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農林水産省

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金子農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年3月29日(火曜日)8時59分~9時14分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 諫早湾干拓事業請求異議訴訟差戻審判決について
  • アサリの産地表示適正化のための対策等について
  • ウクライナ情勢による貿易への影響について
  • 生乳の需給緩和について
  • 物価高騰対策について
  • 国家戦略特区における企業の農地取得特例について

質疑応答

  • 諫早湾干拓事業請求異議訴訟差戻審判決について(1)

記者

  諫早湾干拓事業をめぐる裁判で、先週金曜日に出された福岡高裁の判決について、受け止めをお願いします。

大臣

  先日25日に、請求異議訴訟の差戻審に関して、福岡高裁において、国の請求を認める内容の判決が出されました。引き続き、諫早湾干拓事業をめぐる一連の訴訟について、関係省庁と連携しつつ、適切に対応してまいります。いずれにしましても、国といたしましては、平成29年大臣談話に基づく和解を目指すことが問題解決の最良の方策との考えの下、対応してまいります。


  • アサリの産地表示適正化のための対策等について

記者

  あさり関連で伺います。農林水産省などは、先日、アサリの産地表示ルールを厳格化することを公表しました。この中で、蓄養について、「長いところルール」の期間の算定に含めないことを明確化しましたが、今回の大規模な産地偽装疑惑では、輸入アサリの大多数が、蓄養を経ずに山口県の下関港に陸揚げ後に流通していたと見られています。蓄養を経ずに熊本県産と産地表示を偽装するケースに対しては、今回のルールの厳格化というものは効果は薄いのではないかと考えますが、大臣のお考えを教えてください。
  もう1点お尋ねします。熊本県は、産地偽装の疑いがある輸入アサリ全体のうち、蓄養を経るケースが2割で、蓄養を経ずに流通しているケースが8割を占めていると見ておりますが、農水省としては、それぞれの割合を具体的にどう分析しているのでしょうか。以上、お願いいたします。

大臣

  今般の消費者庁による「長いところルール」の適用の厳格化により、育成期間に算入できるのは、区画漁業権に基づいて行う養殖のみとされました。また、養殖により育成期間に算入する場合にも、区画漁業権の免許の有無など、必要な証拠書類が明確化されました。これらにより、アサリの流通に当たって、根拠に基づかない表示を行うことを抑制する効果があると考えております。何か疑問があったら、事務方にお問い合わせいただければと思います。
  それから、アサリの流通につきましては、輸入アサリが通関された場所は把握できますが、通関後にどの程度の量が蓄養されたかについて、定量的なデータは承知しておりません。このため、御質問の割合について、お答えするだけのデータを持ち合わせていないため、コメントできません。疑義ある場合には、いずれのケースにおいても、仕入先や販売先等の流通ルートをさかのぼって立入検査等を行うことにより、対応してまいりたいと考えております。他に何かありましたら事務方に聞いてください。


  • ウクライナ情勢による貿易への影響について

記者

  対ロ制裁の関係で1点お尋ねなんですけれども、今月16日に、岸田首相がロシアからの一部の輸入品目に関して禁輸にする方針を明らかにされていると思うんですけれど、農水分野の品目の特定の状況などはいかがでしょうか。お願いします。

大臣

  総理からは、ロシアに対する外交的、経済的圧力を一層強めるべくロシアへの最恵国待遇の撤回等の措置を速やかに実施すると表明されていますが、このうち、ぜいたく品の輸出禁止については、今朝の閣議で対象品目が定められました。今後、経済産業省から具体的な品目が公表される予定であります。また、他の追加制裁に関する具体的な措置について、引き続き検討を行っているところです。具体的な検討内容やその影響については、現時点ではお答えは差し控えたいと思います。


記者

  追加で確認ですけれども、今朝の閣議では輸出の品目についての部分が決まっただけで、輸入の品目については、まだ検討中だという理解でよろしいでしょうか。

大臣

  はい。輸出について、今後、経済産業省から具体的な品目が公表される予定です。


  • 生乳の需給緩和について

記者

  今、小学校や中学校では、もう春休み真っ只中だと思うんですけど、生乳の需給の状況などを教えてください。

大臣

  生乳の需給状況は、例年、春は生乳需給が緩和する傾向にありますが、今年は、2月の時点で、生乳生産量が前年に比べまして102.9パーセント、牛乳等向けの処理量は前年比99.1パーセントとなっており、例年以上に需給が緩和する傾向が見られます。現状では、生乳廃棄という事態は生じていないものの、飲用牛乳等の需要は、気温とか天候などによって日々変動するため、生乳廃棄の可能性について、予断を持ってお答えすることは難しいと思います。農林水産省といたしましては、引き続き、緊張感を緩めることなく、業界と連携を密に取りまして、消費拡大に向けた情報発信等に対応してまいります。


