このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

指定前の公示(第103号)

更新日:令和3年8月2日
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の名称について、指定前の公示をしたのでお知らせします。

Monti Iblei(モンティ イブレイ)


1 指定前の公示の番号  第103号
2 指定をした場合に締約国の名称として公示されることとなる国の名称  欧州連合
3 農林水産物等の区分  第9類 食用油脂類 食用植物油脂(オリーブ油)
4 農林水産物等の名称  Monti Iblei(モンティ イブレイ)
5 農林水産物等の生産地  イタリア

本産品「Monti Iblei」エキストラバージンオリーブオイルの生産に使用されるオリーブの生産地域には、シチリア州シラクサ県(Syracuse)、ラグーサ県(Ragusa)、カターニア県(Catania)の各県の行政区域内の、次の自治体のオリーブ栽培地域が含まれる。

シラクサ県: Buccheri、 Buscemi、Canicattini Bagni、Carlentini、Cassaro、Ferla、Floridia、Francofonte、Lentini、Melilli、Noto、Pachino、Palazzolo Acreide、Rosolini、 Syracuse、Solarino、Sortino、Avola

ラグーサ県: Acate、Chiaramonte Gulfi、Comiso、Giarratana、Ispica、Modica、 Monterosso Almo、Ragusa、Santa Croce Camerina、Scicli、Vittoria

カターニア県: Caltagirone、Grammichele、Licodia Eubea、Mazzarrone、Militello in Val di Catania、Mineo、San Michele di Ganzaria、Vizzin、 Mirabella Imbaccari、 Scordia
6 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1) 特性
    モンティ イブレイは、次の特性をもつエキストラバージンオリーブオイルである。
    最も重要な品種は、トンダ・イブレア(Tonda Iblea。別称:Cetrala、Prunara、Abbunata、Tunna)で、生産地の典型品種(病原菌耐性がややあり、山塊の石灰岩台地の土壌に完全に適合している)であり、テーブルオリーブとしても使用されている。その他の在来種モレスカ(Moresca)、ノッチェッラーラ・エトネア (Nocellara Etnea)、ヴェルデーセ(Verdese)、ビアンコリッラ(Biancolilla)、ツァイトゥナ(Zaituna)も使用されている。

〇 化学的評価
   ・酸性度(オレイン酸として表示):最大1.5%
   ・過酸化物価の上限:≦12mEq O2/kg
   ・K232≦2.5
   ・K270≦0.22
   ・総ポリフェノール量≧120 ppm
   ・デルタ-K≦0.01

〇 官能評価
   中央値区間の最小値と最大値
   ・フルーティ(完熟オリーブ):> 2、≦6
   ・フルーティ(グリーンオリーブ):>2、≦8
   ・草及び(又は)トマト及び(又は)アーティチョーク: > 2、≦8
   ・苦み :> 2、≦6
   ・辛み :> 2、≦8
   ・あらゆる瑕疵の中央値:ゼロ(0)でなければならない。

   明示的に述べられていないその他のパラメータは、現行のEU法に従ったものでなければならない。

   国内及び国際的な全てのコンクールにおいて、モンティ イブレイの官能プロファイルが立証されてきた。これは、トンダ・イブレア(Tonda Iblea)種については「グリーントマト又は熟したトマト」そして、モレスカ種(Moresca)、ヴェルデーセ種(Verdese)及びツァイトゥナ種(Zaituna)については「アーティチョーク」という表現に最もよく表れている。「グラス(草)」の表現は、ほぼ必ず、4品種全てに関連している。

   モンティ イブレイのもう一つの特性が、フルーティさに関する分類方法である。たいてい中度のフルーティさ、又は力強いフルーティさと分類されており、ごくわずかにフルーティであるという評価はほとんどない。優れた官能プロファイルは、モンティ イブレイの生産に使われている4品種特有の匂いと味に大きく関連している。

(2) 生産方法
〇 原材料(加工品に関してのみ)
   モンティ イブレイは次の品種のオリーブから調達しなければならない:トンダ・イブレア(Tonda Iblea)、モレスカ(Moresca)、ノッチェッラーラ・エトネア(Nocellara Etnea)、ヴェルデーセ(Verdese)、ビアンコリッラ(Biancolilla)、ツァイトゥナ(Zaitun)及びこれらの異名種。これらは、単一種で、又は2品種以上の組み合わせで栽培されているオリーブ畑のものとし、当該オイルの80%以上を占めなければならない。
   オリーブの木の整枝・剪定方法と栽培技術は、伝統的に採用されてきたもの、又は優れた営農実務のルールによって定められたものでなければならず、いかなる場合も、オリーブ又はオイルの特性に影響を与えてはならない。
   オリーブは、過熱と発酵を避けるために、穴のあいた適切な容器を使用して搾油工場に輸送しなければならない。袋又は密閉された容器の使用は禁止されている。
   モンティ イブレイの生産に特化したオリーブ畑からのオリーブの最大生産量は、1ヘクタール当たり15,000 kgを超えてはならない。そのオリーブ畑が他の作物との混作の場合、最大収量はオリーブの木1本当たり120 kgを超えてはならない。いずれの場合も、最大収量限度の引き上げにより、本書に説明されている特有の品質特性を変えることがあってはならない。オリーブからのオイルの最大収量は18%を超えてはならない。

〇 生産
   全ての生産行程すなわち、栽培、収穫、オイル抽出は、生産地内で行わなければならない。
   オイル抽出は、収穫後2日以内に、連続サイクル法又は伝統的方法(圧搾法)のいずれかを採用する施設において実施しなければならない。
   もとの果実及び品種固有の特性をできる限り忠実に保持するオイルを生産できる、連続サイクル法又は伝統的方法(圧搾法)のいずれかを採用する施設において機械的及び物理的なプロセスのみを経て製造しなければならない。

