特集1 夢を追いかけて、酪農ヘルパー(2)
酪農ヘルパー歴2年 増田悠佑さん(北海道浜中町)
「酪農ヘルパーになると言ったとき、友人たちは驚きましたが、
両親はいいねと言ってくれて。今も応援してくれます」と悠佑さん |
ミルカー(搾乳機)で搾乳をする間も、牛の様子を気にかけ、体をさすったり、あちこちに目を配る 搾った生乳は、乳質を守るため、細菌が繁殖しないよう、冷却タンクに入れて急速に冷やす 先輩ヘルパーのサポートをする悠佑さん。搾乳が終わった牛からミルカーを外し、隣の牛の所へ運ぶ ミルカー清掃も大切な仕事。次の搾乳に備え、1つ1つしっかりと手作業で洗浄 |
大学時代、将来の目標が何もなく焦っていて……
子どもの頃から、自然や農業に興味があったという増田悠佑さん。早稲田大学文学部を卒業してすぐに、酪農ヘルパーになりました。きっかけは、大学2年生のときに参加した、ロシアでの語学研修です。そんなとき北海道で、“酪農ヘルパー”と出会ったんです 懸命に働く姿がまぶしくて、「僕も絶対なろう!」って 「参加したメンバーが自分の将来について、しっかり考えていることに驚きました。自分も何かしなければと思ったとき、昔から母の家庭菜園を手伝うのが好きだったのを思いだしたんです」と悠佑さん。さっそく夏休みに2週間、北海道枝幸(えさし)町の酪農家へのインターンシップに、参加することにしました。 「大自然の中、生き物を相手にした生活は、すべてが新鮮。都会の学生生活とは違いすぎて。酪農ヘルパーの仕事も初めて知りました。酪農家を支えながら、懸命に働く姿は、ほんとうに輝いていて。自分も将来、こんなふうに働きたいと思ったんです」と、振り返る悠佑さん。 浜中町酪農ヘルパー組合の募集を見つけ、酪農の知識もないまま、縁もゆかりもない浜中町へ。組合事務所2階の寮で新生活をスタートしました。最初の2、3か月は、早朝や夕方から働いたりする生活に慣れず、苦労したとか。 大切なのは酪農家とのコミュニケーション
動物が好きな悠佑さん。酪農ヘルパーも、最初は動物相手の仕事だと思っていたそうですが……。「実際に働いてみて、いちばんの相手は人だと知りました。酪農家とのコミュニケーションがなにより大事なんです」。〝清掃、餌やり、搾乳などの作業で気をつけるべきことや、その日に注意が必要な牛のことを聞き、酪農家の要求にしっかり応える。それが酪農ヘルパーの責務〞と語る悠佑さん。将来の夢を尋ねると、「まずは、酪農ヘルパーとして一人前になることですね。先輩たちのように、スピーディーに仕事ができるようになりたいです」とフレッシュな笑顔を見せてくれました。
酪農ヘルパー、なんでもQ&A
●休みの日は何してる?温泉が好きなので、よく近くの温泉に行きます。 ●趣味は何? 料理が好きですね。麻婆豆腐に凝ってます。 ●疲れた時の癒やしは? 作業の後のお菓子です(笑)。 ●私生活でも体を動かしてる? 最近、ヘルパー仲間にバレーボールに誘われて。実は、小中学校とバレー部だったので、ちょっと楽しみです。 |
酪農家の熊谷康浩さんから悠佑さんへ
悠佑さんは、経験がないまま酪農ヘルパーの仕事に就いたけど、どんな仕事も、嫌な顔せずにやってくれる。ほんと助かってます。おかげで家族とのんびり過ごす余裕も出ました。これからも、よろしく頼むね。 |