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農林水産省

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金子農林水産大臣退任記者会見概要

日時 令和4年8月10日(水曜日)12時58分~13時11分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • (大臣から)退任に当たって
  • 在任中の成果と今後の課題等について
  • 今後の予定等について
  • 新大臣の印象等について

冒頭発言

大臣

  今日で退任することになりました。10ヶ月間、大変皆様方にお世話になりましたことを心から厚く御礼申し上げたいと思います。皆さん方も、いろんな農林水産省の諸課題について、それぞれの立場で御発信をしていただいて、特に牛乳の問題の時には、全テレビ、全社取り上げていただいて、多くの方々に牛乳を召し上がっていただき、どうにか厳しい時を乗り切ることができました。その他の課題についても、皆さん方の立場で御発信をいただき、国民の皆さん方に、農林水産省のいろんな事業についての御理解をいただく機会を与えていただきましたことに、心から感謝を申し上げたいと思っております。私から改めて御礼を申し上げて、以上です。

質疑応答

  • 在任中の成果と今後の課題等について(1)

記者

  この10ヶ月間の大臣としての取組についての振り返りと、それから今後の農林水産省への期待ですね、どのようなことがあるかというのをお聞かせください。

大臣

  昨年の10月4日に、農林水産大臣に就任して以来、豚熱を含めた家畜伝染病、特に米の需給対策、また沖縄の軽石による漁業被害、そして北海道の赤潮被害、食品原材料、資材の価格高騰など、目の前の緊急的な課題に取り組むとともに、農林漁業者が減少し、国内市場が縮小する中で、担い手の確保、担い手や農地の確保、そしてスマート農林水産業の推進のほか、海外の食市場の獲得や気候変動への対応と、構造的な課題にも対応してまいりました。具体的には、生産の効率化を高める農地の集約化や、農用地の保全による荒廃防止等を進めるため、農地の関係法律を成立させました。また農林水産物・食品の輸出促進に取り組み、初めて輸出額1兆円超えを実現しまして、更に輸出を進めるため、関係法律を改正したほか、みどりの食料システム戦略に基づき、環境等に配慮した政策を進めるため、みどりの食料システムの確立のための法律を成立させました。さらに直近では、ウクライナ情勢等により、食品原材料や生産資材の価格が高騰する中で、予備費も活用しながら、燃油価格高騰対策、配合飼料の基金への積み増し、肥料価格高騰対策など、農林漁業者等への影響の緩和を図るための対策を講じてまいりました。今後の課題といたしましては、現在、ウクライナ情勢などを契機といたしまして、特に食料安全保障の議論が活発になってきておりまして、将来に向けた食料の安定供給の確保は重要な問題でありますが、この問題は、緊急時の対応だけではなく、平時の構造的な課題への対策が重要であると考えております。今後は、これまでの農政の基本的方向を定めた食料・農業・農村基本法の検証も行い、よく議論をして、今後の対策を検討していく必要があると考えております。以上です。


  • 今後の予定等について

記者

  今日で退任ということで、しばらくは新大臣との引き継ぎとかもあると思うんですが、大臣、参院選にも出られなかったので、農水大臣の経験を生かして、今後何か御予定があれば、教えていただきたいと思っています。この10ヶ月ですか、大臣をやった経験から、今後、政治家、長く政治経験をお持ちの金子さんはどうされるのかお伺いします。

大臣

  今のところ、どうこうということは決まっておりません。地元に帰りまして、今までの経験を生かして、何か地元のためにお役に立てればというのは思っております。また農林水産業につきましても、特に水産関係は私もやってまいりましたし、厳しい環境の中で、今後の水産のあり方というものについては、辞めた後も非常に関心を持っておりますので、これからも業界の皆さん方の御意見を承り、一緒になって、いろんな問題に取り組んでいきたいというふうに思っております。農業関係も、米の問題含めて、特に食料安保という問題が出てまいりまして、今までやってきた農林水産省の政策をよく検証して、新たな時代に取り組む必要性を感じてまいりましたので、そういったものを生かせればなと思っております。まあ、あまり表に出ることはないでしょうね。


記者

  長崎に戻られるんですか。

大臣

  長崎に帰ります。長崎に帰って、長崎で生活をしていきます。たまには東京に来ることにもなるだろうと思いますけど。


  • 在任中の成果と今後の課題等について(2)

