プレスリリース
「令和3年度 全国優良経営体表彰」の発表について
農林水産省及び全国担い手育成総合支援協議会は、令和3年度全国優良経営体表彰の各賞(経営改善部門、生産技術革新部門、6次産業化部門、販売革新部門、働き方改革部門、担い手づくり部門)の受賞者を決定しましたので、お知らせします。
1.全国優良経営体表彰の概要
農林水産省及び全国担い手育成総合支援協議会は、意欲と能力のある農業者の一層の経営発展を図るため、昭和61年から、農業経営の改善や地域農業の振興・活性化に優れた功績を挙げた農業者を表彰しています。この度、経営改善、生産技術革新、6次産業化、販売革新、働き方改革、担い手づくりの各部門における、農林水産大臣賞、農林水産省経営局長賞及び全国担い手育成総合支援協議会会長賞を決定(計58経営体)しました。
なお、令和3年11月18日(木曜日)にオンライン方式で開催される「第23回全国農業担い手サミットin茨城」の全体会において、受賞者の紹介等を行います。
(表彰の対象となる取組)
〇経営改善部門
自らの農業経営の改善、規模拡大や所得向上などの取組
※ 農業分野における女性活躍の観点から、女性が経営に参画する経営体にあっては「女性活躍」として表彰
(1)農林水産大臣賞 3経営体
(2)経営局長賞 4経営体
(3)全国担い手育成総合支援協議会会長賞 15経営体
〇生産技術革新部門
生産現場におけるロボット技術による作業の効率化、ICTによる生産管理、複数作業を可能とする農業機械による低コスト化などの農業経営における先進的な生産技術の活用の取組
(1)農林水産大臣賞 1経営体
(2)経営局長賞 3経営体
(3)全国担い手育成総合支援協議会会長賞 4経営体
〇6次産業化部門
食品産業や他の農業者等と緊密に連携して実施される農業生産と一体となった加工・販売や地域資源を活用した新たな産業の創出を促進する6次産業化(輸出を含む。)の取組
(1)農林水産大臣賞 2経営体
(2)経営局長賞 2経営体
(3)全国担い手育成総合支援協議会会長賞 2経営体
〇販売革新部門
消費者ニーズを踏まえた独自の市場開拓、特色ある農産物の強みを生かした生産・販売などの顧客に新たな価値を提供する独創性のある農業経営の取組
(1)農林水産大臣賞 2経営体
(2)経営局長賞 2経営体
(3)全国担い手育成総合支援協議会会長賞 1経営体
〇働き方改革部門
生産性が高く、「人」に優しい職場環境づくり(農業の「働き方改革」)の取組
(1)農林水産大臣賞 1経営体
(2)経営局長賞 1経営体
(3)全国担い手育成総合支援協議会会長賞 7経営体
〇担い手づくり部門
担い手の経営発展を支えるための農業技術の指導、経営相談への対応などの取組、新規就農希望者や独立・自営就農希望者の研修受入れなどの次世代の経営体を育成する取組及び農地中間管理事業等を活用し農地の集積・集約化に関する現地でコーディネートなどを行った取組
(1)農林水産大臣賞 3経営体
(2)経営局長賞 3経営体
(3)全国担い手育成総合支援協議会会長賞 2経営体
2.農林水産大臣賞の受賞者
経営改善部門(女性活躍)
新潟県糸魚川市 農業生産法人株式会社あぐ里能生
代表取締役 稲葉 淳一(いなば じゅんいち)氏
経営規模:33.8ha(水稲33.4ha、よもぎ0.3ha、メロン0.1ha)、作業受託94.7ha(水稲育苗77.0ha相当を含む)
受賞のポイント
「地域の自然と農業を守り、人を育て、地域活性化のために貢献する」という経営理念のもと、平成19年に設立。平成31年には設立時から従業員であったIターン就農者への第三者継承を実施。
