特集2 新・日本の郷土食(2)
吊るし柿やむかごを使った福井のおせち料理
今庄は「吊るし柿の里」と呼ばれる干し柿の名産地。 長良(ながら)柿という細長い柿を囲炉裏の上に吊るしていぶすのが特徴で、手間暇かけて作る香り高い干し柿は「柿巻き」という料理でお正月に食べられます。 また、むかご(山芋の弦にできる肉芽)のゴマ和えもおせちの常連。ツヤツヤとした練りゴマの光沢がハレ食にふさわしい一品になります。 |
![]() ![]() 材料 ゆで卵、吊るし柿(卵と同数で用意する)、楊枝、薄力粉(天ぷらの衣用)、揚げ油 |
柿巻き玉子
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![]() ![]() 材料 むかご250g、黒ゴマ約200g、砂糖200g、醤油大さじ2 |
むかごのゴマ和え
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元日より大晦日が豪華!
「年取り膳」で祝う風習もあります |
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みなさんは「年取り膳(としとりぜん)」という言葉を知っていますか? 大晦日に年神様を迎えるためのごちそうのことで、一年が無事に過ぎたことを感謝し、新年を迎えるお祝いの風習です。このお膳には、必ず「年取り魚(としとりざかな)」が用意されます。年取り魚は、主に鮭や、出世魚と言われるブリを使いますが、地方によっては鮎、尾頭付きのサンマ、身欠きニシンなど様ざまです。このお膳は魚が貴重な食材だった時代の、いちばんのごちそうでした。 今でも「大晦日の方が元日より豪華」と言われるのは新潟県。お肉やお刺身を並べて現代風のごちそうにする若い家族も「年越しをお祝いする」という気持ちは連綿と受け継がれているようです。なお、こういった地域のお正月の料理は、おせちよりお雑煮が主役になるそうです。
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