記者

  この10ヶ月間で、特に大臣として成果を上げられたとお感じになる部分と、新しい大臣に、課題含めて、強く引き継いでいきたい部分がありましたらお願いします。

大臣

  成果を上げたといって、そんな突出するようなものはないけれども、与えられた時代に合った法案を、いろいろ出して、そういった法案の中での新しい事業に取り組んでまいりましたが、特に一番はやはり、明治用水の問題が発生した時、これはもう本当に陣頭指揮を執ってやらせていただきました。最初聞いた時にこれは大変なことになったなと。この対応ができなかったら、あの地帯4,500ヘクタールの、そういったところに大変な被害を与えるというので、これはもう毎日、状況報告を聞きながら、私も対応をいろいろと指示をしてやってまいりまして、どうにか今落ち着いてまいりました。こういった問題について、全国にもこういった古い用水路があると思いますから、十分注意をしていかなきゃいけないだろうと思っております。今後の農林水産行政の課題っていうのは、いろいろな立場の方がいますのでね、いろいろな立場の見方があると思うんですよ。米をやってる方から見れば水田の問題について十分ではないという、畜産から見ればどうかなというような、いろいろな御意見もあるでしょうから。そういった中でバランスのとれた農政をやっていく。限られた財源の中で。やはりこれから、先ほどから話している食料安保、国民の食を確保するというのが我々の大きな大事な努めでございますから、限られた予算の中でどうこれを生かしていくか。そしてやはり一番大事なことは、農業を営んでいる方、水産業を営んでる方が、ちゃんとそれで食べていけること。またこれから後継者がいなくなる、盛んにそれが言われておりますが、食べていけるだけの見込みが立てば、後継者というのは出てまいります。したがって今の政策の中で十分じゃないところもあるけれども、しかし、やはり努力した人が報われるような政策をしていかなきゃいけない。だから私もずっといろんな現場を見させていただきましたが、積極的に取り組んでる方々があらゆる分野にいるということは感じましたので、そういった方がこれからもリーダーとなって、地域の農業、地域の漁業を引っ張っていただきたいと思っております。そういった引っ張る方々に対して、国も行政も、皆、全面的な協力をしてやっていくということは大事じゃないかなと思っております。


  • 在任中の成果と今後の課題等について(3)

記者

  今後の課題で、食料安保のことでですね、平時の構造的な課題があると仰ってましたけれども、大臣やられた中で、そういう構造的な課題はどこら辺に強く感じましたでしょうか。

大臣

  食料安保といっても、完全に日本で賄うということは難しいわけなんですよね。だからこれは、ある一定の量は輸入に頼らざるを得ない。この輸入に頼らざるを得ない、その構造的なものを改めるということは不可能に近いです。したがってそういう中で、やはり絶えず日頃、国と国との繋がり、そういったものを確実に確保できるような信頼関係を繋ぎあげていかなきゃならない。一つの国に依存するんじゃなくて満遍なく。こういったいろんな問題がこれから発生してくることは間違いないでしょうから、そういった対応をしながら。国の食料自給率は今38%になってますけど、50%に上げるというのは大変だと私は思っていますよ。そういった中で現実をよくとらえて、今の日本の農業、水産業がどういう立ち位置にあるかということを本当に議論をして、やっていかないといけない。まずは国民の理解も得なきゃいけないし、現実を国民の皆さん方によく説明をして、国民の皆さん方が、今の農林水産業、そして、今の食料事情というものを十分に理解していただくような説明については、これまで以上に必要があると私は思っております。


  • 新大臣の印象等について

記者

  もう1点ちょっと気が早い質問かもしれないですけれども、後任とされている野村哲郎さんについてですね、大臣、これまでの、どういう御関係があったとかですね、野村さんの印象、どんな御印象を持たれているか教えていただけますでしょうか。

大臣

  野村先輩は、もう農林業の本当に超ベテランでして、農政についてはもう全て知り尽くしておると。現場もよく知っているし、いろんな問題についても、積極果敢に今まで取り組んでこられ、農林部会長をあれだけ長くやられたということは、その面から見てもよくお分かりになると思います。私から見たらいいおじちゃんですよ。私と年齢は一緒ぐらいで、お互いに、非常に親しくさせていただきましたし、参議院12年間の間もね、年齢が近かったんで、九州、鹿児島と長崎だったから、非常にお互い親しくやってまいりましたので、野村先生が今度後任になったことは、非常によかったんじゃないかなと思うんですよね。なかなか、私より一つ上ですから大変苦労をすると思いますが、皆さん方もお手柔らかによろしくお願いいたします。本当に良い方が後任になられて良かったと思っております。


大臣

  本当長い間皆さんありがとうございました。


報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上