農地中間管理事業を活用した農地の借入、農作業受託により経営面積は着実に拡大。水稲の品種ごとにほ場を団地化するとともに、100m程度あるほ場の高低差を活かし、田植時期を分散・長期化することで労働力の平準化や各種農業機械の効率的な活用を行い、生産性の向上に努めている。また、ほ場1筆ごとのデータをクラウド管理し生育状況に合わせた施肥管理や作業進捗状況を共有する等により、水稲は地域の平均以上の単収を実現している。
水稲育苗ハウスを活用したメロン栽培や、休耕田での地域特産のよもぎの生産も行っている。平成26年には、自社生産米を原料とした「炭手焼きせんべい」の生産を開始し、水稲、園芸、せんべい加工の複合経営を行っている。
米は生産量の約95%が個人客中心の直接販売で、900名以上の顧客に対応している。地元への配達が5割を占めるほか、近年はインターネット販売が3割程となっている。
取締役を務める代表の妻は、異業種で働いていた経験を活かした労働環境の改善に積極的に取り組んでおり、変形労働時間制を取り入れた月給制の導入、就業規則や福利厚生等の見直しなど、働きやすい環境や体制の整備を提案し改善を行っている。
今後は退職金制度を導入するなど、さらに福利厚生を充実させ、男女ともに働きやすい会社を目指していく。
経営改善部門
滋賀県東近江市 有限会社花匠
代表取締役 川口 正(かわぐち ただし)氏
経営規模:胡蝶蘭0.3ha
受賞のポイント
シンビジウムと胡蝶蘭の2品目を生産する家族経営であったが、雇用型の安定経営を目指し、平成17年に現経営者への経営移譲と同時に法人化するとともに、通年での栽培・出荷が可能な胡蝶蘭単品生産へ転換し規模を拡大。
周年出荷を可能とするため、海外とのリレー栽培を実践。生育に適した気候の台湾や東南アジアで苗を養成し、苗を輸入して花芽分化から出荷までを日本で行うことで、栽培期間が6か月に短縮され施設回転率が大幅に向上した。
温度、湿度、日射量を一元管理できる全自動環境制御ハウスを導入し、数年かけて胡蝶蘭栽培に適したプログラムを構築。その結果、病害虫の減少等により、株廃棄率は3%まで低下し高品質安定生産と栽培管理の省力化を実現。
新型コロナウイルス感染拡大以前は、海外の育苗会社等を年3回ほど訪問し、新品種の入手や生育状況の確認、管理方法の要望や意見交換等を行い、信頼関係を築いてきた。これにより、物流が一時ストップした際も、早期に海外からの苗の確保が再開でき、他社が需要に応えられない中、売上の向上につながった。
就農体験研修の場として、地域の農業高校や農業大学校の生徒を研修生として受け入れ、卒業後に就農した実績もある。また、地域の女性を多く雇用するとともに、長く勤めてもらうことを重視し、家庭の事情等による勤務の要望に柔軟に対応している。
徳島県小松島市 株式会社服部ファーム
代表取締役 服部 孝延(はっとり たかのぶ)氏
経営規模:61.4ha(水稲60ha、麦0.8ha、苗0.6ha)、作業受託10ha
受賞のポイント
平成20年に法人化した農業法人。高齢によりリタイアした市内外の農家の農地を引き受け、平成27年から令和2年までの5年間で経営面積は25ha拡大。苗販売や農作業受託等も行い、現在は県内3市1町で水稲栽培を行っている。
複数の品種を栽培し作付けや収穫時期を分散することで、安定した収量を確保。また、小松島市の櫛渕町で収穫したコシヒカリを服部ファームの独自ブランド「五山米(ござんまい)」と命名して販売。
平成22年に他の農家に先駆けて色彩選別機を導入し、虫食いや病気にかかった米を選別し、等級の高い米を販売。現在は食味計測機能付きのコンバインも導入し、高品質米の生産による高い収益性を確保している。