〇 スライス、すりおろし、包装等
   生産の全工程にわたり製品固有の特性を維持し、かつ、品質要件の順守を保証するために、モンティ イブレイは、常に生産地内で包装しなければならない。現地の生産者は、包装前及び包装段階において、たとえば濾過及び沈降の時間と方法、包装温度など、オイルがどのような反応を示すか正確に把握している。
   生産工程の最後にその地域で包装することは、オイルの官能特性の維持も可能にする。そうでなければ、酸素と接触してすぐに劣化するであろう。モンティ イブレイは、容量5リットル以下の瓶、缶、又はオイルの保管に適したその他の容器に入れて市場に出さなければならない。

〇 ラベル表示
   モンティ イブレイには、次の地名表示 :「Monte Lauro」「Val d’Anapo」「Val Tellaro」「Frigintini」「Gulfi」「Valle del’Irminio」「Calatino」「Trigona-Pancali」の1つを添えることができる。
   いかなる説明も、それがモンティ イブレイのために明示的に規定されていなければ、添えることが禁止されている。「fine」(優れた)、「scelto」(精選された、極上の)、「selezionato」(厳選された、えり抜きの)、又は「superiore」(上等の、上質の)は、禁止されている形容詞の例である。
   名称、商号、ブランド名等は、事実に即して使用できる。ただしそれらに称賛の意図がないこと、かつ、消費者を誤認させるようなものでないことを条件とする。
   請負事業者名及び所有会社名の使用ならびに生産地域に所在するオリーブ畑所有事業社やオリーブ栽培事業社での包装への言及は、その製品がその事業者が所有する畑の一部であるオリーブの木から収穫されたオリーブからのみ生産された場合に限って許可されている。
   許可された追加の地名表示だけでなく、「モンティ イブレイ」という名称のオイルを生産するために使用された品種をラベルに記載することができる。ただし、その原材料となるオリーブ品種が、モンティ イブレイの品種に該当すると証明されていることを条件とする。また、オイルが単一の品種から生産されている場合、この品種をラベルに表示し、その後ろに使用された栽培品種名を表示することができる。ただしこの場合も、そのオリーブ品種がその品種に該当すると証明されていることを条件とする。
   追加の地名、使用された品種の表示、又は単一品種の表示は、いずれも、モンティ イブレイに使用されている文字よりも大きな文字で記載してはならない。
   モンティ イブレイは、ラベル自体の色と対照的な色の、目立った、消せない文字でラベルに記載し、ラベル上の他の情報とはっきりと区別がつくようにしなければならない。さらに、当該名称は、施行されている法律に定められているラベル表示ルールに従わなければならない。
   義務とされる表示の情報に加え、そのオイルのバッチ番号及びそのオイルに使用されたオリーブの生産年も表示しなければならない。

〇 出荷
   生産工程の全ての工程を監視し、かつ、各工程における受入れと次行程への送り出しを記録しなければならない。産品のトレーサビリティは、本産品が栽培される地籍区画への立入検査、単一の検査機関が管理するリストに記載される生産者、搾油工場及び包装業者の詳細、さらに生産及び包装の登録により確保される。当該リストに名前が記載される全ての自然人及び法人は、製品明細書及び検査計画に従って、当該検査機関による検証の対象となる。

(3) 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
   オリーブ栽培はこの地域における非常に重要な産業セクターである。
   樹齢何世紀ものオリーブの木があるオリーブ畑と並行して、近年、他の品種を用いた新しいプランテーションが開発されてきた。それらは昔と同様に、防風のために球状に刈り込まれている。この地域で生産されたオリーブオイルを使用するという地元及び国内の消費者の長い伝統がある。
   これらのプランテーションは、モンティ イブレイ山塊(hills)の台地と交互に並んでいる谷に位置していなければならず、その土壌はバルカナイト鉱脈によるシリカに由来する。
   モンティ イブレイ山塊は昼夜の温度変化が著しく、これは、この地域の農作物固有の特徴を引き出すのに特に重要である。
   古代ギリシャ人とローマ人の入植の時代までさかのぼる歴史的伝統があるシチリア(Sicily)島が、長い期間をかけて、マグナ・グラエキア( Magna Graecia)の特徴であった慣行を確立したことにも注目すべきである。この決定的な文化的側面は、何世紀にも及ぶ困難なコミュニケーションと並行して、市街地への何度かの入植における特有の状況にずっと変化がなかったことを意味し、それが、これらそれぞれ入植地を、独自の伝統を維持する極めて特有な地理的地域のままに保った。そのため、この領域の気候はかなり似通っているにもかかわらず、昔から続く歴史的伝統の存在を無視してはならない。
   そのため、モンティ イブレイには、その固有の領域の範囲において、前述の入植と関連する、特定された領域(「Monti Iblei Monte Lauro」「Monti Iblei Val d’Anapo」「Monti Iblei Val Tellaro」「Monti Iblei Frigintini」「Monti Iblei Gulfi」「Monti Iblei Valle dell’Irminio」「Monti Iblei Calatino」及び「MontiIblei Trigona-Pancali」- 自治体であるMilitello in Val di Cataniaも含む)が含まれる。
   モンティ イブレイの原材料として上記で規定されている品種は、本製品モンティ イブレイの特定された生産地域のオリーブ栽培の歴史全体を表している。当該品種は他の地域の生産コンテキストにあまり適応せず、それにより、モンティ イブレイの官能プロファイルを特有かつ比類のないものにしている。
7 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -
8 公示の年月日  令和3年8月2日
9※ 意見書提出期間
(公示開始日から3か月間)
 令和3年11月2日まで
※縦覧及び意見書提出についてはこちら

お問合せ先

輸出・国際局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301