特集1 だから、お魚を食べよう!(5)
「魚の国のしあわせ」大賞 優秀賞
魚市場で、消費者向けに「モニター試食会」を開催
お魚のプロと、野菜料理研究家がタッグを組み、五感に訴えることで、魚ファンが急増中!
【甲府中央魚市株式会社(山梨県甲府市)】
![]() モニター試食会には、地域の子どもから高齢者まで、だれでも参加できる
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![]() 試食会は社員一丸となった取り組み。毎回、事前に社内試食会を開催し、納得した料理だけを当日振る舞う ![]() 「身近に感じてもらえる魚市場を目指して取り組んできたことが認められてうれしいですね」と、表彰状を手にする村田さん |
内陸に位置しながら、マグロやアサリの消費量が、人口比率で全国トップクラスの山梨県甲府市。昭和48年創業の甲府中央魚市(株)も、この市民の胃袋を支えてきた水産物卸売会社の一つです。近年、水産物の消費が落ち込んでいるため、魚市場として何かできないかと、平成22年から「モニター試食会」を始めました。「地域の主婦などを魚市場に招いて、さばき方から、オリジナルの食べ方まで、『見る・聞く・味わう・触る・嗅ぐ』をポイントに、魚の魅力をアピールしています」と話すのは社長の村田昇さん。 試食会は年3回の開催で、毎回、〝魚の新感覚おせち〞や〝春から初夏の魚を味わう〞などテーマを設定。会場には、旬の魚を使った季節感あふれる料理が10品近く並びます。野菜料理研究家の守屋若奈さんによる、魚と野菜を組み合わせた料理レシピも人気。どれも家庭で手軽に作れるとあって、親子連れのリピーターなど、150人ほどが訪れる盛況ぶりです。試食会を企画する営業副統括の青柳公洋(あおやぎきみひろ)さんは、「『初めて食べたお魚さんだけど、すっごくおいしいね』と喜ぶ子どもを見ると、ファンが1人増えたようで、うれしくなります」とほおを緩めます。 地域住民にとって身近な魚市場に
ほかにも甲府中央魚市では、企業や行政が開催する「キッズ料理教室」で、魚のさばき方の出前実演も行っています。魚市場がこうした取り組みを行っていることや、野菜と組み合わせて魚の消費拡大に取り組んでいることなどが評価され、「魚の国のしあわせ」大賞優秀賞を受賞しました。「魚市場は、魚のプロ専用じゃない。一般の方だって、もちろん大歓迎です。おいしい食べ方をはじめ、お魚に関することなら、なんでもアドバイスしますので、気軽に足を運んでほしいですね」と語る村田さん。魚食普及への取り組みに、ますます力が入りそうです。 |
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モニター試食会
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