特集1 あふちゃんといっしょに学ぼう! 新しい農業・農村政策(3)
中山間地域等直接支払を生かして!
風光明媚な「境の棚田」がある一方で、過疎や高齢化が年々深刻に……。
そこで、制度を活用し、鳥獣害対策を進め、米の代わりに「紅そば」も育てたら、一躍、人気スポットに!
農事組合法人境【岡山県久米郡美咲町境地区】
ソバを栽培して、耕作放棄地が2ha 解消
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「直接支払を利用して、イノシシ防護用の電気柵を、約12km設置しました」と説明する石坂徹泰さん 棚田のそば屋「紅そば亭」 岡山県久米郡美咲町境1371 営業時間:11時~15時 水曜定休 TEL:0868-68-0661 |
美しい「境の棚田」が広がる、岡山県美咲町境地区。近隣には、日本の棚田百選に認定された「大垪和西(おおはがにし)の棚田」もある地域です。その一方、地区では、高齢化率が40%を超え、過疎化や担い手不足、耕作放棄地の拡大などが、問題になっていました。 「水田がイノシシに荒らされる被害が多くてねぇ。それに、棚田は畦(あぜ)の草刈りも大変で。米作りを続けられない高齢者が増えていたんです」と、農事組合法人境の代表理事を務める石坂徹泰(てつやす)さんは話します。 そこで地区では、中山間地域等直接支払を活用して、まず棚田にイノシシ防護用の電気柵を設置しました。その後、保全のメドがついた棚田で、新しく栽培を始めたのが「紅(あか)そば」です。 「赤い花が咲く、『高嶺(たかね)ルビー』という品種です。ソバは米に比べて、手間がかからないので、高齢者でも栽培しやすいんですよ」と石坂さん。 40aから始まった「紅そば」の栽培面積は2haに、ソバ全体では12haにまで増加。秋になると、美しい花が咲く棚田を見に、大勢の人がやって来るようになりました。さらに、平成15年にオープンした、棚田のそば屋「紅そば亭」も、年間約1万人が訪れる人気店に。「紅そば亭が地元の人と、観光客の交流の場にもなっているんですよ」と、石坂さんはほほ笑みます。 農林水産省では、紹介した境地区のように、過疎や高齢化などに悩む中山間地を元気にするための支援を続けています。
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