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農林水産省

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プレスリリース

歴史的風致維持向上計画(2期)の認定について

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令和4年3月22日
農林水産省
尾道市、大洲市、佐賀市の歴史まちづくり計画(第2期)について、歴史まちづくり法に基づき、3月22日付けで主務大臣(農林水産大臣、国土交通大臣、文部科学大臣)が認定しました。

1.歴史まちづくりとは

 全国各地には、城や神社仏閣とその周辺の町家や武家屋敷等から成る市街地と、祭礼行事、民俗芸能、昔ながらの生業等の人々の伝統的な営みや活動とが一体となって、地域の個性とも言える歴史的な情緒や風情を醸し出すまちが多くあります。

 これらを「歴史的風致」として地域固有の資産であると捉え、関係省庁が連携し、地域の活性化や歴史・伝統文化の保存・継承について、ハード・ソフト両面から支援しています。


2.各認定都市の概要


広島県尾道市の取組

(1) 第1期計画の取組による成果

尾道市では、平成24年度から令和3年度(10年間)を計画期間とする第1期歴史まちづくり計画により、以下のような成果をあげています。

  • 浄土寺等の文化財の保存修理や、道路の美装化、空き家改修等による景観の改善が図られ、全国最多となる3件の日本遺産認定につながりました。
  • 多言語表示の総合案内板の設置等をはじめとする外国人観光客の受入体制の整備を進めた結果、外国人観光客数が令和元年までに約34万人(平成23年比:約8.5倍)に増加しました。

尾道市_浄土寺阿弥陀堂
浄土寺阿弥陀堂(左側・重要文化財)と多宝塔(右側・国宝)
尾道市_向上寺三重塔(国宝)と瀬戸内海
向上寺三重塔(国宝)と瀬戸内海


(2) 第2期計画の概要

 尾道市では、国宝「浄土寺本堂」「多宝塔」や重要文化財を含む中世から近世の文化財が重層的に存在し、特徴的な市街地を形成している尾道水道周辺と、国宝「向上寺三重塔」等をはじめとした港町の繁栄を伝える街並みを有する瀬戸田水道一帯に、固有の風情を感じる歴史的風致が形成されています。

 第2期計画では、引き続き、文化財の保存修理等を実施するほか、道路の美装化や建造物の修景整備等の周辺環境整備により、歴史、文化、景観を礎とした歴史的風致の維持向上を図るとともに、文化財以外の歴史的建造物の積極的な保存と活用、ICTを活用した伝統文化・観光情報の発信に取り組み、市民の郷土愛の醸成と国内外に向けてまちの魅力を発信します。


尾道市_浄土寺の石段を後ろ向きで登る吉和太鼓おどり浄土寺の石段を後ろ向きで登る吉和太鼓おどり
尾道市_瀬戸田水道で行われるホーランエンヤ瀬戸田水道で行われるホーランエンヤ


愛媛県大洲市の取組

(1) 第1期計画の取組による成果

大洲市では、平成24年度から令和3年度(10年間)を計画期間とする第1期歴史まちづくり計画により、以下のような成果をあげています。

  • 愛媛県指定史跡「大洲城跡」を含む城山公園の整備として、有識者の指導のもと崩落のおそれがある大洲城の石垣の保存改修と植栽整備を行い、文化財の保存及び価値の向上、公園利用者の安全と景観の向上が図られました。
  • 官・民協働の新たなビジネススキームを構築し、古民家等の歴史的建造物がホテル等として利活用することで、新たな産業の創出による地域の活性化と歴史的町並みの保全が図られています。さらには、この取組が住民の町並み保全に向けた機運向上や、「2021年度グッドデザイン賞(地域の取組活動)」の受賞に繋がりました。

大洲市_国指定重要文化財大洲城国指定の重要文化財「大洲城」
大洲市_伝統工法による石垣保存改修伝統的な工法による石垣保存改修
大洲市_ホテル等に改修された歴史的建造物ホテル等に改修された歴史的建造物


(2) 第2期計画の概要

 大洲市では、国指定の重要文化財「大洲城」や「臥龍山荘」を中心とした旧城下町やその周囲を流れる肱川流域において、江戸時代から続く「住吉神社の花火大会」や八幡神社の「御神幸行列」など四季折々の活動が営まれており、歴史や伝統を反映した固有の風情を感じられる歴史的風致が形成されています。

 第2期計画では、引き続き城山公園内の石垣保存改修事業を実施するとともに、「御神幸行列」の巡幸路周辺に残る歴史的風致形成建造物保存対策事業、無電柱化事業及び動線環境整備事業等を推進します。


 大洲市_八幡神社の御神幸行列
八幡神社の御神幸行列


佐賀県佐賀市の取組

(1) 第1期計画の取組による成果

佐賀市では、平成24年度から令和3年度(10年間)を計画期間とする第1期歴史まちづくり計画により、以下のような成果をあげています。

  • 歴史的建造物が多く残る柳町周辺において、旧森永家住宅(明治期)、旧久富家住宅(大正期)の取得及び保存改修を実施し、外観は歴史的な趣を残しながら、内部はカフェや工房などとして民間事業者による利活用を推進したことにより、来訪者の増加、にぎわい創出につながりました。
  • 佐賀城下を東西に貫く長崎街道の道筋を明確にするための舗装高質化、点在する歴史資産等の案内・説明看板設置により、来訪者の利便性向上、回遊促進に繋がりました。

佐賀市_旧久富家住宅取得・保存改修旧久富家住宅取得・保存改修
佐賀市_長崎街道再整備長崎街道再整備
佐賀市_案内・説明看板等の整備案内・説明看板等の整備


(2) 第2期計画の概要

 佐賀市では、江戸初期から大きく変わることなく町割が維持されてきた佐賀城下町と、平成27年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産のひとつである史跡三重津海軍所跡の周辺などにおいて、地域住民によるボランティア清掃、菓子文化や伝統産業の継承、恵比須信仰、偉人の顕彰、浮立や田楽といった民俗芸能などの人々の営みにより、7つの歴史的風致が形成されています。

 第2期計画では、史跡三重津海軍所跡の遺構を恒久的に保護しつつ、来訪者の理解をより一層深めてもらうための史跡整備事業をはじめ、歴史的建造物の保存・活用、歴史資産等の周遊環境整備、地域固有の歴史文化の継承と市民の理解促進に、引き続き取り組みます。


佐賀市_史跡三重津海軍所跡全景
史跡三重津海軍所跡全景


その他

認定された計画の詳細は、国土交通省ホームページにて紹介しています。

https://www.mlit.go.jp/toshi/rekimachi/toshi_history_tk_000010.html(外部リンク)国交省ホームページへのリンク

お問合せ先

農林水産省 農村振興局 農村政策部 農村計画課 
担当者:野中、加藤
代表:03-3502-8111(内線5534)
ダイヤルイン:03-3502-6004


国土交通省 都市局 公園緑地・景観課 景観・歴史文化環境整備室 
担当者:下出、石﨑、植田
代表:03-5253-8111(内線32983、32988)
ダイヤルイン:03-5253-8954


文化庁 文化資源活用課 
担当:山名、樋口
代表:03-5253-4111(内線2869、2738)
ダイヤルイン:03-6734-2415