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農林水産省

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特集1 活用しよう!農地中間管理機構(1)

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農業者の高齢化や耕作放棄地の拡大が進む中で、地域農業を支える担い手への農地利用の集積・集約化を図っていくことが喫緊の課題となっています。こうした事情を背景とし、担い手への農地の集積・集約化や耕作放棄地の解消を加速化し、10年間で担い手が利用する農地の割合を現在の5割から8割まで引き上げることを目指します。このため、農林水産省では、“信頼できる農地の中間的受け皿”を都道府県段階に整備することにしました。これが農地中間管理機構です。

ぜひ農地中間管理機構を活用しましょう!


そもそも、農地中間管理機構の創設の背景は?
担い手への農地の集積・集約化を目指して
現在のわが国の農業構造を見ると、これまでの農地流動化の結果として、担い手の利用面積は農地面積全体の約5割となっているなど、かなりの変化が見られます。農業の生産性を高め、成長産業としていくためには、担い手への農地の集積・集約化をさらに加速化していく必要があります。

また、農業者の高齢化の進展に伴い、基幹的農業従事者※は、65歳以上が全体の6割以上を占め、60歳以上で見ると全体の4分の3を占める一方、40歳代以下は1割のみと、非常にアンバランスな年齢構成となっています。

一方、耕作放棄地はこの20年間で約40万haに倍増。そのうちの約半分は、農業を行っていない人が所有している農地が耕作放棄地となっているもので、今後、相続などを通じて、このような耕作放棄地が増えるおそれがあります。

さらに、農地の利用状況は、10~20haとそれなりの経営規模を有する農業者でも、小さな区画の農地をあちこちに分散して利用している状況であり、生産性向上の大きな阻害要因となっています。

このため、平成24年度から、国では地域における「人と農地の問題」を解決していくために、各地域の農業者の間で地域農業の将来について、中心となる経営体をどこにするか、その経営体に農地をどう集積・集約させていくのかといったことを話し合い、それをまとめた「人・農地プラン」を作成する活動を推進しています。

この「人・農地プラン」の作成プロセスの中で、「信頼できる農地の中間的な受け皿があれば、人・農地問題の解決を進めやすくなる」との声が現場から上がってきました。こうした意見を踏まえて整備することにしたのが、農地中間管理機構です。

年齢階層別の基幹的農業従事者数

  • 年齢階層別に見ると、65歳以上が61%、40歳代以下は10%という著しくアンバランスな状況となっています。
資料:農林水産省「農業構造動態調査(概数)」(組替集計)

※) 基幹的農業従事者とは、農業就業人口のうち、普段仕事として主に農業に従事している者をいう。
  耕作放棄地の動向

  • 耕作放棄地面積は、高齢者のリタイアなどに伴い、急激に拡大しています。
  • 特に、土地持ち非農家の所有する農地の耕作放棄地が急増しており、全体の半分となっています。
資料:農林水産省統計部「農林業センサス」より作成

農地中間管理機構って具体的にはどんなもの?

農地中間管理機構は、まさに中間的な受け皿!
農地中間管理機構の事業概要
  • 農地中間管理機構が農地を借受け、できるだけまとまった形で農地利用の集積・集約化を目指す担い手に貸付けます。
  • 狭小な区画や排水条件が悪いなど、担い手が使いにくい農地は、必要に応じて農地中間管理機構が整備して、担い手に貸付けます。
  • 農地中間管理機構は、借りた農地を借り手が見つかるまでの間、責任を持って管理します。
  • 農地中間管理機構は、その業務の一部を市町村などに委託し、農地中間管理機構と地域の農業関係団体などが一体となって、農地集積・耕作放棄地解消を推進します。

農地中間管理機構の仕組み

文・写真/(株)ブーン
イラスト/青山ゆういち