このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

MAFF TOPICS(2)

  • 印刷

美しい農村風景を次の世代へ……

農業を通して、美しい景観を保全する機能


日本の美しい農村景観は人のこころをなごませます。いにしえより伝わる農村景観を保全する、二つの事例を紹介します。

約1,200haに広がる田園散居集落。飯豊町では約90万人の観光客が訪れている

約1,200haに広がる田園散居集落。飯豊町では約90万人の観光客が訪れている

飯豊町観光協会が主催するフォトコンテストの優秀作品

飯豊町観光協会が主催するフォトコンテストの優秀作品

国土保全、景観などの観点から「日本の棚田百選」に選定

国土保全、景観などの観点から「日本の棚田百選」に選定

棚田と併せて景観を形成している「平成の水車小屋」。約50名の棚田オーナーが農作業などに参加

棚田と併せて景観を形成している「平成の水車小屋」。約50名の棚田オーナーが農作業などに参加

文/小林武範
こころなごむ農村の景観を保全する
農業・農村は、米や野菜などを生産するだけでなく、農業生産活動を通して国土の保全や水源のかん養、良好な景観の保全などさまざまな役割を担っています。このような役割を農業・農村の多面的機能といいます。

この機能のひとつ「景観を保全する機能」は、大地に育つ作物と農家の母屋、その周辺の水辺や里山等が一体となり、農村独特の景観が保全される役割のことをいいます。

観光資源として活用される山形県飯豊町の田園散居集落
山形県飯豊町(いいでまち)は、飯豊山を源とする白川により形成された肥沃な扇状地にあり、豊穣な稲作地帯へと発展してきました。それに併せて、広大な田の間に散らばって住む散居の生活様式が定着しました。また、農家は冬の厳しい北西風から家屋を守るため屋敷林を植え、風雪を防いできました。この屋敷林は防風雪だけでなく、燃料不足を補うなど多様に利用されてきました。

こうして形成された貴重な景観財産である田園散居集落を保全しようと、地元住民を中心に平成17年にNPO法人「いいでいい住まいづくり研究所」を設立し、景観と屋敷林の機能保全のための枝打ちや、地域の暮らしについてワークショップを開催するなどしています。

この景観保全の取り組みと併せて、飯豊町では都市と農村の交流や地域観光の核として、田園散居集落の景観を活かしたまちづくりを進めています。

200年以上変わらない徳島県上勝町「樫原の棚田」
徳島県上勝町(かみかつちょう)の樫原(かしはら)地区は、山の等高線に沿って、あぜの曲線、あぜの段、小さな区画が作り出す美しい棚田景観が広がっています。この地区の景観は、江戸時代の絵図に描かれた水田や家、道の位置が現在もほとんど変わらない、世代を越え受け継がれてきたものです。また、民家の大半は樫原地区固有の農家建築の構造とデザインの木造民家となっています。

こうした歴史的にも価値のある棚田景観を保全しようと、地元農家、上勝町、NPO法人「郷の元気」が連携し、かつてあった水車小屋の復元や棚田オーナー制度による農作業や棚田の石積み作業などを行っています。

この景観は、平成11年に農林水産省の「日本の棚田百選」に、平成22年には文化庁の重要文化的景観に認定されています。

のどかな風景には癒されるね