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農林水産省

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指定前の公示(第138号)

更新日:令和3年12月22日
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の名称について、指定前の公示をしたのでお知らせします。

West Country Beef(ウェスト カントリー ビーフ)


1 指定前の公示の番号  第138号
2 指定をした場合に締約国の名称として公示されることとなる国の名称  グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国)
3 農林水産物等の区分  第2類 生鮮肉類 牛肉
4 農林水産物等の名称  West Country Beef(ウェスト カントリー ビーフ)
5 農林水産物等の生産地  イギリス

 イングランドのウェストカントリー区域:コーンウォール、デヴォン、ドーセット、グロスターシャー、サマセット、ウィルトシャーの6つの州
6 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1) 特性
 「ウェスト カントリー ビーフ」とは、イングランドのウェストカントリーで生まれ育った牛を、ウェストカントリー地域内又はその地域外にある承認済みの食肉処理場で、ミートサウスウェスト(MSW)又は同等の規格に従って食肉処理した枝肉、枝肉半丸又は切り身である。
 承認済みの食肉処理場・カッティング工場は、独立検査機関による検査を受けており、産品が完全に追跡可能で信頼性が高いことが担保されている。また、これらの処理場・工場は、本産品を処理する認可をミートサウスウェスト(MSW)から受けている。
 全ての家畜は以前に合意された内容に従って高い基準で飼育されるため安全性も確保されている。

 本産品は、以下の要件を満たしていなければならない。
 ・ウェストカントリー地域において出生し、かつ最終飼養地である。
 ・まぐさを基本とした食事が与えられている。
 ・現行の全ての法律に準拠している。
 ・全ての関連行動基準を備えており、認識している。
 ・「5つの自由」に基づいた家畜の健康と福祉が確保されている。
 ・完全な追跡システムが確実に存在する。
 ・有能な牧畜業者と訓練された職員による家畜の管理が確保されている。
 ・輸送中、売買中、及び屠殺前の家畜の安全と福祉が確保されている。
 ・屠殺は、生産品の信頼性を確保するために、承認及び認可された施設で、完全に追跡可能な状態で行われている。

 農場及び食肉処理場・カッティング工場は、規定の検査手順に従って独立した検査機関により検査される。

 本産品の要件を満たすには、生産者は検査中に、牛がウェストカントリー地域内で生まれ、肥育され、肥育が完了したことを証明しなければならず、給餌の記録と畜牛にまぐさが70%以上の食事を与えたことの証明が必要となる。このスキームでは、6か月以上の放牧を始めとして幅広いシステムが要求される。
 指定された牧草を基本とした食事は、肉の化学的成分と官能特性を向上させる。これにより全般的な柔らかさが増し、優れた食味を得ることができる。筋肉内の脂肪組織により自然な霜降りとなり、ジューシーで芳醇な味わいとなる。脂肪の色は白から黄色までの幅があるが、特定の飼料を与えるとクリーム色となる。肉の色はピンクから濃い赤までさまざまで、熟成すると濃い赤になる。
 牛は、60日以上かけて肥育される。その大部分は自然に仕上がるが、複数の品種があるため、年齢や体重にはばらつきがある(仕上がり体重は、200~500kgとなることが理想である)。

 最高の食味を確保するため、枝肉の分類仕様(EUROPシステムに基づく)は以下のようになっている。
 - 枝肉は、脂肪等級2~4Hで、適合-0以上として分類される。
27_脂肪等級等図表

 屠殺後、本産品は、以下のように様々な形で市場に出される。
 - 枝肉:食べられない内臓、皮、頭部、四肢を除去したもの
 - 枝肉半丸:縦に分割された枝肉の半分
 - 後四分体/前四分体:枝肉半丸を前から10番目と11番目の肋骨の間で分割したもの(若しくは配置が同様のもの)
 - プライマルカット:枝肉/枝肉半丸をより小さい、認識できる各部に(顧客の好みに合わせて)分割した切り身。切り身は、骨付き又は骨なしで、保護包装に入れて提供される場合もある
 - 分類前に取り出した食用のくず肉
 本産品は、生鮮肉(冷蔵)又は冷凍で販売できる。

