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農林水産省

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野上農林水産大臣記者会見概要

日時 令和3年3月23日(火曜日)10時51分~11時7分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)独立行政法人の理事長人事について
  • (大臣から)土地改良長期計画について
  • 外国人の入国制限延長による農林水産業の人手不足対策について
  • 生乳流通改革について
  • 大阪堂島商品取引所の株式会社化について
  • 八丁味噌のGI登録取消審査請求について
  • 種子法廃止後の種子条例採択の動きについて

 

大臣

  本日、私から2点御報告がございます。1点目は、農林水産省関係の独立行政法人の理事長人事についてであります。独立行政法人家畜改良センターをはじめ、農林水産省関係の5つの独立行政法人の理事長人事につきまして、本日の閣議で御了解をいただきました。配付しております資料のとおり、令和3年4月1日付けで、新任2名、再任3名を任命することとしております。
  2点目は、土地改良長期計画についてであります。本日の閣議におきまして、令和3年度から令和7年度までの5年間を期間とする土地改良長期計画が閣議決定をされました。今回の新たな計画におきましては、「生産基盤の強化による農業の成長産業化」、「多様な人が住み続けられる農村の振興」、「農業・農村の強靱化」の3つの政策課題を設定をしまして、スマート農業実装の加速化、防災重点農業用ため池に係る防災対策の集中的かつ計画的な推進、流域治水の推進などを図ることといたしております。今後とも、国内の需要や輸出に対応できるように、農業生産基盤の強化等を図る土地改良事業の計画的な実施に取り組んでまいりたいと考えております。詳細につきましては、この後プレスリリースをさせていただきたいと思います。私からは以上です。

記者

  1点伺います。農林水産業の人手不足対策についてです。コロナの変異株の拡大によって、技能実習生を含む外国人の方の日本国内への入国が引き続き停止されることになっています。昨年は、来日できない技能実習生による人手不足が問題になりましたが、再び春を迎えて、農繁期を迎えると、改めて生産者にとって人手の確保が重要になってくると思います。農林水産省として、何か対策をお考えのことがあれば教えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。

大臣

  お話ありましたとおり、緊急事態宣言の解除後もですね、外国人の新規入国を認めない措置については、継続をされております。このため、入国できない外国人技能実習生等の代替人材としまして、日本にいる技能実習生等の在留延長ですとか、あるいは他産業からの雇用等が必要と考えております。現在、多くの人手を必要とします農業現場では、国内の人材を確保するための求人活動や、面接会などの取組が、今、進められていると承知をいたしております。農林水産省としましては、入国制限の状況を注視しつつ、代替人材の確保に係る経費を支援をする、農業労働力確保緊急支援事業を6月末まで延長しまして、他産業等からの人材確保を後押しをしてまいりたいと考えております。

記者

  先日19日の規制改革推進会議の農林水産ワーキンググループで、複数の委員から、生乳の流通改革をめぐって、ホクレン以外の事業者のですね、取扱量が十分に伸びていないということを踏まえて、ホクレンの分割が必要だとするような意見が出ました。農林水産省として、このホクレンを分割する必要性について、どのように考えているかというのと、あと委員からはですね、流通業者同士の競争を促すですね、更なる対策が必要だと、それを求めるような意見も多く出ましたけども、今後の制度の見直しなどをどのように取り組んでいくお考えでしょうか。

大臣

  まず、分割の話でありますが、一部の委員から、生乳流通事業者の競争を促す手法の一つとしてですね、現在、生乳流通の大宗を占める指定団体について、不公正な取引を防止する取組などを行ってもなお、なかなか適正な競争が成立しないのであれば、分割することも検討すべきとの意見もあったと承知をいたしております。現在の指定団体は、歴史的に乳業メーカーとの対等な価格交渉を行う上で、酪農家が団結をして、酪農家の協同組織として発展をしてきた経緯があります。こうした経緯を踏まえますと、競争を促すために指定団体を分割すれば、乳業メーカーに対する酪農家の価格交渉力が弱体化することにつながるおそれなどもあり、慎重な議論が必要であると考えております。なお、規制改革推進会議の場では、一部の委員から、生乳流通事業者の競争を促す手法として、組織の分割や取引の透明性確保の取組など、色々な意見があったことは承知しておりますが、指定団体の分割ありきで議論されたものであるとは認識をいたしておりません。いずれにしても、制度改正の趣旨が徹底されるように、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
  また、今後の対応等々でありますが、3月19日に生乳流通改革のフォローアップを議題としまして、規制改革推進会議の農林水産ワーキンググループのヒアリングが開催された訳ですが、会議では、酪農家が出荷先を自由に選択できる環境を整備した制度改革は、一定の進展があるものの、指定団体への出荷が大宗を占める実態が変わっておらず、指定団体が不公正な取引を行っている疑いもあることから、実態として制度改革が進んでいないとの意見があったと承知をいたしております。委員からはですね、生乳流通事業者の競争を促すことにより、酪農家が出荷先を自由に選びやすくするために、指定団体による不公正な取引の実態、調査及び防止の取組ですとか、あるいは実質的に指定団体以外への出荷ができないような印象を与えている酪農家向けの、「指定事業者が生乳取引を拒否できるルール違反の事例集」の全面的な見直しですとか、必要があれば、実質的に独占状態にある指定団体の分割や取引状況の透明性確保のための制度の検討などの意見があったと承知をいたしております。農林水産省としましては、平成30年4月に施行されました、新たな加工原料乳生産者補給金制度によりまして、補給金を受けられる事業者が拡大するとともに、酪農家が自ら生産した生乳をブランド化をして、加工・販売することで販路を広げるなど、前向きな取組が進んでいるものと認識しておりますが、3月19日の、この会議において、事務局から提出された資料に記載されたような不公正な取引事例につきましては、農林水産省として承知してないものであることから、まずは、そのような実態があるか否かを含め調査をして、その上で課題を見極めて、対応を検討していく必要があると考えております。

