特集1 食は元気の源 おいしい! 使いやすい! 介護食品(1)
超高齢社会となった日本。だからこそ、“いつまでも元気で長生きしたい”とお考えの方は多いのではないでしょうか?そのためには適切な食事が必要です。高齢者がおいしく食べられて、介護する方にも使い勝手のいい最新の「介護食品」の数々、詳しくレポートします。 |
現在、65歳以上の高齢者人口は、平成24年度は3074万人と10年前と比べ約1.3倍に増加しています。また、在宅介護の高齢者数は、平成24年度は338万人で10年前と比べ約1.8倍増加し、施設介護の高齢者数も約1.4倍と増加傾向にあります。 一方、介護を行う者の構成割合を見ると、男女とも約7割が60歳以上となっており、老老介護が多数を占めています。また、介護を必要とする者(要介護者など)のいる世帯についても、単身世帯の割合が平成16年の約20%から、平成25年には約27%と、約1.4倍に増加しています。 このような状況で、在宅療養している高齢者の約7割が、健康な体を維持し、活動するために必要な栄養が不足している〝低栄養〞状態にあるという調査結果も出ており、低栄養が大きな問題となっています。「この時代に低栄養なんて……」と思いがちですが、高齢になると、噛むことや、飲み込むこと、さらに消化する力も低下するため、栄養や水分が十分に取れないケースが少なくないのです。 低栄養になると、体力や免疫力が低下して、病気にかかりやすく、気力や認知力も下がるなど、心身に深刻な影響を及ぼしますが、一般的な認知度は肥満やメタボリックシンドロームよりもはるかに低いのが現状です。 高齢者が、自分の口で食べたり飲んだりできることは、豊かな生活の質を生涯にわたって維持するだけでなく、国全体の介護保険料や医療費の削減にもつながります。 そのためにも、介護食品を上手に活用することが必要不可欠となります。 介護食品の市場規模は約1020億円(平成24年度)ですが、潜在的なニーズは約2兆8000億円と試算されており、介護食品があまり利用されていない状況にあり、今後の市場の拡大が期待されます。 老老介護とは……高齢者が高齢者の介護を在宅で行うこと 要介護者とは……介護保険法の要介護と認定された者 |
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