ほ場管理システムで田植や収穫をしたほ場の作業データを管理。また、農薬散布作業にドローンを導入したことで、省力化や効率化を実現している。
周辺で水稲栽培を行う農業法人など5経営体で米の販売を行う「株式会社た組」を設立し、仲卸や企業と直接取引を行い独自の販路を確保。また、ブランド化により高単価での販売も可能となっている。
今後も、農地の引受けによる経営規模の拡大が見込まれることからライスセンターを増設し、効率化を図りながら経営面積100haを目指していく。
生産技術革新部門
静岡県浜松市 株式会社アイファーム
代表取締役 池谷 伸二(いけや しんじ)氏
経営規模:115ha(秋冬ブロッコリー70ha、春ブロッコリー45ha)
受賞のポイント
平成20年に代表の池谷氏が異業種(建設業)から新規就農し、平成28年に法人化。耕作放棄地を積極的に借り入れて規模拡大を進め、静岡県内最大のブロッコリー作付面積を誇る法人に成長。
建設業での工程管理ノウハウを活かし、独自の農業経営管理システムを構築。土づくりから出荷までの各工程を細分化して工程ごとに作業班を配置し分業化。社員全員が全工程を行うのではなく、工程ごと専門の社員が携わることで、短期間での作業技術の習熟や作業時間の安定化を可能とするとともに、作業効率に加え収穫量、品質が向上。
カメラ搭載ドローンを導入することで、画像処理解析による収穫適期の判断が可能となり、収穫回数の減少、移動コストの削減を実現。また、出荷規格のない業務用出荷を拡大することで、一斉収穫を可能とし、人件費を削減。
画像処理解析により全ほ場の30日先までの出荷量を予測し、取引先と情報共有することで、欠品リスクの軽減、実需者ニーズに応じた販売を実現。また、最長60日の長期貯蔵技術を確立し、安定的に出荷。
消費者ニーズに対応した、食べやすさや手軽さ、機能成分を追求した商品開発を進めるとともに、長期貯蔵技術を活かした海外輸出も検討している。
6次産業化部門
新潟県村上市 有限会社夢ファームあらかわ
代表取締役 三田 敏秋(さんた としあき)氏
経営規模:37.6ha(水稲37.4ha、いちご0.2ha)、作業受託1.8ha
受賞のポイント
圃場整備事業を契機に集落内有志5人で機械共同利用組合を設立し、平成14年に法人化。
需要に応じて複数品種の米を生産・販売しており、地域のブランド米の「岩船米コシヒカリ」も生産・販売。集落内の畜産農家との耕畜連携を25年以上継続しており、水稲作付圃場のほぼ全域で堆肥を散布。顧客の要望に応じ特別栽培米も生産するなど、高品質・良食味米を消費者・実需者へ直接販売。
米の食味・品質への顧客の評価が高く、増加する需要に対応し、集落内外の一定水準を満たした岩船米生産者からの仕入れ販売も行っており地域全体の収益向上に貢献。
平成17年にもち加工部門を新設し、自社産「こがねもち」を原料とし、保存料などを一切使用しない伝統製法で作ったもちを地元を中心に販売。地域の生産者の要望を受け、加工受託も実施。
法人化とともに観光いちご園を開設し、新潟県オリジナル品種「越後姫」を栽培。地元の幼稚園や老人ホーム等の収穫体験を受け入れるとともに、地域の観光スポットとして定着。地元観光業者との連携、ネット予約サイトの活用など、県内外から積極的に集客。
今後は、地元酒造会社や菓子店と連携・協力しながらいちごの加工品開発や販売に取り組み、観光農園への誘客につなげるとともに、農園周辺が集落・地域の人々が集える「憩いの場」となることを目指している。
鹿児島県鹿屋市 有限会社ふくどめ小牧場
代表取締役 福留 俊明(ふくどめ としあき)氏
経営規模:3,954頭(母豚300頭、種雄豚24頭、育成豚30頭、子豚1,800頭、肥育豚1,800頭)
受賞のポイント
