指定前の公示(第147号)
更新日:令和5年1月12日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の名称について、指定前の公示をしたのでお知らせします。 |
Finocchiona(フィノッキオーナ)
1 | 指定前の公示の番号 | 第147号 |
2 | 指定をした場合に締約国の名称として公示されることとなる国の名称 | 欧州連合 |
3 | 農林水産物等の区分 | 第6類 畜産加工品類 食肉製品類(ソーセージ類) |
4 | 農林水産物等の名称 | Finocchiona(フィノッキオーナ) |
5 | 農林水産物等の生産地 | イタリア トスカーナ州本土の全領域(島を除く) |
6 | 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 | (1)特性 「フィノッキオーナ」サラミは、フェンネルの種と花の香り又はその一方の香りと、時折崩れるような、スライスしたときの柔らかい質感が特徴である。スライスしたものの色は、赤身肉部分の赤色から、脂肪部分の白又はピンクがかった白色まであり、各部分の境界はあいまいで、よく混ざり合っている。その中にはフェンネルの種や花が見えることがある。フェンネルの顕著な香りとニンニクのほのかな香りが、サラミの特徴である心地よい香りを生み出している。味はフレッシュで食欲をそそるもので、酸味は決して強くない。フィノッキオーナは、以下の化学的特性を有している;総タンパク質:20%以上、総脂肪量:35%以下、pH:5~6、水分活性(aw):0.945未満、塩分:6%未満。 フィノッキオーナは、円筒形のソーセージで、熟成中に発生する特徴的な羽毛状のカビに覆われている。サイズは、皮に詰めた際、0.5kgの小さなサラミから、25kgに達する大きなものまで様々ある。サラミは消費用のバラの状態、ホール若しくは厚切りスライスの真空パック若しくはガス充填包装によるパックの状態又は薄切りスライスの真空パック若しくはガス充填包装によるパックの状態で販売される。 (2)生産方法 〇 原材料 重量の重い豚の飼料給与量は、その組成と使用方法によって異なる。給餌方法は2段階に分けられ、主にチーズ製造の副産物と穀物に基づいている。第1期(体重80kgまで)で認可される飼料は、第2段階で認可される飼料と同じで、適切な濃度に調整されており、大豆粕、コーンサイレージ、コーングルテン飼料、脱穀したキャロブ(イナゴマメ)、蒸留穀物粕、融点36℃以上の脂質、魚粉、タンパク質溶解物、バターミルクが含まれ、穀物からの乾燥物量が全体の45%以上であることが条件となっている。第2期(肥育期)では、穀物からの乾燥物量が全体の55%以上でなければならず、認可される飼料は次の通り;穀物及び雑穀、ふすま及びその他の小麦加工副産物、脱水ジャガイモ、圧縮及びサイロで貯蔵されたビートパルプ、大豆粕、ひまわり粕、マニオク(キャッサバ)、糖蜜、ココナッツ粕、トウモロコシ胚乳、ソラマメ及びその他のマメ科植物種子又はそのうちの一種、乾燥ビートパルプ、ゴマ粕、亜麻仁粕、リンゴや梨の残滓、サプリメントに使用するブドウとトマトの皮、乾燥アルファルファ粕、ビール酵母及びトルラ酵母又はそのどちらか、40℃以上の融点を持つ脂質、ホエーとバターミルク。Cinta Senese種の豚は、野外で飼育されるか、又は室内と野外の両方を組み合わせて飼育されており、飼料や穀物が撒かれた森や裸地で放牧される。生後4ヶ月以上の豚には、毎日飼料を与えることができるが、その量は豚の生体重の3%以下でなければならない。 フィノッキオーナの製造には、通常、以下に示す枝肉から得られる冷凍されていない新鮮な肉が使用される。 ・特定の遺伝的特性を持つ重量の重い豚(通常、Italian Large White種、Italian Landrace種、Italian Duroc種又はこれらの品種のboar(雄豚)、他の品種の雄豚若しくは同じ遺伝的特性を持つハイブリッドの雄豚が使用される)は、目標体重になるまで9ヶ月間以上飼育され、その肉がフィノッキオーナに最適である。これらの品種を使用することで、食肉中の脂肪の維持、分布、質的構成、対応する中央分類の範囲内で重いと格付けされる枝肉の生産、と畜重量の重さ及びと畜年齢の高さが保証される。上記のすべては、主に穀物を餌とする家畜のための特別な飼料体系とともに、フィノッキオーナの正確な熟成及び官能的特性の特徴を構成するために不可欠な条件となる。 ・品種登録簿に登録されたCinta Senese種の豚であり、生産地内で飼育・と畜され、伝統に従った飼料が与えられている。 〇 製造工程 フィノッキオーナの製造工程において、生産地内で行わなければならない工程は以下のとおり; 認可された食肉の洗浄及び整形、ミンチ、混練、皮への充填、乾燥、熟成。 Cinta Senese種の肉は、生産地内で飼育された家畜から得られる。 〇 製品の切分け、切削、包装 フィノッキオーナが消費用に発売される際の包装・スライスに関し、製品の品質を保証し、特に定められた特性の劣化を防ぐために、スライス及び包装(真空又はガス充填包装を含む)は、認可検査機関の管理下で生産地でのみ行われなければならない。 赤身肉と脂肪の細かいミンチが混在しているため、スライス時及び取り扱い時に、スライスは特にデリケートな状態になる。スライスの準備として、製品の皮を取り除き、可食部を直接外部環境にさらすことが含まれる。