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農林水産省

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MAFF TOPICS(2)

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野生鳥獣による農林水産業の被害軽減に向けて

鳥獣被害対策の優良活動を表彰しました


全国各地で野生鳥獣による農林水産業被害が深刻化するなか、農林水産省はその防止策に取り組み、貢献している団体や個人を表彰。その活動を紹介することにより、被害の軽減を図っています。

どんな対策をしているのかな?

文/黒井尚志
地域ぐるみで工夫を凝らした被害対策の取り組みを表彰
野生鳥獣による農林水産業被害は、営農意欲の減退や耕作放棄の増加など、被害金額に表れる以上に深刻な影響を及ぼしています。

鳥獣被害対策優良活動表彰は、被害防止に貢献している団体及び個人を表彰するもので、平成21年度にスタート。先進事例の取り組みを、全国的に広めることが目的です。

平成24年度は、最優秀賞に当たる農林水産大臣賞に1団体、1個人が選ばれ、これに次ぐ生産局長賞には3団体が選ばれています。

表彰式は2月26日、全林野会館(東京都) で行われ、終了後、受賞者の取り組み事例発表による研修会が開催されました。

受賞した取り組みは、いずれもイノシシ、シカ、サル、カワウなど、地域で起こっている鳥獣被害に対して、地域ぐるみで工夫を凝らしながら、効果的な対策に取り組む姿勢が評価されています。

 
● 農林水産大臣賞

講演では、イノシシ、シカ、サル、ハクビシン、アライグマなどの生態や捕獲技術を指導している

講演では、イノシシ、シカ、サル、ハクビシン、アライグマなどの生態や捕獲技術を指導している

檻に入った動物が格子状の回転ドアを回すことで開口部が閉まる

檻に入った動物が格子状の回転ドアを回すことで開口部が閉まる
捕獲技術の普及や捕獲檻の開発
須永重夫さん (栃木県足利市)
足利市で捕獲されたイノシシの2割を須永さんが捕獲するなど、害獣捕獲の中心的担い手として、長年にわたって貢献しています。また、野生鳥獣に関する見識を生かし、全国各地で農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーとして、講演や研修会を通して捕獲技術の指導や普及に取り組んでいます。捕獲機材の開発にも優れ、害獣の捕獲檻と捕獲罠の特許を取得。それらは全国各地で導入されています


「おおち山くじら」ブランドのシンボルイラスト。加工品などのパッケージに使用されている

「おおち山くじら」ブランドのシンボルイラスト。加工品などのパッケージに使用されている
イノシシ肉の地域ブランド化
おおち山くじら生産者組合 (島根県美郷町)
イノシシ対策で従来の猟友会への依存体質を改善し、地元農家や自治体関係者も含めた駆除班を編制して活動。休止していた既存の食肉処理施設をイノシシの解体に利用して「おおち山くじら」と命名してブランド化し、食肉として出荷しています。さらに町内の女性グループを中心に、食肉加工品や皮革製品を開発・販売し、捕獲したイノシシを地域活性化のツールとして活用しています。

害獣を地域資源として活用しており、新たな地域興しとしても注目されています。


● 生産局長賞

サルの群れの行動監視
片田地区獣害対策協議会 (三重県津市)
収穫前の農産物を食べたりするサル被害を軽減するため、地元自治会、猟友会、JAなどで構成。「獣害対策5ヶ条」を策定して住民に周知。地域一体で追い払いや情報共有を進めています。捕獲したサルに発信器を付けて監視し、人間の生活圏に侵入しようとする群れを夜間にも追い払うなどして、成果を上げています。

イノシシ対策チームを結成
武雄地区有害鳥獣広域駆除対策協議会(佐賀県武雄市)
武雄市いのしし課が中心となり、JAや森林組合などと対策チームを結成。猟友会員によるイノシシの捕獲、農産物残渣の除去や緩衝帯の整備、パトロール隊による防護柵の点検など総合的な取り組みを実施。捕獲したイノシシの特産品化をめざして、食肉加工施設を整備し、加工品開発にも取り組んでいます。

カワウの生息数調査方法を確立
(株)イーグレット・オフィス (滋賀県米原市)
猛禽類を中心に生態の記録や調査をする企業で、放流魚を食べるなど、水産資源に害を及ぼすカワウの生息数を高精度で推定できる調査方法を確立。また、エアライフルによる大量捕獲技術を確立し、県内のカワウ生息数を4年間で7万5000羽から1万3000羽に減らし、地域の漁業被害の軽減に貢献しています。