(2) 生産方法
 1) 農場における飼養
 牛はイングランドのウェストカントリー地域内にある農場で生まれて完全に肥育されなければならない。飼料は主に草を中心とし、必要に応じて現地で調達した栄養補助餌が加えられる。この餌供給システムは、本産品となる牛の生産に例外なく使用される。
 集中的な餌やりシステムは使用せず、廃棄物が与えられることはない。家畜は、夏の間放牧されており、4月から11月までは、伝統的に夏季放牧が行われる。これは季節に依存しているが、牛の健康的な生活が損なわれることはない。したがって、気候条件により上記の予定より早く畜舎に入り、遅く出ることがあっても食餌の70%以上がまぐさであれば容認される。放牧が最小限になる期間は、5月から10月までである。
 - 冬の数か月の間は、家畜によっては、牧草サイレージ(サイロに入れて保存された貯蔵生牧草)又は干し草で冬を越したり、飼料用ビートやケールなどのその他の種類のまぐさを食べたりする。この地域の高い降水量と土壌特性のために、多くの牛は牛舎で飼育され、主に牧草サイレージ(サイロに入れて保存された貯蔵性牧草)又は干し草を与えられている。
 - 離乳期及び最終段階で栄養補助食品を与えられる場合があるが、いずれの場合も、材料と購入の詳細が農場で記録され、保証検査機関がチェックする。牛が栄養補助食品を与えられる期間は、牛の福祉、売買などの要因を考慮に入れて決定される。
 - 与える栄養補助食品の上限は30%で、70%はまぐさになる。栄養補助食品は、冬期、離乳期、最終段階など、必要な場合に与えられる。餌やりの時間は規定では決まっておらず、売買や福祉の要因によって影響されるため、最大量は規定されていない。つまり、牛が最適な市場要件を満たすのにまぐさだけで十分なことは滅多にないため、最終段階では栄養補助食品が与えられる。健康的な生活が損なわれないようにするため、栄養補助食品は、冬期又は干ばつや洪水といった極端な状態が発生した場合など、まぐさが十分に供給されず、またその品質が不十分な場合に与えられる。

 牛は、60日以上かけて肥育され大部分は自然に仕上がるが、非常に多数の品種があるため年齢や体重にはばらつきが生じるものの、仕上がり体重は200~500 kgとなることが理想である。農場又は食肉処理業者は、視覚評価又は物理的な評価のいずれかによって牛が屠殺にふさわしいと見なせる時期を決定しており、牛の形態と脂肪レベルを評価し、農場が市場の要件に対して最適だと思うタイミングで牛を屠殺する。

 2) 農場から食肉処理場へ
 屠殺できる状態の牛が選ばれたら、農場又は委託を受けた輸送業者が、トレーラー又はローリーで食肉処理場に直接又はMSWが承認した畜牛競り市場を通じて牛を輸送する。輸送業者は全て、MSW承認の保証スキームの下で作業するが、自分の牛を自分で輸送する農場は、自分の農場の保証スキーム内でMSW承認規格に従って輸送する。

 3) 食肉処理場にて
 大部分の牛はウェストカントリー区域内で屠殺されるが、生産者は、区域外にあるMSW承認の食肉処理場、又はそれと同等の設備も使用できる。全ての食肉処理場が、牛の処理方法及び枝肉の処理方法を明確に示したMSW承認スキームの手順に従う。
 EUROP分類スキーム(又は同等スキーム)に従ってO+以上に分類された、脂肪レベル2~4Hの枝肉のみが、本産品の生産に使用される。EUROPグレードとは関係なく、分類前にウェストカントリーの牛から臓物を収穫できる。屠殺番号、屠殺の日付、分類の詳細、及び冷蔵枝肉の重量が記録され、トレーサビリティを確保するための表示が枝肉に添付される。
 肉は、屠殺直後から冷蔵温度で10日間以上調整されており、このプロセスは、熟成と呼ばれる。熟成中に、肉に含まれる自然の酵素で筋肉組織が壊され、肉の柔らかさと食味が向上する。ブリスケットやすね肉など、伝統的に時間をかけて調理される切り身については、最小熟成時間はない。この熟成期間は、高電圧電気刺激又は腰吊りによって短縮することができ、これにより、コールドショートニング(死後筋肉を急激に冷却すると観察される現象)のリスクが低減し、肉の柔らかさが増す。枝肉を正しく冷蔵及び熟成するため、記録が保管され、温度、処理及び時間がわかるようになっている。本産品は、調整の温度と長さについても最適な調整手順を実行しているため、最適な風味と食感が確保されてり、これにより、イングランドのウェストカントリー産のビーフに特有の官能品質及びその他の品質が強化される。