先代が始めた養豚経営を3兄妹が分業。長男はオランダで養豚を学び就農、次男はドイツで食肉加工技術のマイスターを取得して加工部門を立ち上げ、長女は隣接地に整備した直売所兼レストランで販売や商品管理を担当。
当初は黒豚の肥育を行っていたが、差別化を図るため、ヨーロッパの希少豚「サドルバック種」を導入。飼育環境の整備等により、出産数が少なく、肥育が難しい品種の飼育・繁殖に成功。
サドルバック種と自社交雑したオリジナル豚「幸福豚」を開発・育成。それらを使用し、ドイツの製法を再現した約40種のハムやソーセージ等の加工商品を製造。
サドルバック種及び幸福豚を使用した加工品は、直売所兼レストランや地元の百貨店のほか、都内のレストラン等に販売。百貨店向け商品は食べやすい味にするなどそれぞれの取引先ニーズに合わせた商品戦略を採用。
枝肉のうち、ロース肉やばら肉などは生肉として販売し、それ以外のうで肉やもも肉などの部位を使用して加工品を製造。骨は中華料理店へ提供するなど1頭全てを使い切る工夫をしている。
豚舎周辺に木々を植え景観の保全に取り組むほか、悪臭対策のため給与する飼料に納豆菌を添加する等、周辺環境にも配慮。6次産業化による経営発展を通じて雇用の創出や地域活性化にも貢献している。
販売革新部門
茨城県笠間市 小澤栗園株式会社
代表取締役 小澤 一男(こざわ かずお)氏
経営規模:栗13ha
受賞のポイント
栗の作付面積が全国1位を誇る茨城県笠間市において、50年以上続く栗園。生栗の生産・販売と焼き栗の加工・販売を行っており、平成30年に法人化。
現代表の一男氏が15年前に焼き栗の直売を開始。「見た目が良い栗よりも、味が良い栗を作る」ことにこだわり、高品質な焼き栗の商品化に着手。焼き栗機を改良し、品種や果実の大きさによる特性の違いに合わせた焼き時間や圧力等の最適条件を設定し、最上級の焼き栗に加工する製法を確立。
年間約20tの生栗・焼き栗を直売所と宅配により直接販売。市場出荷や加工用の出荷が主流の産地において、高級志向の焼き栗の直売は先駆的であり、差別化により優位性を獲得。地域の平均単価の約8倍の高単価で販売し、利益の高い経営を実現している。
冷蔵・冷凍貯蔵施設を導入し、生栗の糖含有量増加による更なる品質向上と、焼き栗の通年販売を実現。宅配は冷蔵便に限定することで流通段階での品質低下を最小限に抑制。
栗の収穫作業や選果作業において、地域雇用を積極的に行うとともに、焼き栗の直売による観光客の呼び込みにより地域の活性化にも貢献。市や県、JAや加工業者等と連携した産地の振興活動にも積極的に参加している。
宮崎県日南市 株式会社井ヶ田製茶北郷茶園
代表取締役 田村 かおる(たむら かおる)氏
経営規模:茶3.5ha
受賞のポイント
先代は埼玉県で茶業を営んでいたが、良質な茶の生産が可能な土地を求め、宮崎県へ入植し茶園を開拓。生産部門と販売部門は別法人で経営をしていたが、平成29年に両社を合併して現法人を設立。6次産業化を推進するため仕上げ加工場、袋詰め工場を整備し、栽培から製造加工、袋詰めまでの一貫体制を確立するとともに、県内外の茶を扱う茶商としても事業を展開。
経営の安定化と販路開拓を図るため、平成7年に有機栽培を開始し、平成13年には茶園、製茶工場、袋詰め工場において有機JAS認証を取得。また、製茶工場における品質管理の一環としてGAP認証を取得し、生産に関する従業員全体の意識向上を図っている。
東京営業所を設置し、大消費地のニーズを把握しながら、有機JAS認証茶の生産・販売の一貫体制が確立していることを強みに営業を展開し、大手食品問屋との契約により関東の複数のスーパーで商品を販売。
