特集2 新・日本の郷土食(1)
日本が誇る健康食 豆腐と豆腐料理
私たちのふだんの食卓に欠かせない豆腐。 「畑の肉」と呼ばれる大豆から作るこの栄養豊かな食品は、今「tofu」という名前で海外でも注目されています。 その理由は高タンパク&低カロリーのヘルシーさ。おいしい、健康に良い、 手ごろな値段で買えるといいことづくめの豆腐を改めて見直してみました。 |
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![]() ![]() 上野とうふ店 石川県白山市桑島4-96-29 TEL.076-259-2707 営業時間:7時00分~ http://www.katatofu.com/ Photo:Keita Suzuki |
江戸時代に庶民に定着
豆腐発祥の地は中国です。日本には奈良時代に伝わったとされ、庶民が口にするようになったのは江戸時代。天明2年(1782年)に「豆腐百珍」という豆腐料理の本が爆発的な人気を呼んだころには全国津々浦々で豆腐が食されるようになっていました。豆腐は大豆をすりつぶし、搾った豆乳に凝固剤(にがりなど)を加えて固めたものです。「腐」という文字を使うため、「豆を腐らせるの?」と疑問に思う人もいますが、中国で「腐」には「液体でも個体でもないようなもの」という意味があるため、このような名前になったといいます。 主役は大豆。「豆腐」と名のつく食品には「ゴマ豆腐」「クルミ豆腐」「杏仁豆腐」などがありますが、これは大豆を使っていないため、厳密には豆腐ではありません。「豆腐のように柔らかなもの」として付けた名称なのです。 原初の豆腐「堅(かた)豆腐」を訪ねて
今回は、中国伝来の伝統製法で作られた「堅豆腐」に会うため、石川県の白山市、桑島地区を訪ねました。ここの豆腐は、一般の豆腐の2倍以上ととても大きく、荒縄で縛っても崩れないため、「石豆腐」などとも呼ばれます。取材した上野とうふ店では、大豆を加熱せずに豆乳とおからに分ける「生しぼり」をするため、特に手がかかりますが「おいしいものを作りたいだけ」との一念で手を抜くことはありません。この種の伝統製法の豆腐は全国的にも富山県五箇山(ごかやま)の岩豆腐、山口県祝島(いわいしま)の石豆腐、沖縄県の島豆腐など数ヵ所に残るだけとなってしまいました。「これがうまい」と言われる限り昔ながらの製法を守り続けます 石川県白山(はくさん)市 上野とうふ店 効率よく豆乳を搾って作る滑らかな豆腐が主流になる中、堅豆腐は重石をのせ時間をかけて水分を抜いた、固くしっかりした豆腐で、大豆本来の素朴な甘味と香りがあります。一度は味わってみたいものです。 |
ずっしり重い!名産「堅豆腐」づくりを拝見
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大豆とにがりで作ってみませんか?
自家製堅豆腐の作り方 豆腐は大豆とにがりがあれば誰でも作れます。もちろん、形や滑らかさなどはプロの腕には遠く及びませんが、大豆の味と香り豊かな豆腐になること間違いなし。にがりはスーパーなどで購入できます。型箱はさらしやガーゼを敷いたザルや周囲に穴をあけた牛乳パックなどを代用しましょう。
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