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農林水産省

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農林水産分野の最新研究成果を紹介! アフ・ラボ

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農業の未来を支える「農業新技術2013」その4

収穫から収容まで1台でOK!高能率キャベツ収穫機


農林水産省は毎年「農業新技術200X」と題して、農業に関連した新しい重要な技術を選定し、その普及推進を図っています。今月号では、、収穫作業の大幅な省力化を実現する、キャベツ収穫機を紹介します。

開発は、(独)農研機構生物系特定産業技術研究支援センターとヤンマー(株)、オサダ農機(株)が共同で行い、2012年から約1年間をかけて実用化にこぎつけた

開発は、(独)農研機構生物系特定産業技術研究支援センターとヤンマー(株)、オサダ農機(株)が共同で行い、2012年から約1年間をかけて実用化にこぎつけた
求められていた収穫、調製、出荷作業の省力化
スーパーやコンビニエンスストアに並ぶサラダやサンドイッチなどの商品、家庭や飲食店で使われるカット野菜などの原料となる加工・業務用キャベツ。一般家庭における外食や中食の頻度が増えるなか、消費量のさらなる増加が見込まれています。

一方、生産者にとって生産量を増やすのは簡単ではありません。とくに収穫期は、手作業による刈取り、収穫物の運搬など、それぞれに人手が必要となります。さらに、品質の選別、不要な外葉をはがす調製作業、ダンボール詰めなど、出荷までの工程も別々に行わなければなりません。

生産者の所得を確保しつつ、栽培規模をより一層拡大していくには、こうした一連の作業の省力化が急務でした。

手作業での収穫と同程度の品質をめざして試行錯誤
今回紹介する高能率キャベツ収穫機の利点は、まず人手を介さずにキャベツを一斉収穫できる性能。そして、機上にいながらの収穫物の選別から調製、コンテナ詰めまでの作業ができる構造です。

また、コンテナのまま出荷できるため、出荷経費の削減にもつながります。

開発を担当した、(独)農研機構生物系特定産業技術研究支援センター園芸工学研究部の深山大介さんは、「手作業と同じくらいきれいに収穫するため、刈取り部分の精度を上げるのに苦心しました。いろんな品種や生育状況で繰り返し実験を重ね、精度を上げていきました」と語ります。

収穫機の大型タイプは今夏から、小型タイプは今秋から、それぞれ一般販売される予定です。

導入メリット

農林水産技術会議 http://www.s.affrc.go.jp/docs/new_technology.htm
独立行政法人  農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター
http://www.naro.affrc.go.jp/brain/index.html

文/宗像幸彦