記者

  委員からはですね、この「いいとこ取り」といった言葉とか、今、おっしゃったルール違反の事例集ですね、これに対する批判も相次ぎましたけど、こういう運用を見直すというお考えはございますでしょうか。

大臣

  例えばルール違反の事例集でありますが、事例集がですね、酪農家に対して、実質的に指定団体以外への出荷ができないような印象を与えており、全面的に見直すべきとの意見があったと承知をしております。この事例集はですね、制度改革以降、一部の酪農家で、年度途中で契約に反して、一方的に別の事業者に出荷するといった行為が見られたことから、酪農家の契約違反を是正することを目的に作成したところであります。こうした取組によりまして、酪農家の契約違反を意味する、いわゆる「いいとこ取り」の発生は減少をしております。一方で、制度改革の成果として、個々の酪農家の経営判断で所得向上を図るために、年度単位で契約先を変更したり、2か所に出荷する酪農家も出てきているところであります。いずれにしても、規制改革推進会議の動きも踏まえてですね、どのような対応が可能か検討してまいりたいと思います。

記者

  先週の金曜日に、株式会社への組織変更を認可されました、大阪堂島商品取引所に対しての受け止めをお聞かせください。

大臣

  先月ですね、大阪堂島商品取引所から株式会社への組織変更の認可申請が行われまして、その申請内容を審査しました結果、商品先物取引法の認可基準に適合すると認められましたので、3月19日付けで認可を行いました。今回の組織変更は、大阪堂島商品取引所が、増資による財務基盤の強化、ガバナンスの革新等によりまして、確固たる経営基盤の確立を図ることを目指して行うものと承知をいたしております。農水省としては、同取引所の今後の取組を注視してまいりたいと考えております。

記者

  地理的表示、GI保護制度についてお伺いします。先日、八丁味噌のGIをめぐって、老舗側の不服審査請求を棄却されましたけれども、改めて判断の理由をお願いいたします。あと、併せてですね、本家本元が八丁味噌を名乗れなくなる矛盾が生じる可能性もあると思うんですけれども、こうしたねじれを、どういうふうに捉えているのか、あるいは解消していくのか、そのあたりをお聞かせください。

大臣

  今般、裁決においてですね、請求を棄却したところですが、その理由は、先般、公表されました第三者委員会の報告書に沿った内容となっております。まず、八丁味噌の特性が愛知県と結び付いていないという主張については、八丁味噌の社会的評価は、県組合、八丁組合双方の八丁味噌から形成されておりまして、登録された生産地である愛知県と結び付いているものと判断をいたしました。また、八丁味噌の名称については、愛知県との結び付きが認識できないと主張していた点につきましては、味噌の公正取引協議会が、八丁味噌を愛知県の特産物と認識していたことなどの事実から、需要者がその名称から生産地との結び付きが認識できるものと判断をいたしました。このように、県組合のGI登録につきまして、違法・不当な点はなく、登録を取り消す理由がないとして請求を棄却する裁決を行ったところであります。また、名称が使用できなくなるのではないかという話でありますが、このGI制度の下で、八丁味噌協同組合の岡崎市の老舗2社は、2019年の2月から7年間、先使用として八丁味噌の名称を使用できます。また、それ以降であっても、GI産品との混同を防止するための表示をすれば、引き続き八丁味噌の名称を使用することができる訳であります。また、GI制度の下では、生産者団体の追加登録が必要ですので、八丁味噌協同組合が、八丁味噌の生産を管理する生産団体として農林水産省に登録の申請を行い、登録されれば、引き続き、八丁味噌の名称を使用できるということであります。

記者

  種子法廃止と改正種苗法について質問です。2018年4月、主要農作物種子法が廃止されましたが、この種子法は、米・麦・大豆など、国民の主食となる農作物については、各都道府県において、その風土に適した優良で安全な種子を安定的に、かつ安価で提供することを規定する法律でした。そして、2020年12月2日、改正種苗法が成立し、この4月には施行される予定となっています。現在、国側と種子法廃止違憲無効訴訟を争っておられる元農水大臣の山田正彦氏は、この流れについて、昨日、東京地裁で行われた第3回口頭弁論後の報告集会で、次のように述べています。「この改正種苗法により、農業は生産者と企業間の契約に基づくものとなり、その際、企業側が指定した農薬、化学肥料及び種子の使用を義務付けられる。そのために、私たち国民がこれまで当たり前に享受していた安心・安全な農作物の供給ができなくなるおそれがある。」とおっしゃっていました。この事態を受けて、各都道府県では、現在、それぞれが抱える農家の育種知見を保護するための種子条例を成立させる動きが生まれており、現在、全国26の道県でこの種子条例が成立しています。これは、ある意味で国会で承認され成立した法律を、各都道府県が、差し戻している形になる旨のことを山田正彦氏は述べておられます。この各都道府県における種子条例の採択の動きについて、野上大臣はどのようにお考えでしょうか。

大臣

  今、お話ありましたとおり、主要農作物種子法の廃止後ですね、各都道府県では、新たに地域の独自性を反映をしました官民の連携や、種子供給体制の整備・条例の制定の動きが出ているところであります。これは地域の農業に必要な対応を自ら判断して講じていると考えています。こうした動きは、全国一律というやり方を止める中で、各県が多様な需要に応じた種子供給体制を構築しようとする動きの表れであるというふうに考えております。

報道官

  他にございますでしょうか。では、以上で終了させていただきます。ありがとうございました。

以上