MAFF TOPICS(1)
MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。「MAFF TOPICS」では、農林水産省からの最新ニュースなどを中心に、暮らしに役立つ様々な情報をお届けいたします。 今回は、日本とASEANが連携を取って手がける「日・ASEAN 食産業人材育成官民共同プロジェクト」と開幕直後のミラノ万博での注目トピックスをご紹介! |
食産業のリーダーを育てる新しい取り組みがスタート!
アジア市場に続々と展開する我が国の食産業界と、日本の知識や技術の習得に意欲的なASEAN 諸国が官・民の枠を越えて連携し、アジア地域の食文化向上を試みる取り組みが始まっています。 |
![]() 2015年(プロジェクト初年度) 寄附講座開講大学 [2015年4月現在] カセサート大学 (タイ/バンコク) プトラマレーシア大学 (マレーシア/クアラルンプール) ボゴール農科大学 (インドネシア/ボゴール) |
日本の食産業の海外展開は、アジア市場を中心に年々本格化しています。こうした中で最も重要な課題は、現地での人材の育成と確保です。 2013年の日・ASEAN友好協力40周年サミットをきっかけにして「日・ASEAN 食産業人材育成官民共同プロジェクト」が誕生し、今年1月にスタートを切りました。これは、ASEAN諸国の農業・食品系の主要な大学に寄附講座を開設、日本の民間企業などから講師を派遣。種苗生産、食品加工、流通などの日本のノウハウを伝えて、現地での企業の担い手候補を育成するのが主な目的です。それと同時に共同研究などの拠点整備につながる可能性や、ASEANの連結性向上も期待できます。いよいよ始動したこのプロジェクトの事業内容を、詳しくご紹介します。 官民連携による現地人材育成スキーム ASEAN諸国で寄附講座を順次開講します。日本の食産業の海外展開に向けては、日本の知識や技術を習得した上で、現地のニーズをくみ取って対応できる現地人材の育成が不可欠。とはいえ、それを個別の企業で行うには限界があります。今回のスキームは、ASEAN 事務局への政府開発援助(ODA)と民間からの協賛金によるもの。協賛する日本企業にとっては優秀な現地人材の育成と現地採用につながります。同時に、受講するASEAN諸国の学生にとっては、日系企業への就職支援となります。 日本方式の実践的「フードバリューチェーン」の指導 民間企業から派遣された講師が伝えるのは、主に種苗生産から食品加工、流通、消費に至るまでの「フードバリューチェーン」全般についての、日本方式の実践的な知識と技術です。優良種苗から生産される高品質な農作物が、加工、流通、外食などの食産業で活用されることでASEAN 諸国全体に、日本との連携によるフードバリューチェーンが構築されます。 |
着実な展開を見せるプロジェクトとその将来
初年度にして、すでに着実な展開を見せている本プロジェクト。 ASEAN 諸国で実施された各イベントや、大学での寄附講座の様子をご紹介! |
プロジェクト開始記念式典を各国で開催 1月にインドネシアとタイで、3月にはマレーシアで開始記念式典及びシンポジウムを開催。式典では、提携を結んだ各国の大学に記念盾の贈呈と、協賛企業等からの記念講演が行われました。式典終了後には、日本食と食文化のさらなる普及のため、日本の四季をテーマにした現地日本人シェフによる和食イベントも開かれました。 |
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![]() 四季をテーマにした日本食・食文化普及イベントでは、茶道や餅つき体験等の伝統行事にも高い関心が集まった
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![]() 1月14日、ジャカルタでの開始記念式典。ファウジ・ボゴール農科大学副学長(中央)、岩瀬食料産業局次長(左)
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![]() 1月23日、バンコクでの開始記念式典。ボーデイン・カセサート大学副学長(中央左)、櫻庭食料産業局長(中央右)
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![]() 3月14日、マレーシアでの開始記念式典。モハマド・ファウジ・プトラマレーシア大学副学長(中央右)、岩瀬食料産業局次長(中央左)
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タイを皮切りにASEAN諸国で寄附講座を開講 1月26日から、初の寄附講座をタイ・カセサート大学で開講。学生達の日本の食関連産業に対する関心は非常に高く、質疑応答も活発に行われました。学生達からは「日本の食関連産業についてさらに理解できた」「和食や日本の付加価値のあるサプライチェーンについて学べた」などの感想が寄せられました。3月5日からはマレーシア・プトラマレーシア大学、4月7日からはインドネシア・ボゴール農科大学でも開講し、8月にはミャンマー・イエジン農業大学で開講予定です。 |
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