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農林水産省

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特集1 竹のおはなし(5)

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竹林の保全からアートまで


管理の行き届いていない竹林が増加傾向にあることを受けて、美しい日本の竹と文化を守り、次代に継承していくことを目指して設立された団体の活動事例を紹介します。

神奈川県横浜市「小机城址市民の森竹灯籠まつり」。竹灯籠に火が灯ると竹林が幽玄の世界に変わる
神奈川県横浜市「小机城址市民の森竹灯籠まつり」。竹灯籠に火が灯ると竹林が幽玄の世界に変わる

会員による整理伐(放置されている枯れた竹や倒れた竹などを伐採し、竹林の活性化を図るための作業)の様子

会員による整理伐(放置されている枯れた竹や倒れた竹などを伐採し、竹林の活性化を図るための作業)の様子

利用できない枝や葉などはウッドチッパーによって細かく砕いて堆肥化する

利用できない枝や葉などはウッドチッパーによって細かく砕いて堆肥化する

会員が一丸となって竹灯籠の準備。正会員は141名、そのうち「竹取協力隊員」は138名にのぼる

会員が一丸となって竹灯籠の準備。正会員は141名、そのうち「竹取協力隊員」は138名にのぼる

出前講座の様子。この日は正月飾りの作り方を指導した

出前講座の様子。この日は正月飾りの作り方を指導した

竹のことを知り、もっと関心を持とう
近年、人々の生活が洋風化したこと、プラスチック等代替材が登場したこと、安価な輸入品が増加したことなどにより、竹材、タケノコの国内生産量は減少傾向にあります。そのため、国内には管理不足の竹林が多く見られるようになりました。

そんな中、ボランティアで竹林の保全活動に乗り出したのが神奈川県横浜市に事務局を置くNPO法人日本の竹ファンクラブです。理事長の平石眞司さんは「荒れた竹林が増え、邪魔者扱いされるようになったのは、私たちの暮らしや意識の中から竹が消え、竹への無知や無関心が広がったことにあるのではないでしょうか」と問題点を指摘します。平石さんは、日本の美しい風景を構成する代表的な景観が損なわれ、利用価値の大きな資源である竹の存在が忘れられていることを懸念していました。

地域の竹林を再生し、市民の憩う場所に
日本の竹ファンクラブは平成11年の設立以来、さまざまなプロジェクトを精力的に推進してきました。市民が手入れのできなくなった竹林の里親となり、所有者に代わって竹林の保全育成を行う「竹林の里親制度」を設け、竹林保全活動を実践する「竹取協力隊」を結成しました。また、竹林管理や竹の伝統文化、技能を学びたいという人のために「竹の学校」を開講し、竹林整備のノウハウを伝え、竹を暮らしの中に取り入れるサポートもしています。

さらに、地域に根差した竹林の再生活動の一環として、伐採した竹材を活用したイベントを通じて、まちづくりや都市農村交流を進めています。地域の自然と竹林の新たな魅力創出のきっかけとなることを願ってはじめた「竹灯籠まつり」は定期的に開催され、今では人気の高い市民参加型のイベントとして定着しています。

夕闇に浮かぶ竹灯籠の幽玄な光は私たちの心を癒してくれます。阪神淡路大震災の追悼行事でも、祈りや願いなどのメッセージが書き込まれた竹灯籠に鎮魂の明かりが灯されます。


写真提供:NPO法人日本の竹ファンクラブ
TEL.&FAX.045-306-9993
http://takefan.jp/

竹と光の祭典
竹を使った祭事や追悼行事とは別に、近年、竹を生かした幻想的な灯りのイベントが各地で行われています。国内でも有数の竹の産地である大分県では「竹灯り」のイベントが盛んで、代表的なものに臼杵(うすき)市の「うすき竹宵(たけよい)」、竹田(たけた)市の「たけた 竹灯籠 竹楽」、日田(ひた)市の「千年あかり」などがあります。いずれも毎年10月から11月中旬にかけて行われ、竹灯籠に使用した竹は、チップ等にして再利用するなど有効活用されています。これらのイベントの様子をいくつか紹介しましょう。

臼杵市の「うすき竹宵」

臼杵市の「うすき竹宵」。「竹宵」は、大分県に伝わる「真名の長者と般若姫(まなのちょうじゃとはんにゃひめ)」にまつわる伝説を再現したイベント。歴史ある街並みの石畳に約2万本の竹ぼんぼりが灯り、あちこちに設置されたオブジェがまばゆい光を放つ

日田市の「千年あかり」。重要伝統的建造物群保存地区の豆田町に2万本の竹灯籠が並べられる。花月川沿いにもさまざまな光のオブジェが並び、水面に映る幽玄な世界が広がる    加工性の高さを物語るような細工が施された竹灯籠も見ごたえ十分。左は「千年あかり」、右は「うすき竹宵」のワンシーン

日田市の「千年あかり」。重要伝統的建造物群保存地区の豆田町に2万本の竹灯籠が並べられる。花月川沿いにもさまざまな光のオブジェが並び、水面に映る幽玄な世界が広がる   加工性の高さを物語るような細工が施された竹灯籠も見ごたえ十分。左は「千年あかり」、右は「うすき竹宵」のワンシーン