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農林水産省

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4.大豆共同乾燥施設の設置 ― 敷地条件と配置計画 ―

農業用建築物を計画するうえにおいての留意点は、各用途に応じた農業プラントの能力・機能が十分に発揮出来るような建築計画が必要である。さらに、プラントと建屋が一体となって機能・目的を達成するために、建築設計を行う者は、施設の計画・設計・施工・維持管理に至る一連の流れの中のどのような分野においても、農業プラントの役割を十分認識し、プラント・建築相互の連携を密にして一方的な設計によるミスを無くすような努力が必要である。

(1)敷地条件

共同乾燥調製施設は、農業施設の中でも大型施設に類するもので、基礎にかかる荷重も大きくなる。そこの地盤強度が軟弱であれば基礎工事費のアップにつながり、地下水位が高いとピット工事等の難易度が高くなり、このこともコスト高に影響することになる。

次に共乾施設プラント稼動時の近隣民家への騒音・粉塵等の環境問題、運搬車両搬出入時の騒音・排気ガス・道路の渋滞等の諸問題に対しても十分検討し、受益者との運搬距離等も考慮して敷地選択する必要がある。また、農業施設の多くは、農業地域や市街化調整区域内に建設される。この市街化調整区域は、都市計画法により農・林・漁業の育成のために定めた区域で、農業の用に供する建物であっても、開発・建築行為の許可が必要とされている。

施設計画にあたり、開発行為の許可にはかなりの日数を要し、その許可が下りてから建築確認申請の手続きに入る事になることから、あらかじめ、申請関係の期間を多めに設定することが必要となる。さらに、申請手続き関係をスムーズに短期間で運ぶ為には、関係行政との事前協議を行うことが大切となる。(図4-1)

一般的に敷地選定条件としては、次のような項目が挙げられよう。

  1. 地盤が堅固で平坦である。
  2. 地下水位が低く、水害の恐れがない。
  3. 近隣に民家が少ない。
  4. 取り付け道路が分かりやすく、交通量が少なく、道路の幅員が広い。
  5. 運搬車両をプールできる広さ、将来増設等ができるように敷地に余裕がある。
  6. 採光・通風が良い。
  7. 電気・水道等が近くに整備されている。

市街化調整区域内の場合
図4-1  開発行為の許可(都計法29条)

(2)配置計画

配置計画においての留意点は、集荷時の荷受け待ち車両の待機・駐車・荷捌きスペースの確保である。これは運営計画にもよるが、集出荷時の運搬車両の流れ・台数等を考慮した形状・広さが必要である。

また、動線計画として出荷時の大型車を考慮すれば、通路幅は最小で7mは必要となり、フォークリフトによる荷積みでスペースを計算すると幅が10mは最低必要となる。(図4-2)

図4-2  フォークリフトによる荷積みスペース
図4-2  フォークリフトによる荷積みスペース

次に、建物と敷地境界・道路境界との関係について、民法234条では「建物を建てる場合は、境界線から50cm以上離さなければならない」となっている。また建築基準法では、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限等、敷地の用途に応じて境界との距離・高さが制限され、日影による高さの制限についても境界線との距離に影響してくることになる。これら関係法規によっても配置計画が変わってくるので十分な総合検討が必要である。

お問合せ先

農産局穀物課
担当者:豆類班
代表:03-3502-8111(内線4846)
ダイヤルイン:03-3502-5965