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農林水産省

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指定前の公示(第74号)

更新日:令和2年7月7日
担当:食料産業局 知的財産課
下記の名称について、指定前の公示をしたのでお知らせします。

Странджански манов мед /Mанов мед от Странджа
(Strandzhanski manov med / Manov med ot Strandzha)
(ストランジャンスキ マノフ メッド / マノフ メッド オット ストランジャ)


1 指定前の公示の番号  第74号
2 指定をした場合に締約国の名称として公示されることとなる国の名称  欧州連合
3 農林水産物等の区分  第8類 調味料類 はちみつ(はちみつ) 
4 農林水産物等の名称  Странджански манов мед /Mанов мед от Странджа
(Strandzhanski manov med / Manov med ot Strandzha)
(ストランジャンスキ マノフ メッド / マノフ メッド オット ストランジャ) 
5 農林水産物等の生産地  ブルガリア

 ソゾポル(Sozopol)、プリモルスコ(Primorsko)、ツァレヴォ(Tsarevo)、
 マルコ・タルノヴォ(Malko Tarnovo)、スレデツ(Sredets)
6 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1) 特性
 ストランジャンスキ マノフ メッドは、ミツバチが、生産地内で、植物の分泌物及び食植性昆虫の排出物の蜜などを採取し、自らの特定の物質と結合させ、保管し、脱水し、巣房に溜めこんで熟成させるはちみつをいう。ストランジャンスキ マノフ メッドは、昆虫が分泌する甘露蜜及び樫の実の樹液をミツバチが集めたものから作られる。
 ストランジャンスキ マノフ メッドの特性は、主に、官能特性、物理的・化学的特性、及び花粉特性である。
 ストランジャンスキ マノフ メッドの具体的な特徴の一つとして、甘露蜜はちみつと比較して電気伝導率が特に高い点が挙げられる。この値は0.95 mS/cmより高くなければならない。
 高いジアスターゼ活性(アブラムシやゾウムシが行う二次加工の効果で酵素の割合が高くなるため)とヒドロキシメチルフルフラール(HMF)のわずかな含有量も、このはちみつの特徴である。
 このような特性があるのは、広大な樫林(ストランジャ(Strandzha)地域の70%余りを占める)のおかげであり、樫林が、穏やかな気温と高い湿度と相まって、高表面積の葉ができる条件を作り出し、それがアブラムシやゾウムシにとって良い環境を生み出している。それらの虫の排出物や植物の有機体の分泌物をミツバチが採取し、このはちみつに姿を変えさせるのである。
 ストランジャンスキ マノフ メッドの花粉のスペクトルが、ストランジャ(Strandzha)地域でしか観察されない植物の花粉を含んでおり、他の地域で生産されるはちみつとの差別化要因になっている。その理由は、ストランジャンスキ マノフ メッドとストランジャ(Strandzha)山地の結びつきにある。花粉スペクトルの分析をしたところ、固有の植物種が特定された。花粉スペクトル上にそれらが存在することまたはそれらが存在する頻度によって、ストランジャ(Strandzha)地域の地理的境界が決まる。
 養蜂箱が1年を通して生産地に設置されること(すなわち養蜂箱は据え置き型である)は特に重要である。ストランジャンスキ マノフ メッドは、黒ずんだ色が顕著で、独特な香りをし、そして花蜜が原料のはちみつよりも微かな酸味と苦味がある。

◯ 官能特性:
 外観:不透明でやや乳白色。ミツバチの卵その他不純物がなく、かつ、発酵の跡がない。

 色:緑色を帯びた褐色または暗褐色から黒の間の色。結晶すると、色は薄い茶色又は灰色に変化する場合がある。

 濃度、密度:濃厚、さらさら。半分結晶化している又は結晶化した塊。

 風味:甘いが、若干の酸味と苦味がある。

 香り:焼いた果物とカラメルのような香り。

はちみつの組成に関する要件
◯ 物理的特性と化学的特性:
・果糖・ブドウ糖含有量100g中45g以上
・ショ糖含有量100g中5g以下
・水分19%以下
・非水溶性物質の含有量100g中0.1g以下
・電気伝導率0.95mS/cmを超えなければならない
・遊離酸度 酸は1000g当たり50mg当量以下
・ジアスターゼ活性12Schade units超
・ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の含有量1kg中10mg以下

