MAFF TOPICS(1)
「有機JAS」制度の開始から14年
有機野菜の生産量や有機茶の輸出量が、増えています
MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。 MAFF TOPICSでは農林水産省のお知らせを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けします。 |
農薬や化学肥料に頼らず、環境への負荷をできる限り少なくした方法で生産する有機農産物。 これを原料とした有機食品を含め、最新データを紹介します。 |
![]() 有機JASマークが付いた、チンゲンサイ ![]() |
有機野菜の生産量は、過去10年で約2倍に上昇
有機JAS マークが付された農産物や加工品は、有機食品のJAS 規格に適合した生産が行われたもので、厳しい生産基準をクリアした有機(オーガニック)食品です(平成25年11月号aff を参照)。農林水産省は、農産物や加工食品に有機JASマークを付すことができる事業者(認定事業者)によって、1年間に生産・製造され、有機JAS マークが付された有機食品の数量(格付数量)を集計しています。このほど、平成24年度の有機食品の格付数量を公表しました。 それによると、有機農産物の生産は年々増加しています。有機JAS 制度が開始された翌年(平成13年)、国内の有機農産物の格付数量は約3万4千tでしたが、平成24年には約6万tにもなりました。特に野菜は、過去10年間で約2倍になっています。 平成24年に初めて有機農産物の認定を受けた、北海道「ふらのやまもと農園」の山本和弘さんは有機栽培を始めたきっかけを、「親戚が作った有機野菜がとてもおいしくて、ぜひやってみたいと思いました」と話します。 また、「有機栽培を始めたことで、ホームページを通して全国の消費者やレストランのシェフから、直接注文をいただけるようになりました。有機栽培は手間がかかるので、大量生産は難しく、価格も高くせざるを得ません。でも、理想とする農業に取り組んで、お客さんから『おいしかったです』と言われるのが、一番うれしいですね」とも言います。 現在、ミニトマトとアスパラガスを中心に栽培していますが、「これからも、消費者に喜んでもらえる野菜を作っていきたいですね」と、抱負を語っています。 EU向けの輸出が好調で、特に日本の有機茶が人気
国内で有機食品の表示規制があるのと同様に、海外でも有機食品の生産や表示の基準を定めている国が多くあります。そのため、有機食品を輸出する場合、基本的には、輸出先の有機認証を取得する必要があります。しかし、相手国と我が国の有機制度が同等と認められた場合は、新たに輸出先の有機認証を取得する必要はありません。 我が国の有機制度は、コロンビアから平成21年に、EUから平成22年に、スイスから平成24年に、同等と認められました。さらに、アメリカからも同等と認められ、平成26年1月から同等性を利用した輸出ができることになりました。 この有機制度の同等性を利用したEU加盟国向けの輸出量は、平成22年には約26.6tでしたが、平成24年には約107.8tにまで増加しました。特に、海外で需要の多い日本茶は、26.5tから89.1tと約3.4倍に増加しています。 今後も、有機農産物等の生産量が増え、食卓に上る機会や輸出も増えていくことが期待されます。 ![]() 有機JAS制度の対象には、有機農産物のほかに、有機加工食品、有機飼料、有機畜産物がある。 詳しい最新データを知りたいときは… 農林水産省ホームページ「有機食品の検査認証制度」 https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html |