大豆のコンバイン収穫マニュアル
1999年7月
農林水産省
農産園芸局畑作振興課編
目次
はじめに
大豆のコンバイン収穫が現場に普及してから、10数年が経過しました。
大豆栽培の中でもっとも多労を要する「収穫・脱穀」作業が効率化された功績は大きく、全国の優良農家の中にはコンバインを核とした機械化一貫体系によって労働時間を大幅に短縮し、10アール当たり10時間未満と全国平均の半分以下にまで軽労化した事例も珍しくありません。
その一方、
[1]コンバインで収穫すると収穫物のロスや汚損が発生し、せっかくの大豆が無駄になってしまう
[2]コンバインの値段が高すぎて、収益性の低い大豆には向かないのではないかなどの批判的な声もあり、コンバインの導入が進まない地域が多いことも事実です。
これらの批判は、ともすれば「機械の性能が悪くてうまくいかない」という短絡的な結論に結びつけられがちですが、本当にそうでしょうか?
こうした技術的な基礎知識は、米麦のように「毎年、あたり前のように皆がコンバイン収穫をしている」作物では改めて説くまでもないことですが、大豆のようにコンバイン経験者の少ない作物では、非常に重要な注意事項になってきます。
また、今後、大豆の規模拡大を目指す地域では・自分の経営に向いているコンバインは何か?・コンバインを有効に活用するために、どのぐらいの経営面積が必要なのか?といった、経済的な視点からの評価も必要です。
この「大豆のコンバイン収穫マニュアル1999」は、こうしたコンバイン利用の際に必要なノウハウを、技術と経営の両面からまとめたものです。
コンバインの短所を補い、その導入のメリットを最大限生かすための参考書として、現場で役立てていただければ幸いです。
1999年7月
このマニュアルは、1998年に作成・公表された「コンバインマニュアル1998」を一部改訂したものです。
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