 4) カッティング工場にて
 バッチレベルでのトレーサビリティは、カッティング工場でも終始維持される。
 牛肉は、通常、枝肉又は枝肉半丸、又は10番目と11番目の肋骨の間でカットされた4分の1枝肉としてカッティングルームに送られる。バッチシステムは、カッティングルーム内で終始維持されており、カッティングルーム内では、牛肉が市場の要件に合わせてさらに小さい切り身に分割され、骨付きにも骨なしにもできる。カッティング設備が屠殺設備と隣接していない場合もあるが、その場合、肉はカッティングを行う場所まで衛生的に輸送されるため、本産品としての特性は維持される。全ての枝肉が、少なくとも小売り用の部分肉にまで分割される。全ての肉の輸送は冷蔵車で行なわれる。

 5) 販売時
 消費者は、個々の必要性に見合うように整えられた伝統的な幅広い種類の切り身で牛肉を購入する。本産品は、冷凍又は冷蔵でパッケージ化した形か又はサービスカウンターで販売できる。肉は、伝統的な切り身の名前又は料理法で記述される。
 「ウェスト カントリー ビーフ」は、そのように謳われる牛肉の全てが本産品であり、用語の使い方、製品の広告、ラベル表示及び説明が不正確でも誤解を招くような形でなければ、牛肉の名前として、あるいは小売店又は飲食店で牛肉製品の肉材料の名前として使用することができる。
 枝肉/枝肉半丸を冷蔵したら、冷蔵と同じ加工場又はラベリングされた枝肉/枝肉半丸を冷蔵車両で運び込んだ別の加工場で、プライマルカットにし、真空パックで保管することができる。その後、枝肉/枝肉半丸/プライマルカットは熟成され、バッチ番号を表す個別ラベルが付けられる。熟成後、そのまま販売されるか、又はさらに細かくカットされ、パッケージ商品として販売される。

 全ての形態で、本産品は明確に「ウェストカントリービーフ」として表示され、牛肉ラベリング追跡システムを通じて遡って屠殺バッチまで知ることが可能である。個体レベルの追跡を強化するため、コミュニティビーフ表示規則(Community Beef Labelling Regulations)に従って、最終販売製品にも任意で個体の耳タグ番号等の追加情報も表示することが可能である。

