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農林水産省

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MAFF TOPICS(1)

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合言葉は「もったいない!」

省庁から、企業、団体まで広がってます! 食品ロス削減運動


MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。
MAFF TOPICSでは農林水産省のお知らせを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けします。
「食品ロス」とは、本来食べられるのに廃棄されている食品のこと。国内では年間推定約500万~800万tもの食品ロスが生まれています。そこで、政府や、企業、団体などが、それぞれの立場で、食品ロス削減の取り組みを実施中です。

昨年フードバンク活動が、全国で食料を必要とした人に届けた食品は約4500tにもなる。食品を提供する企業も社会貢献ができると同時に、廃棄コストの削減ができるメリットがある

フードバンク活動で約4500tの食品ロスを削減!
昨年フードバンク活動が、全国で食料を必要とした人に届けた食品は約4500tにもなる。食品を提供する企業も社会貢献ができると同時に、廃棄コストの削減ができるメリットがある

あふも、残さず食べてるよ

涙を流す皿の絵で、「もったいない」精神を表現したロゴマーク「ろすのん」。食品ロス削減を推進する企業、団体は農林水産省に申請して使用できる

涙を流す皿の絵で、「もったいない」精神を表現したロゴマーク「ろすのん」。食品ロス削減を推進する企業、団体は農林水産省に申請して使用できる

内部の石臼が回転し、茶葉を粉末状に挽く「ヘルシオお茶プレッソ」。茶葉をまるごと摂取するので茶殻が出ない。市場実勢価格は2万5000円前後

食品ロス削減家電も登場!
内部の石臼が回転し、茶葉を粉末状に挽く「ヘルシオお茶プレッソ」。茶葉をまるごと摂取するので茶殻が出ない。市場実勢価格は2万5000円前後

東京都銀座にある「みのりカフェ」と「みのる食堂」では、店内に25個ほど「ろすのん」を置き、お客様に食品ロス削減を呼びかけている

お客様に「もったいない」を呼びかけ中 !
東京都銀座にある「みのりカフェ」と「みのる食堂」では、店内に25個ほど「ろすのん」を置き、お客様に食品ロス削減を呼びかけている

食べられるのに廃棄される食品を、必要な人へ
平成26年3月26日、農林水産省が後援する「食品産業もったいない大賞」の第一回表彰式が、東京都千代田区のイイノホールで行われました。この表彰式で「食品ロス削減」への貢献により、食料産業局長賞を受賞したのが、セカンドハーベスト・ジャパンの「フードバンク活動」です。

「フードバンク活動」とは、梱包上の穴やへこみ、パッケージデザインの変更などにより、まだ食べられるのに廃棄される食品の寄贈を、企業や団体に呼びかけるもの。寄贈された食品は、生活困窮者や児童養護施設などに配給されます。

セカンドハーベスト・ジャパンが活動を開始した平成14年以降、累計で1万141t(約47.9億円相当)もの食品が集まりました。セカンドハーベスト・ジャパン広報室長の井出留美さんは、「その日の食事にも困っている、とくに緊急を要する生活困窮者へ、食品を届けるセーフティーネットの構築を目指しています。同時に、食品ロスも削減できたら理想的ですね」と語ります。

「ろすのん」マークで、食品ロスへの意識向上
食品ロス削減活動を推進するため、農林水産省と関係各府省庁では現在、「NO-FOOD LOSSプロジェクト」という運動を展開中。この運動のシンボルマークとして、農林水産省が作成したのが、赤い鼻に涙目が印象的な「ろすのん」です。この「ろすのん」を、多くの団体や企業が活用することで、食品ロスへの意識向上を呼びかける狙いです。

このマークを使用する企業には、意外にも家電メーカーも名を連ねています。シャープ株式会社では、新製品が食品ロスの削減につながると認められ、販売促進策に「ろすのん」 マークの使用許諾を受けました。第一弾は、「ヘルシオお茶プレッソ」。この商品は、茶葉を細かく挽いて粉末状にすることで、お茶の健康成分を余すところなく摂取できるうえ、茶殻も一切出ないスグレモノです。「『お茶の健康成分を、全部摂りたい』というお客様のニーズに応えた結果、図らずも、食品ロスを削減する、ユニークな商品が誕生したんです」と、シャープ株式会社広報部の岡田敏昭さんは話します。

一方、東京都銀座にある「みのりカフェ・みのる食堂」(JA全農直営)でも「ろすのん」マークを活用。各テーブルのうえに、食品ロス削減のメッセージを印刷した「ろすのん」ポップを置いて、食品ロスの意識向上を呼びかけています。

農林水産省では、「ろすのん」マークをさらに浸透させるため、活動に賛同する企業や団体を募集しています。

「もったいない」のスタートは、わが家の冷蔵庫から
食品ロスの削減に熱心な食品業界では、「納品期限の見直し」により、食品ロス削減を狙っています。納品期限とは、製造された食品がスーパーなどの小売に納品される期限として、慣習的に設定されていたもの。この納品期限を過ぎた食品は賞味期限が残っているにもかかわらず廃棄されるものもありますが、この期限を見直し、現在より延長することで食品ロスを削減する試みがスタートしています。

昨年のaff 9月号のMAFFTOPICS でもご紹介しましたが、食品の製造・卸・小売を営む企業35 社が昨年8月から半年間、飲料と菓子の一部品目で納品期限を延長する実証事業を実施。その結果、飲料と賞味期限180日以上の菓子で約4万t、金額にして約87億円という大きな食品ロス削減効果があることがわかりました。農林水産省や今回の実験に参加した企業では、この結果を受けて、より多くの企業に納品期限の延長を呼びかけていく予定です。

このように各業界が食品ロス削減に向け努力をしていますが、わたしたち消費者一人一人の心掛けも大切です。「食品の買いすぎに注意」「冷蔵庫を整理して賞味期限の迫ったものから順に食べる」「食べ残しに気をつける」など……。日頃から、「もったいない」精神を忘れないようにしたいものです。

納品期限見直し実証事業の概要

文/小林裕幸