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特集1 “あふちゃん”といっしょに、のぞいてきました 農業の研究開発最前線!(4)

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農業の研究開発最前線 事例紹介(3)


「ゆめちから」は(独)農研機構北海道農業研究センターが10年以上かけて生み出した品種。この春からは「ゆめちから」ブレンドの食パンが1斤230円ほどで販売中

「ゆめちから」は(独)農研機構北海道農業研究センターが10年以上かけて生み出した品種。この春からは「ゆめちから」ブレンドの食パンが1斤230円ほどで販売中

外国産小麦100%(右)より、「ゆめちから」と国産中力小麦「ホクシン」を半々ブレンドした(左)ほうが、よりふっくらと焼きあがった

外国産小麦100%(右)より、「ゆめちから」と国産中力小麦「ホクシン」を半々ブレンドした(左)ほうが、よりふっくらと焼きあがった

コムギ縞萎縮病が多発している圃場。「きたほなみ」(左)はウイルスにやられているが、「ゆめちから」(右)はウイルスが入りこめず健全

コムギ縞萎縮病が多発している圃場。「きたほなみ」(左)はウイルスにやられているが、「ゆめちから」(右)はウイルスが入りこめず健全

最前線4  

病気に強く、生産量が安定した国産小麦「ゆめちから」。
段違いの粘りと弾力性で、国産小麦製品の未来を切り開く!

(独)農研機構北海道農業研究センター

パン用の小麦粉は、ほとんどが輸入品です。パンには、タンパク質の一種であるグルテンの量が多く、粘りと弾力に優れた強力粉が適しているのですが、国産の小麦はうどんなどに向く中力粉が主流。パン用小麦は30年ほど前から研究され何種類か実用化されていますが、生産量の不安定さなどがネックとなり、作付面積はなかなか広がりませんでした。

そんななか、2007年にデビューした品種が、「ゆめちから」。病気に強く、生産量が安定しているのが特徴です。従来の国産強力粉よりもグルテンの量がさらに多い“超強力粉”で、その粘りと弾力性は段違い。生地もしっかりしているので、パン工場での大量生産にも適していました。

小麦は、ブレンドすることで、よりおいしくなると言われています。超強力粉のゆめちからと、国産の中力粉をブレンドしたところ、外国産強力粉の食パンに勝るとも劣らない高い製パン性を得ることができました。国産小麦特有のもっちりした食感と甘味も評価されたのです。

ゆめちからの高いグルテン含有率は、パンだけでなく、パスタや中華めん、しょうゆの原料などにもなります。ゆめちからの需要が高まれば、そのブレンド力により、他の国内小麦の需要が伸びることも期待されています。

ふわふわ、もちもちなのねー


先行する無人トラクターで耕うんし、追従する有人トラクターで播種作業をすることも可能

先行する無人トラクターで耕うんし、追従する有人トラクターで播種作業をすることも可能

手前の基地局アンテナで受信した信号を補正信号としてロボットに送信し、ロボットが位置を計測

手前の基地局アンテナで受信した信号を補正信号としてロボットに送信し、ロボットが位置を計測

ロボット農機にあらかじめ目標経路を設定

ロボット農機にあらかじめ目標経路を設定
最前線5  

だれも運転していないのに、動くトラクター!?
高齢化や担い手不足を解消する、無人ロボット農機

北海道大学大学院農学研究院

24時間無人で農作業をしてくれる、ロボット農機の開発に取り組んでいるのが、北海道大学大学院農学研究院の野口伸教授です。開発しているシステムは、農機に取り付けたパソコンとGPS受信機で、GPSの測位信号と準天頂衛星「みちびき」の補強情報を同時受信し、位置情報を取得してロボット農機を動かすというもの。その誤差は±3cmという精度の高さを誇ります。現在は3年後の実用化に向け、士別市で水稲、芽室町で大豆と小麦を対象にした実証実験を行っています。

実験では、ロボット農機2台の同時使用やロボット農機の夜間使用、有人トラクターとロボット農機の協調作業など、農家側の要望やアイデアも積極的に取り入れています。さらに、最重要課題である安全性の確保にも力を入れており、「車体の各所にセンサーを設置し、8m以内に障害物を感知したりバンパーに障害物が当たると停止するほか、アラームを鳴らして警告するなど、二重三重の安全対策をしています」。

こうしたロボット農機実用化後の野口教授の狙いは、高齢者の負担軽減に加え、これまで農業に関心がなかった若い人々へのアプローチにもあります。

「労働力が必要な部分を機械に任せることで、つらい、たいへんといったイメージも刷新され、農業自体の魅力が高まるといいですね。未経験者でも、新規参入しやすくなると思います」

「ロボット化で不要となる労働力を別のところで生かし、農業や地域の活性化につながれば」と期待する野口教授

「ロボット化で不要となる労働力を別のところで生かし、農業や地域の活性化につながれば」と期待する野口教授
    平地、傾斜地、ぬかるみなど、どんな環境でも使える技術にするため、実験が続けられている

平地、傾斜地、ぬかるみなど、どんな環境でも使える技術にするため、実験が続けられている

安全対策もばっちり