「みやざき茶」、「日本茶」のPRのために、製茶商品を国内外のコンクールに積極的に応募し優秀な成績を収めている。 平成25年から有機JAS認証の強みを活かし茶の海外輸出を開始。フランスのコンクールで最優秀賞を受賞したことをきっかけに輸出が増加。英語版のホームページを作成するなど、更なる日本茶のPRに努めている。
働き方改革部門
熊本県菊池市 セブンフーズ株式会社
代表取締役 前田 佳良子(まえだ かよこ)氏
経営規模:養豚26,636頭(母豚2,111頭、種豚24頭、育成豚525頭、子豚13,338頭、肥育豚10,638頭)、キャベツ14.0ha
受賞のポイント
先代から養豚業を継承し、平成4年に法人化。平成19年に農場の増設・飼養頭数の拡大を図り、現在の年間出荷頭数は約5万頭に達する。
経営理念の1つに「全社員の物心両面の幸福を追求する」ことを掲げ、長期的に働ける労働環境の整備に取り組む。
各農場での仕事のやり方を見直すことによる完全週休二日制の実施、長期休暇予定を「マイウィーク」として事前に設定することによる有給休暇の取得促進、従業員からの要望に応じた様々なタイプの時短勤務制度の導入などを通じ、柔軟な働き方を実現。
人材育成について、一般社員、班長、主任、農場長といった階層的な組織体系を整備し、役職手当の充実やそれぞれの責任体制の明確化を図った上で、従業員と10年先のキャリアプランを話し合いつつ、希望に応じた人事配置を行うなど、キャリアパスを整備。
従業員との情報共有について、改めて全従業員と秘密保持に関する契約を結んだ上で、通常は幹部のみで共有している経営データや幹部会の議事録等も共有可能にすることで、従業員間の情報の格差を無くし、経営課題のスピーディーな改善を実現。
こうした取組を通じ、従業員にとって働きやすい条件整備を包括的に進めながら、法人の成長・生産性向上が図られている。
担い手づくり部門(ア)
茨城県鉾田市 株式会社伊藤農園.F
代表取締役 伊藤 健(いとう けん)氏
経営規模:トマト0.6ha
受賞のポイント
平成30年に法人化したトマト専作の農業法人。6月定植と8月定植の長期促成2作型を組み合わせ、周年生産・出荷を実現。環境測定装置によるハウス環境モニタリングやヒートポンプによる夜間冷房、統合環境制御装置の導入など、ICT技術を積極的に導入。生産するトマトは常に糖度6度以上を確保しながら、10a当たり26t以上の高収量を実現している。
平成14年より研修生を随時受け入れ、県内を中心にこれまで8人が独立就農。トマト栽培技術をはじめ、農業経営の理念や考え方、災害等を見据えた鉄骨ハウス建設に関する技術の習得など、様々な内容の研修計画の下に研修生を指導。
研修を経て同じ栽培技術や経営理念を持つ新規就農者とともに減農薬栽培により生産したトマトを、茨城県特別栽培農産物の認証を受けて、「いとうさんちのトマト」として共同で県内の量販店等に契約販売。
就農時の圃場の選択などのサポート、就農後の巡回指導や経営へのアドバイス、ハウスの資材調達や販売面での支援なども行い、就農相談から就農後までの一貫した支援体制を構築している。
埼玉県深谷市 株式会社いちご畑
代表取締役 髙荷 政行(たかに まさゆき)氏
経営規模:1.1ha(いちご0.7ha、トマト0.3ha、ナス0.1ha)
受賞のポイント
平成14年に県内で先駆けて高設栽培によるいちご狩りと完熟いちごの直売を柱とした観光いちご園の経営を開始し、平成28年に法人化。
いちご狩りは、埼玉県オリジナル品種「あまりん」をはじめ常に複数品種を用意。高設栽培のため腰をかがめずに収穫が可能となっているほか、ハウス内は車椅子やベビーカーでも利用可能なバリアフリー設計を取り入れ、幅広い客層が利用できるよう工夫している。
