2.調製施設 ― 出荷設備 ―
出荷用設備とは、施設内調製設備で選別調製された大豆を計量し梱包する設備である。計量には計量機を使用し、包装は紙袋及びフレキシブルコンテナ(フレコン袋)で行う。また、紙袋はミシンがけで封印する。
(1)計量機
共同乾燥調製施設においては、ほとんど自動計量機が使用されているので、ここでは自動計量機についてのみ述べることとする。
- 機械式自動計量機(竿式)
図2-27 機械式自動計量機(竿式)
竿計りの竿の動きを近接スイッチやリミットスイッチをセンサーにして検出し、供給フィーダーやカットゲートを制御する計量機である(図2-27)。以下にその動作を示す。 まず、[1]の竿計りで出荷重量を定める(有錘はかりあるいは無錘はかりがある)。計量スイッチをONにすると[2]の電磁フィーダーが駆動するとともに[3]のカットゲートが開き、大豆を[4]の計量ホッパーに供給する。 定められた重量の95~98%になったとき、わずかに動く竿ばかりの竿の変化を[5]の近接スイッチあるいはリミットスイッチで検出し、信号を出しカットゲート(大投入)を閉める。その後は電磁フィーダー(小投入)で、大豆を計量ホッパーへ供給し、定められた重量となり竿が浮いた状態をリミットスイッチで検出し、信号を出しフィーダーを止める。これで計量完了である。 計量完了した大豆は排出ホッパーに排出され次の計量動作に入る。袋詰めが手動の場合は[6]の袋詰め口のゲートをスイッチ(フットスイッチ)で開けて袋に入れる。両ホッパーが満杯の時は計量を停止する。 計量完了時の小投入の停止には時間的遅れが発生するので、電気的に「落差補正」を行うことがある。(小投入はカットゲート式もある)制御は全て電気的に行っているので、計量表示、各印字、サンプリング記録など全てが可能である。 最近はセンサーであるロードセルが安価になったので電気式が多く、機械式は簡単な半自動式(排出ホッパーがない)が使用されている。 図2-28に機械式半自動計量機を示す(袋詰めのゲートは手動である。)。
図2-28 機械式半自動計量機
- 電気式(ロードセル式)
機械式計量機の竿と近接あるいはリミットスイッチとの組合せをロードセル(圧電素子)に置き換えたもので、その価格の低下とともに制御の簡単さから広く普及している。 ロードセルは、竿ばかりの代わりに加えられた圧力に比例した電圧を発生させるセンサーを計量ホッパーの下に1~3ヶ所配置した計量機である。 出荷重量の設定は電圧の変化により重量として表示される。この電圧とロードセルの発生電圧をコンパレーターで比較し、信号を出し計量動作を行う。電磁フィーダー及びカットゲートの制御は機械式と同様である。設定電圧の95~98%での大投入停止も簡単に調整でき、落差補正、計量表示、各印字、サンプリング、記録あるいは次に述べる自動包装機との信号の取合いも容易であり、数多くの機種がある。 図2-29に電気式固体詰自動計量機を示す(小投入が電磁フィーダー式豆専用計量機)。
図2-29 電気式固体詰め自動計量機
(2)包装
- 袋口ミシン
大豆は個体出荷の場合はほとんどが紙袋である。紙袋は図2-30の袋口ミシンで封印されている。他に麻袋用ミシンもある。
- 全自動型
自動計量機と自動給袋、袋口整形、袋口ミシン、サンプリング装置を一体化したものであり、袋転倒装置、ベルトコンベア、パレタイザーと組合わせてパレット張り付けも自動化している施設がある。 全自動計量包装機を図2-31に示す。
図2-30 袋口ミシン |
図2-31 全自動計量包装機 |
- フレコン袋
最近は大豆ユーザー(食品製造業者)の省力化と受入施設の改良により、フレコン袋出荷が増加しつつある。輸入大豆では専用貨物車でのバラ出荷さえある。フレコン出荷は、包装資材を繰り返し使用でき省力効果も大きいことから、今後増加すると考えられる。ただし、低温倉庫での保管に関しては、フレコン中心部と外部との温度差及びフレコン袋の材質による結露などがあり、留意が必要である。 図2-32にフレコン袋計量機を示す。
図2-32 フレコン袋計量機
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