不確定な期間に、管理されていない環境条件にさらされると、製品の特性が劣化し、酸化、変色、過度な水分減少を引き起こし、フィノッキオーナのスライス特有の食感や本産品を特徴づける香りが劣化する。フィノッキオーナ本来の特性を保証し維持するためには、スライス担当者が特定の条件下で限られた時間だけ製品に接触することが不可欠である。 スライスされる予定の製品が、定められた条件以外で不確定な期間に保存された場合、酸敗、乾燥、異常なカビの発生、膨張又は褐変等、フィノッキオーナのものとして知られている特性とは異なる望ましくない特性が発生し、製品が示すべき味、香り及び一貫性が損なわれる可能性がある。 〇 ラベル表示 フィノッキオーナの名称は、ラベルの色と強く対照的な色を用い、ラベル上の他の文字よりも大きく、明確に区別できるもので、3mm以上のはっきりとした消えない文字で記載しなければならない。会社名、名称、事業名、商標、コンソーシアムを示す表示も、賞賛的な趣旨でなく、かつ購入者や消費者を誤解させるようなものでなければ、ラベル上に標記することができる。製品の原料となる豚が飼育されていた養豚場名の記載は、その養豚場からしか原料を調達していない場合に限り、認められる。 (3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 フィノッキオーナの生産地は、北と東に境界を示す山岳地帯があり、西方には海岸平野に傾斜した広大な高地帯に、ブドウ畑、森林、家畜飼育用の放牧地が広がっている。1970年代までは、農地はmezzadria(小作制度)に基づいて組織されていたが、現在は農場所有者がその大部分を担っている。これにより、絶滅の危機に瀕していた歴史的なCinta Senese種の豚や、Tuscany charcuterie(トスカーナのシャルキュトリー(食肉加工品全般))の原料となる白豚の飼育が保存されており、本産品に用いられてきた専門的なノウハウや加工方法が受け継がれている。肉、ワイン、そして野生のフェンネルが広く存在していることが、シャルキュトリー生産者の味覚を育んできた。彼らは、熟練した職人による製造方法を守り、昔ながらの技術や習慣を、今日、生産地全体に存在する加工業者に受け継いでいる。 フィノッキオーナの最大の特徴は、フェンネルシードやフェンネルフラワーの顕著で紛れもない香りと、カットしたときに崩れやすくもあるスライスしたときの柔らかさである。また、酸味は強くなく、フレッシュで食欲をそそる味わいである。脂肪の小片は、筋組織の小片を取り囲むようにスライス内に分布しているので、製品は長い熟成期間を経た後でも柔らかさを保つことができる。脂肪部分と赤身部分の境界線は中くらいの大きさであり、はっきりと区別されない。スライスの色は、赤身肉部分の赤色から、脂肪部分の白又はピンクがかった白まで、様々である。フェンネルの種子や花が見えることもある。 フィノッキオーナの歴史的評価については、1875年にRigutiniとFanfaniが記した「Vocabolario della lingua parlata」、本産品とトスカーナとのつながりを記した1889年版「Vocabolario degli Accademici della Crusca」、1977年に本産品がトスカーナを起源とすると確認したItalo Ghinelli教授の研究等、多くの文献によって証明されている。本産品は、トスカーナで最も広く販売されているシャルキュトリーの一つであり、全国的に流通している権威のある専門誌が毎週発行するシャルキュトリー製品会誌で定期的に紹介されている。 フィノッキオーナの特徴は、起源の地であるトスカーナの環境とその製造方法を生み出した人的要因との間の何世紀にもわたる相互作用に起因している。この地方の郷土料理でよく使われるフェンネルをはじめとする独自の原材料の選択、当該生産地域の風土、シャルキュトリー製造の確立した伝統、最高のカットを選び切り分ける方法、脂肪と赤身の正しいバランス、そして、本産品の適度な硬さと柔らかさを理解している、技術に長けた熟練職人の専門ノウハウが、ユニークで比類のない製品を生産することに貢献しており、その評判は今や確固として定着している。フィノッキオーナの配合に、歴史的な製造方法に従ってワインを加えることは、世界中に知られたワインの産地である地元との強いつながりを証明するものである。Cinta Senese種の高品質な肉を生産することで、地域全体に加工業者が定着し、製品の特徴をより確かなものにし、消費者の心にフィノッキオーナとトスカーナとのつながりを定着させることに役立っている。トスカーナの冷菜(コールドカット)はフィノッキオーナ抜きには考えらず、今では、国境を越えて広がり、中欧諸国やEU圏外の多くの国々で見られるようになった。 |
7 | 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 | |
(1)商標権者の氏名又は名称 | - | |
(2)登録商標 | - | |
(3)指定商品又は指定役務 | - | |
(4)商標登録の登録番号 | - | |
(5)商標権の設定の登録の年月日 | - | |
(6)専用使用権者の氏名又は名称 | - | |
(7)商標権者等の承諾の年月日 | - | |
8 | 公示の年月日 | 令和5年1月12日 |
9※ | 意見書提出期間 (公示開始日から3か月間) |
令和5年4月12日まで |
お問合せ先
輸出・国際局知的財産課
担当者:地理的表示保護担当
代表:03-3502-8111(内線4285)
ダイヤルイン:03-6744-0234
FAX番号:03-3502-5301