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農林水産省

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2.調製施設 ― 粒径選別機 ―

(1)原理

大豆の粒径選別はパンチングメタルと呼ばれる金属板に、円形の穴をあけたスクリーンを通過するものと、しないもので分けることである。スクリーンの穴径は、農産物検査法における農産物規格規定に準じて 8.5mm、7.9mm、7.3mm、5.5mm、4.9mm とするのが一般的である。

スクリーン穴径 8.5mm 7.9mm 7.3mm 5.5mm 4.9mm
粒度 大粒 大粒 中粒 小粒 極小粒

このパンチングメタルに運動エネルギーを加え、大豆を移動、通過させることが粒径選別となる。

(2)粒径選別機の種類と特徴

  1. 円筒(六角筒)回転方式
    図2-17のように、スクリーンを円筒上にし傾斜をつけて回転させ、大豆を内部に投入し、穴より小さい大豆を外に出すことで、粒径選別をしている。円筒パンチングメタルの回転数と傾斜を変えて選別精度、処理能力を調整する。
    これは、米選機と同じ方式なので理解ができると思う。ただし米選機では、小粒の排出にスクリューコンベアーを使用しているが、大豆粒は破損してしまうので、簡単にスクリーンを大豆用にして転用することはできず、多少の改良が必要である。
    目詰まり防止は、筒の外面をゴム板、棒状ブラシ、ローラー等でこすり、穴に引っかかっている大豆を内部に押し戻して行っている。

    図2-17  円筒(六角筒)回転方式
    図2-17  円筒(六角筒)回転方式

  2. 前後傾斜揺動方式
    図2-18のように、平板のスクリーンを前後に傾斜させ、水平に揺動させて大豆を前方に移動させながら、穴径より小さい大豆を落下させて粒径選別をしている。主として揺動数を変えて調整するが、傾斜角度も可変できる機種もある。選別する大豆に、上下運動が与えられていないので、小粒が下に沈む現象(パーコレーション)が発生しにくいので、選別品の層厚を厚くできない。スクリーン上を薄く速く通過させる選別方式である。
    目詰まり防止は、良く弾むボール(タッピングボール)をスクリーン下面に入れ、揺動によってボールが飛び跳ねて、スクリーン穴に引っかかっている大豆を上面にはじきとばすことで行っている。

    図2-18  前後傾斜揺動方式
    図2-18  前後傾斜揺動方式

  3. 粒径選別機(水平振動式)
    図2-19のように、平板のスクリーンを水平にし、前後及び上下に振動させ、大豆を飛び跳ねさせながら前方へ移動し穴径より小さい大豆を落下させて粒径選別している。振動数を変えて調整するが、バリダイヤ方式(機械式)とインバーター方式(電気式)とがある。
    選別大豆に上下運動が与えられるので、小粒が下に沈み安く(パーコレーション)、層厚を厚くしても良く、かつまた各スクリーンを多段に積み重ねる方式を取っても、十分選別精度が保持できる。
    機構も簡単で、一台で大・中・小・極小と4種類に選別ができ、ランニングコストも小さい。目詰まり防止は前後傾斜揺動方式と同様にタッピングボール方式である。新設設備はこの方式が主流を占めている。

    図2-19  水平振動式
    図2-19  水平振動式

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