 ストランジャンスキ マノフ メッドは、主に、微量栄養素と抗酸化物質の含有量が高いことから電気伝導度が高いという点で、花蜜から作られるはちみつと区別される。微量栄養素は、カリウムが1,568~1,676 mg/kg、マグネシウムが149~169 mg/kg、リチウムが0.11~0.33 mg/kg、マンガンが34~51 mg/kg、そして抗酸化物質はフェノールが56~65 mg/kg含まれている。メレジトース(4~11%)とエルロースの含有量が高い点も特徴である。また、クエルシトールとケストースの存在も大きな特徴である。さらにミツバチの独特な生産・収穫工程に起因して甘露蜜成分(HDE)、具体的には真菌の胞子や分生子、菌糸などを含有しているという点もストランジャンスキ マノフ メッドの特徴である。

◯ 花粉特性:
 ストランジャンスキ マノフ メッドは、多様な種類の植物の花粉を含む甘露蜜である。ストランジャ(Strandzha)地域にはTrifolium(シロツメクサ(white clover))やVicia (カラスノエンドウ(common vetch))、Lotus(Lotus corniculatus)、Tilia (linden)、Echium (Boraginaceae科)、Rubus, Matricaria (Asteraceae科)、Daucus (Umbelliferae)、Potentilla (Rosaceae)、Paliurus、Dorycnium (Fabaceae科)、Brassicaceae、Clematis (Clematitis vitalba)、Cistus (キスツス・サルウィフォリウス(sage-leaved rockrose)、キスツス・クレティクス(pink rockrose))、Plantago、Chenopodiaceaeなど植物の種類が豊富にある。
 ストランジャンスキ マノフ メッドの花粉特性は、ブルガリアの他の地域では見られないストランジャ(Strandzha)地域固有の植物による影響を受けている。Ophrys reinholdiiやVerbascum bugulifolium、Teucrium lamiifolium、laurel-leaved rockrose、Hypericum androsaemum、Stachys thracica、Epimedium pubigerumがそれらの植物である。また、Cicer montbretiiやErica arborea、セイヨウカリン(medlar)、common heather、キスツス・サルウィフォリウス(sage-leaved rockrose)、Hypericum calycinumなど、第三紀にストランジャ(Strandzha)地域で広く見られた植物による影響も受けている。

 これらのうち、Ilex colchica、Daphne pontica、Caucasian whortleberry、Rhododendron ponticum、Strandzha oak、Veronica turrilliana、Quercus polycarpaの7つについては、欧州における分布範囲はストランジャ(Strandzha)地域とコーカサス(Caucasus)地域に限られている。

(2) 生産方法
◯ 原料
 ミツバチへの給餌は、採蜜期は禁止されている。春にはちみつを抽出した後の冬を迎える前は、蓄えのはちみつの確保とミツバチの群れ(コロニー)による確実な越冬のために必要な量の砂糖や固形状の砂糖、砂糖水をミツバチに与えることができる。また、ミツバチが自ら生産したはちみつを与えても良い。生産者は、冬の蓄えのはちみつがストランジャンスキ マノフ メッドと一緒にならないよう徹底しなければならない。

◯ 生産行程
 ストランジャンスキ マノフ メッドは、ストランジャ(Strandzha)山地の樫林にある養蜂箱(主に据え置き型)で収穫するが、この養蜂箱は生産地内に設置しなければならず、6月から8月にかけて収穫される。ミツバチの群れは、1年を通して生産地内に生息していなければならない。

 ストランジャンスキ マノフ メッドは次の方法で生産される。
 (ア)フタがされたハチの巣礎枠を所定の敷地に移動させる。
 (イ)蜜蓋を剥がし、巣蜜を遠心分離機にかける。
 (ウ)ろ過をし、保管用容器に注ぐ。
 (エ)出来上がったはちみつの容器を倉庫に移動させる。
 全ての生産行程を生産地内にて行い、産品の品質と完全なトレーサビリティの確保を図らなければならない。

養蜂家は特に次の手順を管理し、甘露蜜のみが生産されるよう徹底している。
第1段階
 ミツバチが主に落葉性の樫の木の樹液や甘露蜜を採取し、濃厚なはちみつを生産する。採蜜期中は、育児箱に継箱や巣箱を乗せ、余剰蜜の分離を図る。

第2段階
 はちみつが十分成熟したら、巣蜜を巣箱から取り出す。
別の場所で遠心分離させた後、はちみつのろ過、均質化、不純物を除く作業を少なくとも24時間沈殿槽で行う。

