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農林水産省

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東日本大震災からの復旧・復興に向けて

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東北産品の販売などを通して、被災地と消費者の思いをつなぐ

「東北かけはしプロジェクト」 [株式会社セブン&アイ・ホールディングス]


東日本大震災からの復興支援に、積極的に関わってきた株式会社セブン&アイ・ホールディングス。
小売業の強みを生かし、生産者や企業、行政などと協力し、東北で作られた商品の販売などに取り組んでいます。

イベント「東北の夏祭り  盛り上がろう東北」で行われたプロジェクトの概要発表。左からキリンビールマーケティング㈱代表取締役社長 布施孝之さん、2013年度ミス・ユニバース日本代表 松尾幸実さん、農林水産省皆川事務次官、(株)イトーヨーカ堂代表取締役社長 戸井和久さん、エスフーズ(株)代表取締役社長 村上真之助さん
イベント「東北の夏祭り 盛り上がろう東北」で行われたプロジェクトの概要発表。
左からキリンビールマーケティング(株)代表取締役社長 布施孝之さん、2013年度ミス・ユニバース日本代表 松尾幸実さん、農林水産省皆川事務次官、(株)イトーヨーカ堂代表取締役社長 戸井和久さん、エスフーズ(株)代表取締役社長 村上真之助さん

いわき市のフラダンスチームによるダンスショーの様子

いわき市のフラダンスチームによるダンスショーの様子

SEVEN & i HOOLDINGS



平成23年11月、株式会社セブン&アイ・ホールディングスは、福島、宮城、岩手などの東北各県や、生産者、企業と協力し、3か年計画の「東北かけはしプロジェクト」を発足。これまでイトーヨーカドーを始めとするグループの店舗やインターネットで被災地の商品を販売するほか、試食会などのイベントを催し、東北の魅力を発信してきました。

さらに、イトーヨーカドーのプライベートブランド「顔が見える食品。」シリーズでは、東北の食材を積極的に扱っています。「このブランドのコンセプトは、本当に質のいい商品を、お客様に安心して求めていただくことです」。そう話すのは、セブン&アイ・ホールディングス広報センターの伊藤宏徳さん。品質管理や情報公開を徹底するとともに、パッケージに生産者の名前と似顔絵を表示。売り場やホームページでは、生産者の人柄を紹介し、消費者が生産者を身近に感じられる工夫をしています。

プロジェクトの発足当初、協賛・参加社数は22社ほどでしたが、趣旨に賛同する企業が続々と増え、今年7月、239社にまで拡大。同時に、「顔が見える食品。」シリーズで販売する食材を含め、展開商品を約1,710アイテムと大幅に増やし、新3か年計画として、新たなスタートを切りました。

7月19日には、東京都江東区のイトーヨーカドーアリオ北砂店で、イベント「東北の夏祭り 盛り上がろう東北」を開催。来店者へのプロジェクトの概要の周知のほか、東北の郷土芸能や、いわき市のフラダンスチームによるショーなどが行われました。

今後も発展が期待される同プロジェクト。伊藤さんは、「生産者とお客様双方の想いを伝えることができるのがわたしたち小売業の強み。流通を通して、両者が支え合えるような、復興支援の仕組みを作っていきたい」と、意気込みを語ります。

東北の食材を積極活用!プライベートブランド『顔が見える食品。』シリーズ

いわて遠野牛の生産者のみなさん

いわて遠野牛の生産者のみなさん
いわて遠野牛

冷涼な気候ときれいな水に恵まれた岩手県遠野市。この地域は、日本有数の肉用子牛の生産地として知られています。

平成23年3月に発生した東日本大震災では、産地にも甚大な被害が。そうしたなか、復興と活性化をめざして、地域のブランド牛を、イトーヨーカドーのプライベートブランド「『顔が見えるお肉。』いわて遠野牛」として販売しようという取り組みが始まりました。

平成23年10月から、販売を担うイトーヨーカドー、子牛生産を担う遠野市、肥育を行うエスフーズの3者が連携。「遠野生まれ、遠野育ち」をキャッチフレーズに、繁殖から肥育を一貫して行ってきました。

平成24年1月、イトーヨーカドー花巻店で販売を開始。それから2年半を経て、今年7月、全店舗での販売が実現しました。そのやわらかな舌触りと、まろやかな脂肪の甘みで早くも人気となっています。

商品パッケージにも掲載された、生産者のみなさん

商品パッケージにも掲載された、生産者のみなさん


文/梶原芳恵
写真/松木雄一
写真提供/株式会社セブン&アイ・ホールディングス
真崎わかめ

岩手県沿岸部のほぼ中央に位置し、雄大な太平洋を臨む岩手県宮古市田老(たろう)は、三陸地方のワカメのなかでも高級品として知られる、「真崎わかめ」の産地です。身が厚くほどよい弾力と、濃い旨みが特徴で、イトーヨーカドーでも平成7年より販売し、人気商品として定着していました。

しかし、震災による津波が、収穫直前のワカメを直撃。養殖施設や加工場なども流されました。

震災直後から、イトーヨーカドーには、「真崎わかめを、もう一度食べたい」という消費者からの声が殺到。そこで、産地と協力し、販売再開に向けた取り組みがスタートしました。

平成24年3月販売を再開、そして平成26年3月念願の新工場が稼働。より安定した品質の実現が可能となり、「『顔が見えるお魚。』真崎わかめ」として、販売を開始しました。

イトーヨーカドーで扱うのは、もっともおいしいとされる旬の3月に刈り取ったワカメ。塩分控えめで、素材本来の味を楽しめると、好評です。