  • 物価高騰対策について

記者

  ちょっと別のことでお尋ねなんですが、少し前の会見でもお尋ねしましたけれども、今、様々な品目の物価高対策というものを、政府与党全体でいろいろ議論が進んでいると思います。昨日、与党の公明党の方から、岸田総理宛に緊急提言というものが出されていまして、その中には、もちろんエネルギーのことなどいろいろ書かれているんですけれども、農林水産分野で見ますと、穀物の価格の高騰対策、小麦などですね、それの影響を緩和するための対策を実施して欲しいということと、あと、もう一つ、飼料、餌の方ですが、畜産に対するセーフティネット費用の積み増しを図るということを求めているのと、もう一つ、肥料についても、その影響を緩和する対策を取ってくださいということが書かれています。この、一般的な人間の口に入る小麦などの穀物と、あと飼料と肥料、それぞれについて、これまでも何度かお尋ねしたことがありますが、大臣のお考えを改めてお尋ねします。

大臣

  本日の閣僚懇におきまして、総理から「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」の策定指示がありました。その中に、いろんなものを細かく、先ほどもお話があったような中身もいろいろ書いていますので、この中身を精査しまして、今後、我々の対応を考えていきたいと。詳しくは、官房長官が記者会見でお話をするということになっておりまして、各省では指示があったということだけを伝えるようにということでした。詳しくは官邸の方で。中身をこれから精査します。いろいろ細かいところに渡って話をしてます。第一段階4月、最終的には6月というような感じになると。4月にやる時にはコロナ対策の予備費を使うと。抜本的対策は6月までにまとめるということじゃないかなと思います。


記者

  一つ一つの中身はこれから検討ということですけど、確認的な意味で最後お尋ねですけども、半月ぐらい前の記者会見で、小麦については、なかなか、他の穀物も上がっている中で、小麦だけの価格対策というのは難しいというような趣旨の、否定的なお考えをお話しされていましたけども、この点についてのお考えは、現時点でも特に変わりはないでしょうか。

大臣

  それは正直言って、他の品目もたくさんありますので、それも含めた上で、今後の小麦の価格等を検討しながら、各局でどのような対応ができるかということは検討いたしますけども、なかなか難しいところもあるかもしれません。正直言って、今の時点でどのようになるかということについては、全体的な経済対策の規模とか、それから小麦を一般に販売するということになってくるとなかなか大変ですよね、正直。小麦の占めるウェイト、それぞれパンとかその他を考えていくと、ある種、毎日買う方から見れば、値上がり程度についてはいろいろな意見もあるかもしれませんが、占める割合からいくと、例えば180円の食パン1斤当たりで2.6円、一番影響があるのは、小麦粉を家庭で使うときの、1キログラム単位で買うときに280円のものが大体12円ぐらい上がる。(プラス)4パーセントという感じになりますので。その辺はよく見極めながら。ただ、どういう対応があるのか、難しいですね、正直言って。


  • 国家戦略特区における企業の農地取得特例について

記者

  国家戦略特区の、兵庫県養父市で認められている企業による農地取得の特例について伺います。ニーズや問題点の調査を年度内に着手されるということですけれども、着手というのは既に調査の内容とか対象が決まってらっしゃって、年度内に調査票を送るという、そういう形でよろしいのでしょうか。

大臣

  今、内閣府と調整していますので。期日が迫っていますので、そういう中でどういう調査をするかという、最終的な詰めに掛かっております。


記者

  まだ決まってらっしゃらない。

大臣

  最終的な詰めで、まだ。ただ、年度内に調査をスタートすればいい訳ですよね。結論出すのはその後、調査を見た結果であって。だから、年度内には出すという約束で閣議決定していますので、それはやらなきゃいけないということになります。


記者

  年度内に調査票みたいなものを出される。

大臣

  昨日、調査を実施するということで、総理ははっきり言っていますから。それに沿って、我々も内閣府と、今、最後の詰めをやっております。


  • 諫早湾干拓事業請求異議訴訟差戻審判決について(2)

記者

  諫早湾干拓の訴訟の関連で、大臣、かねてから、この問題、なかなか解決までには時間がかかるという見解を示されているんですが、今回の判決が解決に向けて一歩前進したというふうに受け止められているのかどうか、現状でのお考えをお聞かせください。

大臣

  なかなか、僕が発言するといろいろな反応が出るからね。しかし、判決が出た訳ですから。判決の中身についても、これから分析が必要だと思うんです。一通り読ませていただきましたけど、中身について、法務省とも打ち合わせをしながら、今後対応していくということになるだろうというふうに思っております。だから、いずれにしろ、先ほども言ったように、(平成)29年の大臣談話に基づいて和解を目指しますが、問題は相手さんとの話までいけるかどうかということ。開けないという前提での話ですから、それはもうずっと、今日まで同じ考え方でやってきていますから。話し合いができるものであれば、私は話し合いをした方がいいと思います。


報道官

  他に御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上