研修生を随時受け入れ、これまでに12人が研修後に観光いちご園を新たに開業。研修では、栽培管理技術や販売、経営に関する知識などの体系的な習得を目的とした実務研修を実施。就農後には定期的に圃場を視察し、実際の営農状況に即したアドバイスで研修生をサポート。
平成15年には県内のいちご農家有志4名でいちごの育苗技術に関する勉強会を立ち上げ、同20年に「養液いちご研究会」として組織化。 講習会や視察研修、資材メーカー等の賛助会員からの新たな製品や技術に関する情報の収集などにより、いちご生産に関する知識の習得に取り組んでいる。
研修生には同研究会への参加を促し、会員同士で圃場見学や意見交換を行うことで他の農業者とのネットワークづくりを支援するなど、新規就農支援体制を構築している。
大分県豊後大野市 有限会社お花屋さんぶんご清川
代表取締役 小久保 恭一(こくぼ きょういち)氏
経営規模:9ha(菊類(施設)3.5ha、カボス(露地)4.8ha、花木類0.7ha)
受賞のポイント
代表の小久保氏は愛知県で就農後、輪ギクの周年安定出荷栽培を実践するため、平成16年に大分県で「有限会社お花屋さんぶんご清川」を設立して輪ギクの周年栽培を開始。販売は、小久保氏が代表を務める出荷団体「有限会社お花屋さん」を通じて出荷。
研修生が独立就農する際に、後に有限会社お花屋さんグループに参加する「のれん分け方式」を導入し、平成16年の設立以降、18名の新規就農者を輩出。独立就農後のフォローアップとして、ほ場の巡回指導や情報共有を実施。また、グループのブランド・販路を使って販売を行っており、就農準備から販売まで継続的に支援。同時にグループ調達により苗や肥料、資材等を格安で購入することが可能となっている。
栽培指導においては、ハウス施設をブロック分けし、ブロックごとに4~5日間隔で植え付け、出荷を年3回程度繰り返すことで研修生は1年間で多くのキク類の栽培を経験することが可能となっている。
栽培指導だけではなく、県の機関や地域の金融機関と協力した経営面の指導も実施。経営者、地域農業の担い手としての心構えのほか、家計管理の見直しなど生活面の指導や、独立後の施設設備へのアドバイスを行うなど多面的な支援を実施。
休憩所・食堂及び研修生の宿舎を整備し、県内外から研修生を受け入れており、就農希望者のほか、 農業高校や農業大学校等の農業教育機関や、県普及指導員の新規採用職員の研修の受入れも行っている。
3.留意事項
「第23回全国農業担い手サミットin茨城」はオンライン方式で開催します。
日時:令和3年11月18日(木曜日)13時00分~17時00分
開催方法:オンライン方式
担い手サミットの概要などについては以下の外部リンクをご参照ください。
https://ibaraki-ninaite.jp/(外部リンク)
担い手サミットに関するお問い合わせについては、第23回全国農業担い手サミットin茨城実行委員会事務局に御連絡ください。
事務局:茨城県農林水産部農業技術課
電話:029-301-3867
FAX:029-301-3937
E-mail:ninaitesummit2020@pref.ibaraki.lg.jp
添付資料
令和3年度全国優良経営体表彰・受賞者一覧(敬称略)(PDF : 190KB) (令和3年11月18日修正)
お問合せ先
経営局経営政策課
担当者:経営育成グループ 有川、西原
代表:03-3502-8111(内線5140)
ダイヤルイン:03-3502-6441
全国担い手育成総合支援協議会事務局
(一般社団法人全国農業会議所経営・人材対策部)
担当者:砂田、上野、小嶋
電話:03-6910-1124