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特集1 大きく広がれ!6次産業化(4)

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国内で需要が伸び悩む 盆栽を海外へ

海外でのブームに着目!地元千葉を中心に、全国の生産者から集めた盆栽や植木をアジアの富裕層や、
EUの盆栽ショップなどへ輸出準備中【ジャパンホートビジネス株式会社(千葉県富里市)】


国産の植木を海外に輸出する寒郡さん(右)に「これからは安心して生産に集中できます」と話す、生産者の角田さん(左)
国産の植木を海外に輸出する寒郡さん(右)に
「これからは安心して生産に集中できます」と話す、生産者の角田さん(左)


盆栽とともに日本文化を世界に発信!
イタリアの盆栽

中国の盆栽

海外では、大きいサイズの植木も、“マクロ盆栽”として評価され、人気が高い。盆栽ブームは15 年ほど継続しているが「今後も持続していくと思う」と寒郡さん

「大学を卒業した当時は、この先どうやって食べていくか、と不安でした。でも今は未来が見えてきた実感があります」と話す川口さん夫妻

「大学を卒業した当時は、この先どうやって食べていくか、と不安でした。でも今は未来が見えてきた実感があります」と話す川口さん夫妻

「海外では、私たち日本人が考えているよりもはるかに、日本産の盆栽や植木が人気なんです」と話すのは、植木・盆栽輸出販売会社ジャパンホートビジネス社長を務める寒郡(かんごおり)茂樹さんです。

たとえば、イタリアではミラノの一等地に盆栽ショップがあり、カップルがデートで訪れ、盆栽を買い求める光景が当たり前なのだそう。また、中国では枝をうねらせ整えたマキの木が「羅漢松(らかんまつ)」と呼ばれる縁起物として、一流ホテルなどに飾られています。

寒郡さんは米国農務省のコンサルタントを15年ほど務めた経験があり、海外の植木・盆栽市場に非常に詳しく、ここ最近は植木生産農家の輸出コンサルティングを行ってきました。そして今回、農林漁業成長産業化ファンドに手をあげ、出資案件第1陣の一つに選ばれました。

輸出に取り組まないと生き残れない!
寒郡さんがファンドからの出資に応募した理由は「植木・盆栽生産者の技を、次の世代へ伝えたい」という強い思いから。30年ほど前から国内では日本庭園の減少とともに植木の需要は下降の一途をたどっています。

千葉県匝瑳市(そうさし)で植木・盆栽を生産する、(有)カクタグリーン代表の角田治一(はるいち)さんも、「これからは、自分たち生産者も輸出に取り組まないと生き残れない、とは感じていました」と話します。

ところが輸出にはさまざまな難しさがあります。なかでも大変なのは、輸出する国ごとに検疫条件が異なること。国内の検疫をクリアして海外に輸出しても、その国の検疫に合格しなければ廃棄処分や船便での返送となり、多額の出費となります。さらに、海外から訪れるバイヤーとの交渉も大変です。

「いかにして安く買うかしか考えていないバイヤーが多く、あきれるような低価格を提示してきます。このままでは生産者の苦労が報われず、意欲は落ち、後継者も育たないと思いました」と、寒郡さん。

新たなビジネスモデルでは、ジャパンホートビジネスが生産者から植木を買い取り、海外に運んで直接販売する予定です。

「バイヤーとの言葉の問題、金銭的なリスク、この二つを補っていただけることが、たいへんありがたい。おかげで、わたしたち生産者は栽培に集中することができます」と、角田さん。

中国向けのマキを中心に生産する若い後継者、川口和繁さんも、「生産技術をしっかり評価し、高値で買ってもらえることは、やりがいにつながりますね」と意欲的。

ジャパンホートビジネスは今後、植木のオリジナルブランドの展開や、海外の購入者へのアフターケアなどにも取り組む予定です。

「風格ある木とともに日本文化を世界に根付かせていきたいですね」と寒郡さんは話します。


ジャパンホートビジネス(株)

2年先の輸出めざし自社で厳しく検疫中