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MAFF TOPICS

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東日本大震災 被災地の復旧・復興に向けて

震災後初のカキ出荷

南三陸町志津川に仮設カキ処理場が再建


MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。
MAFF TOPICSでは農林水産省のお知らせを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けします。
秋サケやアワビの漁獲量が宮城県一を誇り、ワカメ、ホタテ、カキ、ホヤの養殖が盛んだった南三陸町では、震災によって養殖・処理施設がすべて失われました。しかし、平成24年10月4日に仮設カキ処理場が完成、念願だったカキの出荷が始まっています。

カキ処理場の稼働とともに出荷作業に追われ、活気を取り戻している
カキ処理場の稼働とともに出荷作業に追われ、活気を取り戻している

カキ処理場の前には、カキの不純物を取り除く浄化プールが備わっている

カキ処理場の前には、カキの不純物を取り除く浄化プールが備わっている

手慣れた人たちによってカキむき作業が行われているカキ処理台

手慣れた人たちによってカキむき作業が行われているカキ処理台

カキむきは一つひとつ手作業で行われる

カキむきは一つひとつ手作業で行われる

殻から取り出されたカキは階段式洗浄機を通してきれいにカキ殻が除去される

殻から取り出されたカキは階段式洗浄機を通してきれいにカキ殻が除去される
新しい処理場として初のカキ出荷が始まる
震災前、宮城県漁業協同組合志津川支所には、管轄する志津川地区と戸倉地区あわせて6カ所のカキ処理場がありました。しかし、震災によって志津川湾内にあった養殖施設とともに処理場はすべて流失。壊滅状態となってしまいました。そんな中で、立ち上がった組合員の人たちは一刻も早く復興を目指そうと、同組合石巻湾支所にわずかに残ったカキ種を譲り受け、平成23年11月までに養殖を再開しました。例年に比べれば1割程度の量でしたが、平成24年3月にはこのカキが順調に成長しているのが確認されたのです。

そこで、カキの出荷が始まる秋までに、なくなってしまったカキ処理場を再建するべく整備が進められました。しかし問題となったのは土地です。いたるところで地盤沈下が発生しており、以前カキ処理場があった場所には建てることができませんでした。そこで、海岸近くにある漁協所有の土地を利用、町に依頼してかさ上げを行い、5月にようやく完了。ここから建物の建設が始まり、10月4日に仮設カキ処理場の落成式が行われたのです。

完成したカキ処理場は、敷地面積3,070m2、鉄骨平屋建て509m2の広さを持ち、60台のカキ処理台を備えています。地下のパイプを通して処理場に海水を送る「塩水取水塔」も復旧して、衛生管理も万全の体制でカキむき作業が行える施設となっています。建設においては、国の災害復旧補助事業や民間の福祉財団などの助成金が充てられています。

処理場関係者は「1年間仕事ができなかったので、待ち望んでいた処理場の完成ですから喜びもひとしおです」と語っています。志津川支所では、来年の秋までには戸倉地区にもう1カ所のカキ処理場を作り、カキの出荷を増やしていきたいと計画を進めており、復興に一段と力がこもっています。

志津川支所では、過密状態だった養殖施設の数を減らして、カキの生育環境をさらに改善するべく努力しています。これにより成長のよくなったカキは、出荷するまでに2年かかっていたところを1年で出荷できるようになり、コストを下げることにもつながっています。今後も、品質と成長のよいカキが生産できるように努めて行きたいということです。

カキ処理場の稼働とともに、これからも若い人たちがより安定した養殖事業が行えるように、復興から新たな将来へ向けてのチャレンジも始まっています。

取材協力:宮城県漁業協同組合志津川支所