プレスリリース
野菜の生育状況及び価格見通し(令和2年7月)について
農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況及び価格見通し(令和2年7月)について、主産地等からの聞き取りを行いましたので、その結果を公表します。1.概要
近年、天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている中で、野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信するため、平成23年より、主産地、卸売会社、中間事業者等から聞き取りを行い、その結果を農林水産省ホームページに掲載しています。
今般、令和2年7月の野菜の生育状況及び価格見通しの聞き取り結果を次のとおり公表します。
なお、聞き取りを行った14品目の野菜の生育状況は、東京都中央卸売市場外において流通するものについても、同様の傾向です。
また、これまでの公表資料は、次のURLページで公開しております。
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai_zyukyu/
2.目的
この見通しは、直近の生育状況及び今後の生育と出荷の見通しから予測される、今後の価格見通しを公表することで、産地の出荷判断と消費者の購買行動の最適化を促し、野菜の供給及び価格の安定を図ることを目的としています。
このため、本見通しにおいて、安値水準で推移することが見込まれる品目については、産地は出荷数量の調整に努めるとともに、消費者は積極的な購入を行う等により消費の拡大に繋がることが望まれます。
また、高値水準で推移することが見込まれる品目については、産地は出荷数量の調整に努めるとともに、消費者においては一時的に安値品目の購入に切り替える等の行動に繋がることが望まれます。
野菜産地では、日頃から安定的な生産と供給に努めていますが、天候等の影響により出荷数量や価格が不安定になることがありますので、最適な出荷判断と購買行動へのご理解とご協力をお願いします。
3.現在の生育状況
品目 | 現在の生育状況 |
根菜類 (だいこん及びにんじん) |
・ だいこんは、概ね平年並み。一部の産地では、干ばつの影響で生育遅延や肥大不良が見られる。 ・ にんじんは、北海道において、干ばつの影響で生育が遅延。その他の主産地において、生育は平年並み。 |
葉茎菜類 (はくさい、キャベツ等) |
・ はくさいは、4月の低温等の影響で生育が遅延していたが、5月下旬以降、天候が良好でまとまった降雨もあったことから、生育が一気に進み、回復。現在の生育は、平年並み。 ・ キャベツ及びねぎは、平年並み。 ・ほうれんそうは、平年並み。一部の産地では、生育期間の気温が平年を上回って推移したことから、生育が進み、大株傾向。 ・ レタスは、4月の低温等の影響で生育が遅延していたが、5月下旬以降、天候が良好に推移したことから、生育が回復し、現在の生育は良好。 |
果菜類 (きゅうり、なす等) |
・ きゅうりは、概ね平年並み。一部の産地や作型では、4月の低温や5月の高温及び干ばつの影響で生育が遅延。 ・ なすは、概ね平年並み。一部の産地や作型では、4月の低温の影響で生育が遅延。 ・ トマトは、概ね平年並み。一部の産地では、4月の低温の影響で生育が遅延。 ・ ピーマンは、概ね平年並み。一部の産地では、4月の低温の影響で生育が遅延していたが、回復傾向。 |
土物類 (ばれいしょ、さといも 及びたまねぎ) |
・ ばれいしょは、4月の低温の影響で小玉傾向。また、出荷終盤の静岡県において、5月以降、天候が良好に推移したことから、生育が早まっている。 ・ さといもは、概ね平年並み。一部の産地では、5月の多雨の影響で生育が遅延していたが、回復傾向。 ・ たまねぎは、平年並み。生育期間の天候が良好に推移したことから、肥大が進み、やや大玉傾向。 |
4.今後の生育、出荷及び価格見通し
品目 | 主産地 ( )書きは令和元年 7月の入荷 シェア |
今後の生育及び出荷見通し | 価格見通し (平年(直近5か年 平均)比) |
|
7月前半 | 7月後半 | |||
だいこん | 北海道(64%) 青森(29%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
にんじん | 青森(46%) 北海道(30%) 千葉(20%) |
・ 出荷終盤の千葉県及び出荷序盤の青森県において、生育が平年並みであるものの、北海道において、干ばつの影響で生育が遅延しているため、7月前半の出荷数量は平年をやや下回り、価格は平年を上回る見込み。 ・ 北海道において、今後、天候が良好に推移すれば、生育の回復が見込まれ、また、青森県において、7月中旬に出荷の最盛期となる見込みのため、7月後半の出荷数量、価格ともに平年並みに戻る見込み。 |
高値水準 で推移 |
平年並み に戻る |
はくさい | 長野(85%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
キャベツ | 群馬(65%) 岩手(14%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
ほうれんそう | 群馬(31%) 茨城(23%) 栃木(23%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
ねぎ | 茨城(53%) 千葉(15%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
レタス | 長野(84%) 群馬(12%) |
・ 主産地において、生育が良好であり、出荷数量がやや増加する可能性があるものの、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
きゅうり | 福島(38%) 岩手(12%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
なす | 群馬(29%) 茨城(23%) 栃木(21%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
トマト | 北海道(17%) 青森(15%) 岩手(11%) 栃木(11%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
ピーマン | 茨城(46%) 岩手(22%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
ばれいしょ | 茨城(35%) 静岡(21%) 千葉(18%) |
・ 主産地において、4月の低温の影響で小玉傾向であり、出荷終盤の静岡県において、5月以降、天候が良好に推移したことから、出荷の終了が早まる見込みのため、7月の出荷数量は平年をやや下回り、価格は平年を上回る見込み。 |
高値水準 で推移 |
高値水準 で推移 |
さといも | 宮崎(49%) 鹿児島(27%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
たまねぎ | 兵庫(36%) 佐賀(36%) 香川(10%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、7月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
注:「平年並み」とは、平年との比率が80%以上、120%未満であることを示している。
<添付資料>
東京都中央卸売市場における指定野菜の価格の平年比(PDF : 51KB)
お問合せ先
生産局園芸作物課
担当者:朝倉、熊谷
代表:03-3502-8111(内線4822)
ダイヤルイン:03-3502-5961
FAX番号:03-3502-0889