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特集1 あふちゃんといっしょに学ぼう! 新しい農業・農村政策(2)

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日本型直接支払制度ってなに?


日本型直接支払制度ってなに?
農業・農村の多面的機能を維持・発揮するための地域活動などに対して支援する制度です
農業・農村には、国土の保全、水源のかん養、良好な景観の形成などの多面的機能があります。こうした機能は、農村だけでなく、都市住民の生活にも役立つもので、国民全体の暮らしを支えています。

しかし近年、農村地域の高齢化、人口の減少などで、農業生産に伴う地域の共同活動などにより支えられてきた多面的機能の発揮に支障が生じつつあります。

また、地域の共同活動が縮小すると、水路、農道などの地域資源の維持管理における、担い手の負担が増大。担い手の規模拡大が阻害されることも懸念される状況です。

このため、農業を産業として強くしていく「産業政策」と車の両輪をなす「地域政策」として、農業・農村の多面的機能の維持・発揮のための地域活動や営農活動に対しての支援が求められています。多面的機能が、今後も適切に発揮されるようにすることが必要です。

制度の全体像   こんな制度待ってました!

日本型直接支払制度が始まるとどんなメリットがあるの?
多面的機能の発揮の促進に加え、担い手への農地集積という構造改革を後押し 地域の活性化も期待されます
都市部では、道路や水路の管理費用を行政が負担しています。それに対して農村では、これまで地域の住民の共同活動により、集落内の水路や農道を守っていました。こうして農業・農村の多面的機能を維持してきたのです。

しかし、農業者の高齢化や人口の減少により集落活動が低迷。このまま高齢化が進むと、水路や農道などの保全・補修にかかる地域の農業の担い手の負担が増大します。農地を預けた人の中には地域を離れる人も。

そこで、水路や農道などを保全・補修する地域の共同活動に対して支援します。そうすることで、農業・農村の多面的機能の発揮が促進されることに加えて、担い手の負担が軽減され、安心して規模拡大に取り組めるようになり、担い手への農地集積という構造改革の後押しにつながります。また、担い手を支える集落の共同活動や、担い手以外の人たちを含めた6次産業化や都市との交流が活発になり、さらに地域が活性化することが期待されます。

地域が元気になるのね!   多面的機能支払の導入、対策前と対策後


ところで、農業・農村の多面的機能ってなに?
ところで、農業・農村の多面的機能ってなに?
農業・農村は、米や野菜などを生産するだけでなく、わたしたちの暮らしに大切なさまざまな役割を担っています。それらを「農業・農村の多面的機能」といいます。
(1)洪水を防ぐ機能
田んぼなどに雨水を一時的に貯め、時間をかけて徐々に流すことで、下流の地域を洪水から守っています。
(2)土砂崩れを防ぐ機能
傾斜地にある棚田などは、日々の生産活動を通じた管理により、斜面の崩壊を未然に防いでいます。
(3)土の流出を防ぐ機能
田んぼに水を張ることなどで、養分に富んだ土壌の流出を防ぎます。
(4)川の流れを安定させる機能
田んぼに降った雨などは地下に浸透し、その一部は、時間をかけて排水路を流れたり、湧出などにより河川に流れ、水量が安定的に保たれます。
(5)地下水をつくる機能
田んぼなどの水が、地中にしみ込み、地下水として蓄えられ、生活用水などに利用されます。
このほかにも、
(6)暑さをやわらげる機能
(7)生きもののすみかになる機能
(8)農村の景観を保全する機能
(9)文化を伝承する機能
(10)癒し・安らぎをもたらす機能
(11)体験学習と教育の機能
など、多くの機能があります。

農業・農村はさまざまな役割を果たすことで、わたしたちのいのちと暮らしを支えているのです。

日本型直接支払制度を活用した、取り組み例を見にいこー