 (検査機関)
 1.PAI Ltd
 2.Integra Ltd (NSF認証代理)
 3.SAI Global

(3) 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 ウェストカントリーは、イングランド内で最も大きく、最も農業の盛んな地域であり、イギリス国内で最も豊かな環境を有する場所の一つである。その農園は、推定でイングランドの24%の牛肉を生産しており、羊製品の21%のシェアと合わせて、この地域の景観と遺産を形成し、維持するのに役立ってきた。家畜の高い密度によって大規模な食肉加工部門の発展が促進され、この地域での大きな雇用機会を生み出してきた。ミートサウスウェストは、赤身肉部門でウェストカントリー経済に貢献しており、経済効果は年間30億ポンド、28,000件の雇用を生み出していると推定される。この地域の環境及び地位を保護するには家畜生産の継続は必須となる。実際に、この地域で飼育された本産品の基本的な特性を育むのは、この地域の特別な環境に他ならない。ウェストカントリーの暖かくて穏やかな気温、年間を通じて良好に分散された降雨、深くて保湿力の高い土壌の組み合わせにより、ほぼ一年中いつでも草と飼料作物が育ち、家畜の放牧が可能になる。この地域の大部分で、草は年間300日を超えて成長する。このように、年間を通じた生産がウェストカントリーでは一般的であり、家畜の生産が優勢となっている所以である。さらに、ウェストカントリーの草原の25%以上が国立公園又は特別自然美観地域(AONB)のいずれかにあたり、また、イギリス国内で花が豊富に咲く草原の57%がこの地域内にある。
 ブリストル大学が行った研究により、濃厚飼料よりも放牧の方が牛肉をより味わい深く、より好まれるようにすることが示された。
 イングランドのウェストカントリーは、その気候、地形、地質により、牧草が生い茂り、牧草はこの地域で飼育される牛やそこから得られる肉製品に特別な品質を授けている。農場面積の高い比率が草原となっていることも、畜牛生産には理想的であり、牧草は補助的な餌としても使用できる。その結果、ウェストカントリーで生産される牛は、イギリス国内のその他の地域の牛と比べて、より多くの草や草製品を食べて成長することになる。新鮮なものであれ保存されたものであれ、草はα-リノレン酸の源である。α-リノレン酸は、動物の体内で、人間の食事にとって貴重な栄養源である長鎖n-3(オメガ-3)多価不飽和脂肪酸(PUFA)に変わる。草にはビタミンE及び両方のn-3脂肪酸が含まれており、草を食べて育った牛の方が高い濃度のビタミンEを含むことになる。これらの栄養素は、肉の味にも影響を及ぼすことから、食餌に多くの草を確保できること、食餌となる草の信頼性が高いことが、肉に含まれるn-3 PUFAとビタミンEの濃度を高くする。イングランドのウェストカントリーで生産され処理された牛肉の品質の高さには、地域的特徴と本質的なつながりがあるということが、科学的にも客観的に証明されているのである。
 イングランドのウェストカントリー地域は草原半島とも呼べる。草原と耕作農業の区別は、部分的にはその土壌の型の違いにより発生する。ウェストカントリーは、草の成長を支える一方で、耕作農業には決して最適とは言えないグライ土壌と褐色土の比率が高くなっている。耕作地域は粘土質の土壌の比率が高く、水はけが良いという特徴がある。また、ウェストカントリーはイギリス国内では平均気温が最も高く、最低気温と最高気温も最も大きい地域となっている。
 草の成長は、土壌型、気温、降雨量、及び日照時間に影響されるが、さらに重要な要因となるのが、地形、つまり標高であり、標高が高くなると、草の成長は鈍化する。ウェストカントリーでは、有利な気候条件により草が成長できる日数が他の地域より多くなっている。ウェストカントリーでは、全ての場所で草が年間220日以上成長するが、イギリス国内の他の場所ではこのようなことはなく、さらに、場所によっては、草が成長できる期間が300日を超える場所もある。ウェストカントリーでは、新鮮な草及び保存した草に大きく依存する度合いが高く、これが―脂肪酸の組成、ビタミンE含有量、及び官能的品質について牛肉の品質や栄養価に特徴的な影響を与えており、これらの影響は、科学的な実験で明確に示されている。
 これらの実験で、穀物中心の食事(濃厚飼料)で生産された去勢雄牛と、草中心の食事で生産された去勢雄牛の間には、脂肪酸組成に違いがあることが示された。牧草サイレージを与えられた牛は、筋肉中の脂肪レベルが高く、脂肪酸プロファイルも全く異なる。濃厚飼料を与えられた去勢雄牛の筋肉中には、リノール酸とその生成物 (アラキドン酸)、両n-6(オメガ-6)脂肪酸が多く、牧草サイレージを与えられた去勢雄牛の筋肉中には、リノレン酸とその生成物EPA及びDHA、全てのn-3(オメガ-3)脂肪酸が多くなる。全n-6脂肪酸の全n-3脂肪酸に対する比率は、濃厚飼料を与えられた牛の方が9倍高くなった。人間の食事に推奨される比率は4以下で、牧草を食べた牛の方が栄養面でもより好ましいという結果が出た。
 以上の実験から、草及び飼料草の飼料は、濃厚飼料とははっきり異なる脂肪酸プロファイルが筋肉中に形成されることが明確に示されており、草で飼育された牛肉は、リノレン酸1.0%より上、EPA 0.5%より上、DHA 0.1%より上だと示されている。これは、本産品にも良い影響を与えており、草に自然に含まれているビタミンEが、牛の筋肉と脂肪組織に取り込まれることになるため、牧草サイレージを与えられた去勢雄牛は、筋肉中のビタミンEの濃度が、濃厚飼料を与えられた去勢雄牛と比べて少なくとも2倍となることから、肉が小売店でディスプレイされている間に明るい赤色を保つ期間が2日増えることになる。
 イギリスの研究では、牛肉の味は穀物を与えられた牛より草で育った牛の方が良いと結論付けられた。牛肉の風味のスコアは草の方が濃厚飼料よりも高くなり、異常な風味のスコアは濃厚飼料で最も高くなった。
 ミートサウスウェストが委託して作成された上記結論を引き出した独立系の報告書では、高濃度のn-3脂肪酸とビタミンEという特別な特性が示されている。
 - 牛肉の腰肉脂肪酸組成でリノレン酸が1.0%を超える
 - 牛肉の腰肉脂肪酸組成でEPAが0.5%を超える
 - 牛肉の腰肉脂肪酸組成でDHAが0.1%を超える
 - 牛肉の腰肉組成でビタミンEが3.5 µg/gを超える
 以上の値は、暖かくて湿った気候のため他の地域よりも牛が新鮮な草を食べられる期間が長く、生産システムが幅広い草からの生産に基づいているイングランドのウェストカントリーで生まれ、飼育され、完成した牛から生産された牛肉において達成されたものである。今後の気候の変化で、ウェストカントリーの牧草は現在よりもさらに良好になると考えられている。
 報告書は、草原の風景と結び付けられたイングランドのウェストカントリーは、高い品質の牛肉を生産しているというイギリスでの一般的な見識に、科学的観点を付け加えるべきであると結論づけている。
 歴史的には、この地域で最も一般的な牛の品種は、サウスデヴォンとルビーレッドであった。しかし、多くのイギリス品種及び大陸の品種も、この地域の地勢によく合っているため、どの品種もこの地域の牧草で良好に育つ。このため、本産品はどの品種の牛からも生産できる。
 地勢が多様であるため、地域の境界内に階層化した畜産業が存在することも可能になっている。エクスムーア、ダートムーア、及びボドミンムーアの高地には伝統的な牛の群れのための飼育場と夏場の牧草があり、一年のほとんどの期間に草が育ち続ける低地の草原と海岸地域には理想的な最終飼養のための牧草地がある。

