このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

金子農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年4月1日(金曜日)9時19分~9時36分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に係る農林水産分野の対応について
  • 有明海西南部におけるノリの不作について
  • 諫早湾干拓事業請求異議訴訟差戻審判決について
  • ミニマムアクセス米について
  • 米国における牛肉の低関税輸入枠について

質疑応答

  • 「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に係る農林水産分野の対応について

記者

  4月に入りまして、様々な食料品が値上げされることとなっていますが、農水省として新しい対策などを考えていらっしゃるなら、また何かこうしないといけないという思いなどございましたら、教えていただきたいです。 あと食料品以外にも電気、ガス代なども毎月のように値上げされている今現状ですが、何か閣僚の一人として国民に負担がかかっていることについて新年度の課題について、思うことがあれば教えていただきたいです。

大臣

  コロナ禍においてですね、ウクライナ情勢などによりまして、原油や原材料、食料品価格が高騰しています。農林水産業・食品産業に及ぼす影響にしっかりと対応できるよう、引き続き緊張感を持って対応してまいります。その上で、農林水産業の持続可能な成長に向けまして、スマート農林水産業、農林水産物・食品の輸出促進、みどりの食料システム戦略といった施策を着実に推進していく考えであります。このため、昨年度成立した補正予算や当初予算の適切な執行はもとより、今国会に提出した法案の成立に全力を尽くすなど施策の効果を農林漁業者や食品産業の皆様に実感していただけるようしっかりと取り組んでまいります。 原油含めていろんな物価高についての話がありましたが、3月29日に閣僚懇において、総理から、原油価格・物価高騰等など総合緊急対策の御指示がありました。総理からは、「価格上昇等により国民生活や経済活動に不可欠なエネルギー、原材料、食料等の安定供給に支障が生じることのないよう、調達先の多様化を進めるとともに、配合飼料価格の上昇が畜産(経営)に及ぼす影響を緩和すること」などを柱とした具体的な施策の検討を進め、4月末を目途に取りまとめるように指示がありました。 農林水産省といたしましても、この総理の指示に従いまして、緊急に会議を開いて、農林水産業・食品産業を取り巻く状況をしっかりと把握しながら対応できるような必要な対策を今検討しているところでございます。


  • 有明海西南部におけるノリの不作について

記者

  大きく2点、有明海西南部の今期のノリの記録的な不作と、先日の諫早湾干拓福岡高裁の判決について伺いたいと思っております。 最初に、有明海西南部のノリの記録的な不作についてなんですけれども、3月に大臣が佐賀県を訪れた際に漁民と話をする中で、いわゆる有明海特措法の22条の適用を求める漁民に対して、金子大臣がですね、「お前たちは保険を求めて、もっともらうつもりか」というふうに言われたと聞いたんですけども、これは事実でしょうか。

大臣

  「お前たち」なんていう言葉を使った覚えはないですよ。


記者

  「その保険の上に更にもっともらうつもりか」ていうふうに言われたことは。

大臣

  そんなことも言っていません。「対応はこういう形になっておりますが、今後そういった22条の問題も含めて検討させていただきます」という話です。そんな言い方はないと思うな。失礼じゃないかと思う。


記者

  いわゆる22条の著しく水揚げが落ちた場合というときの、著しいというのは、大臣はどの程度平年作に比べてどの程度減った場合とお考えでしょうか。

大臣

  だから私がお話したのはね、「状況をよく調査しましょう」と。したがって、共済と積ぷらで、ある一定の対応ができてるんで、実際の経営状況と比較をしながら、どういう状況にあるかということを、ちょっと調査しましょうっていうことで、私は、その場で、漁業者の方を呼んで、終わった後に、「実態調査をしたいから協力して下さい」と、「事実どうなってるんですか」っていうことをお聞きしまして、水産庁の担当部長も紹介いたしました。その後はお話、あってございません。こういう状況です。


