特集1 みんなで広げよう! 食育活動(4)
CSR活動で、広げよう! 食育
約90人が一斉に田植えをスタート
地元の人と交流を深めながらも、
生産現場を肌で理解する貴重な経験に
伊藤忠商事株式会社 【大阪府大阪市】
今年5月24日に行われた田植えの様子。リピーターの社員も多く、農家の方に代わって、初体験の社員に植え方を教えることも コンバインでの収穫体験は、希望者が多く、毎回、順番待ちだそう |
伊藤忠商事が、CSR活動の一環として、和歌山県かつらぎ町「天野の里」の人々との交流を始めて、今年で6年目を迎えます。 最初の2~3年は、20代の若手社員を中心とする50名ほどが参加。現在は社員をはじめ、その家族も含めて、約90名が参加する人気プログラムに成長しました。 毎年、10アールの田んぼで田植えと稲刈りを行います。 「初めて田植えに行った日のことはよく覚えています。大阪から大型バスで到着した私たちに、天野のみなさんは笑顔で手を振って大歓迎してくださいました」と、参加者のひとりは振り返ります。 毎回、お昼には地元の食材を使ったおにぎりやお総菜をいただきながら、会社が用意したお肉を焼いてバーベキュー。農作業の後には「丹生都比売(にうつひめ)神社」にお参りし、参道を清掃したり、力仕事などのボランティア活動も行います。 地元住民からは「手間のかかる仕事を手伝ってくれて、とっても助かります」「孫が遊びに来たみたいで、なんだか元気になっちゃうね」などの感想が。 自分で植えて自分で刈ったお米は、おいしさも格別
初めての体験である田植えや稲刈りも、農家のみなさんがていねいに指導してくれるので、安心して挑戦できるそう。田植えでは、一列に並んで田んぼに入り、田の端から端に張られたロープの印に沿って、一列目を植えます。全員が植え終えると、一歩下がり、また苗を植えて、を繰り返します。 「田んぼの泥の感触に、女性社員が『泥エステみたい』と歓声をあげたりして、終始楽しい雰囲気です。天野のきれいな空気の中、子どもから大人までわくわくし、貴重な癒しの時間にもなっています」という声も聞かれます。秋、春に植えた小さな苗が成長し、稲穂になるのを見ると、参加者の誰もが感動します。自分が苗を植えた場所を探して刈ろうとする人もいるそうです。 日頃使わない筋肉をたくさん使い、筋肉痛になりながらも、参加者からは、「農業の大変さ、大切さを実感した」「子どもが農業に触れる良いきっかけになった」という声が聞かれます。 収穫したお米は会社に送ってもらい、一部は施設に寄贈し、残りは参加者全員に配布。「自分で田植えや稲刈りをしたお米は、格別おいしい」と感じるそうです。 |