 ウェストカントリーは歴史的にも畜産地域で、ロンドン及びその他の大都市圏への、さらにはプリマスやブリストルなど、重要なウェストカントリーの港への食肉の供給元として重要な役割を果たしてきた。エリザベス一世の統治における最高の食料供給者たちは、サマセットを「食糧貯蔵のための牛肉と羊肉の生産者」と見なしていた。1700年代前半に著わされた書物には、既にこの地域で飼育された牛の品種への賞賛や、牧畜業の詳細、どの市場に出荷されたか等が記録されている。本産品の価値に関する国外における称賛については、1580年以前に、既にこの地域の牛をアイルランドに輸出したという記録がある。1620年、ピルグリム・ファーザーズ(北米へ移住したピューリタン)がこの地域の赤牛を連れて行った際に、本産品が大西洋を越えて広まり、大いに喜ばれ、1627年には似たような牛がアメリカに輸入された。
 ウェストカントリーの牛の品種の1つ、デヴォンは評判が高く、19世紀後半までにイギリスで2番目に多い品種となった。
 本産品の価値に関するこのような称賛は、現在においても変わらない。多数の主要小売業者がこの地域の牛肉の品質を認識しており、消費者は販売されている牛肉のラベルに、横向きの牛と小さな畑が描かれていることに好意的なイメージを持っている。同様に、多数の小規模小売店、レストラン及びその他の仕出し会社が、取り扱う牛肉に「ウェスト カントリー ビーフ」のラベルを付けている。
7 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -
8 公示の年月日  令和3年12月22日
9※ 意見書提出期間
(公示開始日から3か月間)
 令和4年3月22日まで
※縦覧及び意見書提出についてはこちら

お問合せ先

輸出・国際局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301