記者

  ただ、そのときにさんざん被害状況をお聞きになったと思うんですが、あのもう史上最低というふうに漁民たちは言っています。それもよくご存知だと思うんですけれども、まさにこの時期こそ、22条を発動すべきだというふうに思うんですが、その点いかがですかね。

大臣

  それは、去年は少し良かったっというので。非常に波があるんですね。共済でその波の部分についてのカバーはできるようになってますから、先ほどお話しているように、最悪の事態の中で、前はですね、平成12年かな、ノリの大不作があったときには、共済とか積ぷらとかそういうものはなかったんですよ。その後それができてきて、佐賀県はずっとその後ノリが順調でした。ほとんどね、積ぷらとか共済を使うことはありませんでした。ところが、昨年から一昨年にかけて、非常にコロナで売れ行きが悪くなって、ノリの価格が安くなって、今までなかったような凶作、凶作というよりも収入減によって、そして、そういった共済と積ぷらをですね、ずいぶん使ってますよ。一応それで対応しているような形になっていますから。今回もそういった対応の形ができてると私は思っていますから。問題は、実態調査することが大事ですから。


  • 諫早湾干拓事業請求異議訴訟差戻審判決について

記者

 先だっての福岡高裁の判決なんですけども、漁民側が言うにはですね、強制執行が許されないというふうに認めただけであって、2010年の確定判決は生きているんだと、開門義務は消えないんだということを言っておりますが、この点、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

大臣

  そうですかね。それぞれ裁判の中身について、国としてその裁判をどう受け止めているか、また、それを訴えた方たちがどう捉えているか、そういった解釈の違いがあるんですかね。私たちは、国の請求は認めるという内容と思っていますからね。私は。


記者

  確定判決は消えないわけですね。

大臣

  確定判決を、今回ある意味では、裁判所としては別の判決を出したわけなんですから。


記者

  強制執行を許さないという判決だと思うんですけども。

大臣

  だからそれを、どう解釈してどのように対応するかというのが国の考え方であり、向こうの考え。私たちは一応、向こうが上告するのかどうか分かりませんが、(平成)29年の大臣談話に基づいて、できるだけ非開門を前提で話し合いをしましょうと言っているわけですから。何も話し合いをしないというわけではなくて、非開門の前提の中で話し合いをしましょうって言っているんですから。


記者

  その非開門で、農水省は、100億円基金で和解協議をしましょうということをずっと言ってるわけですが、そのことについては、もう長崎地裁で1年ぐらいかけて議論がされてですね、結局和解が成立しなかったっていう経緯があると思うんですね。この際やっぱり新たな和解案を模索するべきではないかと思うんですが、その点いかがでしょう。

大臣

  それは、あくまでも向こうが非開門の前提の中で和解の話をしましょうっていう話に乗ってこないと、我々の方から積極的に話するというのは非常に難しいんじゃないでしょうか。


記者

  しつこくて申し訳ないのですけど、一方で確定判決があって、他方で開門しろという確定判決があって、他方では開門してはならないという確定判決もあるので、やっぱり両方を満足させるような、策を講じるのが大臣の務めではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

大臣

  法に基づいて私たちも対応していくしかないし、だから和解する前提の中でね、非開門をお話してるんですから、非開門前提の中で、どうやって今の和解の内容で問題があるならば、こういったところをこういうふうにしてもらいたいという話をしながらやっていかないと非常に難しいと思うんですよ。私は、非開門前提で向こうが、我々は出した今の内容以外に、いろいろなお考えがあるならば、話をしていただければ、対応したいと思っております。


記者

  最後に一つだけ、いわゆるその(ケース)3-1開門という開門の仕方があればですね、農水省もそんなに被害は出ないっていうふうに言ってるんですが、そういうことは考えでしょうか。

大臣

  それはお立場。私は実際いろいろとやってまいりましたからね。開門すると大変な被害が出るということをよく分かっていますし、だから、それは見解の相違じゃないですか。御質問者と、国側との見解の違い。