第3段階
 はちみつを食品保管用の容器で保管する。清潔かつ適切な施設で、瓶詰、包装、およびラベル表示を行う。結晶化したはちみつは、採蜜時のはちみつの温度である42℃以下に加熱して融解する。この温度であればジアスターゼ活性が保たれる。

◯ 包装などに関するルール
 産品の品質および完全なトレーサビリティの徹底を目的に、はちみつは生産地内において包装し、重量は1,500 グラムを超えてはならない。 ストランジャンスキ マノフ メッドの品質の徹底、そして特に官能・物理・化学的特性の維持を目的に、包装およびラベル表示は生産地内にて行わなければならない。これは、生産地から別の場所へ輸送する際に、産品の質が温度の上昇により変化する可能性があるためである。他のはちみつと区別がつかなくなる事態の回避及び外部の臭気からの保護を目的に、全工程を生産地において行う必要がある。ストランジャンスキ マノフ メッドは吸湿性があり、湿気は官能・物理・化学的特性を劣化させるため、湿気から本産品を守ることは極めて重要であるという理由から、包装のために本産品を生産地から運び出してはならない。
 ストランジャンスキ マノフ メッドの量り売りは禁止されている。

(3)農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
◯ 自然・気候要素
 地理的範囲にはストランジャ(Strandzha)山地が含まれており、湿度の高い大陸性又は海洋性気候が特徴である。また、春と夏に霧が頻繁に発生し、昼近くまで霧が残ることがあること、そして温和な気温と高い湿度もこの地域の特徴である。このような条件が、昆虫が葉の表面にて収集する分泌物質の溶解を促進する。霧が濃いと樹液の滴が大きくなり、葉から落ちてしまうが、霧が薄いので樹液が無駄にならないのに役立っている。山に近く海洋性の湿気があるが、大量の降雨はなく、極端な気温変化がなく比較的暖かい気候で、そして海と樫林に近接しているという気候条件等が相まって、甘露蜜を生産する昆虫たち、つまり、アブラムシ(Lachnus roboris、L. pallipes、Monelliopsis caryae、Tuberculatus (Tuberculloides) querceus、T. annulatus)やシギゾウムシ(Curculio Glandium)、チェスナットトートリックス(Cydia Splendana)にとって良好な環境を作り出している。

 黒海、エーゲ海、マルマラ海という三大海域近くにある山塊特有の地理的環境、そしてそれによって生み出される気候条件、すなわち比較的高い湿度及び穏やかな気温並びに古生物学上の歴史(第四紀の氷河がないこと)が、大陸においては珍しい組み合わせの植物相を作り出している。曲線的な山の尾根、深い渓谷が、海からストランジャ(Strandzha)地域内部への湿度の高い空気の流れを促す。第三紀中の数百万年前に欧州全域に広がっていた植物が、この地域では今日も守られている。

 ストランジャ(Strandzha)地域の植物相は欧州の植物群系と異なり、コーカサスや小アジアといった黒海周辺の植物相と非常に似ており、花粉スペクトルの分析を行うと固有種を多く検出することができる。ストランジャ(Strandzha)地域には自然保護区等が多くあるため、ミツバチや養蜂に適した環境が整っている。ストランジャ(Strandzha)地域は欧州連合(EU)における五大環境保護優先地域の一つに認定されており、欧州全域の生物保護地区のネットワークであるNatura 2000の自然保護区に指定されている。この地域には樫林とブナ林が広がっており、樫林の大部分を、甘露蜜を生むアブラムシやゾウムシに栄養を供給するQuercus petraea(セシルオーク:47.8%)とQ. フラネット(イタリアン/ハンガリアン・オーク:41.8%)が占めている。
 褐色肉桂色森林土(brown cinnamonic forest soil)やポドゾル黄色土(podzolic yellow earth soils)といった痩せた土壌と産業がないことにより、はちみつの質に悪影響を及ぼしかねない農作物の栽培が限られている。

◯ 歴史的・人的要素
 ストランジャ(Strandzha)地域では、養蜂はずっと昔から営まれてきた。今日から19世紀末にまで遡るミツバチの巣や樹幹が示す通り、養蜂は昔ながらの生計を立てる手段である。養蜂家は手順を管理し、甘露蜜のみが生産されるよう徹底している。

7 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -
8 公示の年月日  令和2年7月7日
9※ 意見書提出期間
(公示開始日から3か月間)
 令和2年10月7日まで
※意見書提出についてはこちら

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301