採血する。注射針を刺す前の緊張の瞬間
馬の頚静脈から採血する。注射針を刺す前の緊張の瞬間

牛の診断実習を行う前に注意事項などを指示される学生たち

牛の診断実習を行う前に注意事項などを指示される学生たち

臨床実習では牛の手術にも立ち会う

臨床実習では牛の手術にも立ち会う

(写真提供:岩手大学)

獣医師になるには

獣医学課程は6年制
獣医師になるには、獣医学科のある大学で6年間獣医学を学び、農林水産省が行う獣医師国家試験に合格する必要があります。国家試験に合格して初めて、獣医師免許が交付されます。

では、在学している6年間にどんな勉強をするのでしょうか。国立大学法人岩手大学の例を紹介します。

岩手大学は、盛岡駅から北へ約2キロメートルという交通至便な市街地にあり、緑に囲まれた広大な敷地内に人文社会科学部・教育学部・工学部・農学部の4学部と教育研究支援施設が併設されています。前身校には宮沢賢治の母校・盛岡高等農林学校が含まれています。

そんな岩手大学で獣医学課程があるのは、農学部共同獣医学科です。ここで基礎獣医学から臨床、動物衛生、公衆衛生など幅広く、深い知識を修得します。岩手大学では特に産業動物分野の獣医師の育成に力を入れています。共同獣医学科長の橋爪一善教授は「東北地方は日本有数の畜産物生産基地です。そういった地域に立地している本校では、やはり産業動物分野の優秀な獣医師を数多く輩出し、畜産物の安全に貢献することが重要であると考えています」と話してくれました。

そのため4年生から本格的な産業動物臨床実習に取り組んでいます。学生は数名のグループに分かれて指導教官に付き、まずは大学の附属動物病院で診療に立ち会います。指導教官の診療を見て、疾病への知識と対処方法を学んでいきます。学年が変わると次は附属牧場で、そして最終的には近隣の農家で同様の臨床実習を行います。動物の状況を目で見て、手で触れながら、教官の治療の手伝いをするというフィールドワークを積み重ねることで、実践力を身に付けていくのです。

岩手大学では近隣の農家だけでなく、東北各県の農済連等の診療所と連携し、産業動物分野の獣医師を目指す学生のインターンシップを実施しています。学生にとっては専門知識についての実務能力を高められる絶好の機会になっています。

現在、各獣医大学では獣医学教育課程における「参加型臨床実習」の取り組みを進め、獣医学生が産業動物や愛玩動物に対して、より実践的な診療技術と知識を修得することにより、動物飼育者が求める質の高い獣医療を提供できる獣医師の養成に取り組んでいます。

夢をかなえて社会に貢献
日本には、獣医大学が16校あります。

大学を卒業し、獣医師国家試験に合格したのちは、牛や豚など産業動物を対象にした家畜診療所やイヌやネコなどのペットを対象にした動物病院に勤務して、病気の予防や診断・治療に従事する臨床分野、公務員として家畜の伝染病の予防や防疫に従事する家畜衛生分野、食品の衛生監視や食肉検査に従事する公衆衛生分野、家畜伝染病の予防法や診断法の研究に従事する研究分野、製薬・化学薬品企業で研究開発に必要な動物実験の管理をしたり、動物園・水族館で展示動物の健康管理に従事するなど民間企業等で活躍するほか、大学院博士課程に進学して研究者の道を歩む人もいます。

農林水産省では、「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針」を平成22年8月に取りまとめ、口蹄疫などの家畜伝染病の大規模発生に対する危機管理体制の構築や産業動物獣医師の確保にも取り組んでいます。また、産業動物獣医師や家畜衛生分野の公務員獣医師への就職を希望する獣医学生に対する修学資金の給付などの対策を行っています。

獣医師国家試験は毎年1回2月下旬頃に行われます。試験の内容などについては、試験期日の3カ月前までに官報や農林水産省のホームページに掲載されます。

獣医師の男女比

獣医系大学と入学定員