  • ミニマムアクセス米について

記者

  3月31日、昨日のMA米入札で76万7000トンという年間目標の契約ができました。しかし、その直前の入札2回でですね、応札者がゼロで落札ができず、年度末31日までギリギリ入札が延びて大変苦労されたというふうに見ております。海外の米価格上昇があったのかなというふうに私は見ていますが、一方で日本国内では、御承知のとおり米の需給が緩和して値段が下がる中で、毎年76万7000トンもの米をですね、多額の財政負担を伴いながら入れることへの強い批判もあります。大臣として、こうした30年近く前に合意した76万7000トンの米を輸入するということに関して、内容を見直していくというようなお考えはあるでしょうか。

大臣

  米のミニマムアクセスはガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の中で、全体のパッケージの一つとして、従来の輸入がほとんどなかった品目について、最低限度の市場参入機会を与える観点から全ての加盟国の合意の下に設定されたものであります。 この経緯の下に導入されたものであるため、米のミニマムアクセスの輸入量の見直しは極めて困難であると考えております。大臣としていうより、国としての考え方ですよ。


記者

  これだけ米の価格が下がる中で、このままでいいのか、大臣の気持ちはいかがでしょうか。

大臣

  大臣というよりも、こういう制度の仕組みの中で、国際的な条約の中で決めてきたことなんですから。国際的な条約で決めたことを国内事情によって変更しますなんて言ったら、これから国際協定について信用できなくなってくるじゃないですか。 みんなでそうやってこの話を決めて、日本としては、だいたい77万トンは絶対輸入するっていう前提で、ガット・ウルグアイ・ラウンドがまとまったわけなんですから。それをまた事情が違うからといって一方的に言ってたら、それじゃ日本が信用されなくなってくるんじゃないですか。だから国内事情についての対応は、備蓄とか何かでいろいろやっていると。そういうことなんですよ。そこは理解していただかないと。


  • 米国における牛肉の低関税輸入枠について

記者

  2点伺わせてください。 1点目、牛肉の輸出に関してです。米国向けの輸出で日本は他の国と共同で年間6万5000トンぐらいまで低関税で輸出できる枠がございますけれども、ブラジル産の輸入急増を背景にこの枠が近日中に満杯となり、近く関税が引き上がる見通しとなっております。 今後の米国向けの牛肉輸出への影響をどのように見ておられるか、それから米国に対して引き続き低関税で輸出できるようにどういった働きかけをしていくか伺います。

大臣

  今お話があったように、日米貿易協定でですね、低関税の複数国枠は6万5005トンで輸出が可能となっているところですが、今年のですね、既に3月28日でもうこの枠が96%を消化しているそうです。今いろいろとお話があったようにブラジルからの輸出が非常に拡大しているということなんですね。これが枠を超過した場合は26. 4%の関税が掛けられることになりますので、日本の輸出というものについて、いろんな影響があると思いますので、我々も今後のですね、動向を注視していきたいと。円安等も一つは輸出のプラスにはなっておりますが、そういう中で、非常に牛肉輸出が順調にいってるんですよ。近いうちまた、2月の統計が発表されるんですが、非常に順調にいってる中でね、こういうふうな状況になってきたんで、ここについては我々もいろいろな働きかけをしながら今後の動向を注視していくしかないかなと思っています。努力はしていきたいと思います。


記者

  2点目で話題がらりと変わりまして、先ほども冒頭でもありました緊急経済対策のことで伺いますが、農業分野では資材高騰への対策が課題になろうかと思っております。 このうち、肥料の高騰について、与党内からは価格を補填するように求める声も出始めてきておりますけれども、農水省としてどのような対策をお考えか伺います。

大臣

  4月一杯にまとめなければいけないですから、党としては、4月中旬までにそういった対策を考えると思いますので、与党とよく話し合いしながら、御意見を伺いながら、対応していきたいと思っております。今の時点でどうこうっていうのは、はっきり申し上げることは難しいですね。


報道官

  他に御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上