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農林水産省

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指定前の公示(第76号)

更新日:令和2年7月7日
担当:食料産業局 知的財産課
下記の名称について、指定前の公示をしたのでお知らせします。

Drniški pršut(ドゥルニシュキ プロシュート) 


1 指定前の公示の番号  第76号
2 指定をした場合に締約国の名称として公示されることとなる国の名称  欧州連合
3 農林水産物等の区分  第6類 畜産加工品類 食肉製品類(ハム類)
4 農林水産物等の名称  Drniški pršut(ドゥルニシュキ プロシュート) 
5 農林水産物等の生産地  クロアチア

 シベニククニン郡のドゥルニシュ(Drniš)、プロミナ(Promina)、ルジチ(Ružić)、ウネシッチ(Unešić)、ビスクピヤ(Biskupija) 
6 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1) 特性
 ドゥルニシュキ プロシュートは、豚の後肢を粗海塩で塩漬けにし、プレスし、冷燻し、乾燥させたものである。全工程に少なくとも12か月を要する。骨盤、飛節、皮部分、肢の内側の脂肪が無いことと、きれいな曲線を描いたような外形が、このハム特有の外観として挙げられる。目に見える傷が外面にあってはならないが、カビの薄層の跡が表面にあってもよい。薄く切ると、白色部分の脂肪以外は均一で鮮やかなルビー色をしており、熟成した、軽く燻製したドライポークの強い香りがするという特徴がある。適度に乾燥させるため、優れた構造の切りやすくて噛み切りやすいハムができる。つまり、十分な水分があり風味がよいため、一口一口をすぐに飲み込むことができる。ほのかに甘い風味が特徴で、塩気も微かに感じられる。酸味や苦味、鼻をつく匂いが無く、ハムの香りを楽しむことができる。
 ドゥルニシュキ プロシュートを販売するときは、6.5kg以上の重量、肉の水分含有量は40%以下、塩分(NaCl)含有量は7.0%以下、水分活性(aw)は0.90未満という条件を満たさなければならない。

(2) 生産方法 
 生産工程は、乾塩漬、プレス、すすぎ、燻製、空気乾燥、熟成から成る。

◯ 原料
 ドゥルニシュキ プロシュートは新鮮な豚の後肢から生産され、-1℃~+4℃の温度で冷蔵する以外は、冷凍も含めいかなる保存プロセスも施してはならない。鮮度が保たれ、かつ微生物学的に適切な肢以外は使用してはならない。質の悪い肉、すなわち、色が淡く、柔らかくて、締まりがなく水っぽい肉、又は色が目立って暗く、硬くて乾燥した状態の肉を使用してはならない。
 ドゥルニシュキ プロシュートの生産に当たっては、飛節、仙骨、骨盤、尾椎を取り除くが、大腿骨、脛骨、腓骨は膝蓋骨とともに肢に残す。また、坐骨の食い込んだ部分も残すほか、飛節を取り除くための切断の高さに応じて、足根骨の残りの部分も残す。塩漬けを行うにあたり余計なものを取り除いた肢には、皮の部分や膝関節までの内側の脂肪がなく、脂肪と同様に筋の部分が半円状に取り除かれている。よってハムの底面は大腿骨頭から5センチメートルから8センチメートルの位置になる。余分なものを取り除いた肢には、傷や血腫、凹凸、突起している部分があってはならない。肢は、と畜した日から2日から4日以内に塩漬けにしなければならない。
 塩漬けに当たって余分なものを取り除いた肢は、11kg以上なければならない。

◯ 生産工程
 ドゥルニシュキ プロシュートは専ら、粗海塩による乾塩漬けという製法が用いられており、他の添加物は一切使用しない。所定の量の塩を用いて肢を塩漬けにした後、すすぎを行う。これが、ドゥルニシュキ プロシュートに控え目な塩気と微かな甘味を与える(例えば、最終製品のNaClの含有量は7%を超えない(Faculty of Agriculture, University of Zagrebによる2008年の化学分析の結果))。さらに、ドゥルニシュキ プロシュートの生産は特殊な燻製方法を伴う。燻製は、ブナの木(Fagus sylvatica)とシデ(Carpinius betulus L)に加え、乾燥したトウヒ材(Juniperus communis)、アーモンドの木と殻(Amygdalus communis)、乾燥花(Helichrysum arenarium)を用いて行う。これが煙に独特な香りを与える。資材はゆっくり燃え、ハムは、良い空気循環により徐々に燻製されていく。したがって、熟成されたハムの特徴的なスモークの香りが特徴的であるが、熟成された肉の香りを消すことはない。ハムが徐々に水分を失い、たんぱく質と脂肪で同時に化学・酵素的変化が生じる乾燥・熟成を長期に渡り行うため(12か月以上)、ドゥルニシュキ プロシュートは乾燥度が高いのが特徴である(『Drniški pršut’ ― osobine sirovine i finalnog proizvoda』(農学に関する第44回クロアチアシンポジウムと第4回国際シンポジウムの議事録、Opatija、2009、p. 221-222)によると、最終製品の水分含有量は40%以下)。しかしながら、長期に及ぶ加工期間と、ハムの構造にプラスに作用する加工に伴う化学・酵素的変化の影響で、適度に柔らかくもある。また、十分な熟成期間も、ハムのルビー色の形成と口に入れた後も残る香りにとっては欠かせない。

◯ スライス、包装
 ドゥルニシュキ プロシュートは、丸ごと、様々な形状に切った状態又は薄く切った状態で販売できる。ハムを小さい塊又は薄く切って販売するときは、真空パックにして様々な形状、寸法及び容量で販売する。

◯ ラベル表示
 生産工程の最後に、明細書に定められている全ての要件を満たしたものには、外側にドゥルニシュキ プロシュートのブランドマークを焼き付ける。また、市場に出す前に、ドゥルニシュキ プロシュートに関する共通マークが描かれたラベルを貼る。
 除骨して小さな塊に切り分け又は薄く切り分けるときは、販売するものの包装には必ずドゥルニシュキ プロシュートの共通マークを付けなければならない。
 ドゥルニシュキ プロシュートのブランドマーク及び共通マークに関する意匠は、明細書に定められている。明細書に準拠した産品を販売する当該表示の使用者は、全て同一条件でドゥルニシュキ プロシュートのブランドマーク及び共通マークを使用できる。ドゥルニシュキ プロシュートのブランドマーク及び共通マークを、図1及び2に示す。
図1 ドゥルニシュキ プロシュートのブランドマーク
図1 ドゥルニシュキ プロシュートのブランドマーク

図2 ドゥルニシュキ プロシュートの共通マーク
図2 ドゥルニシュキ プロシュートの共通マーク

(3) 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 ドゥルニシュキ プロシュートは、固有の小気候を有する生産地内で生産されている。当該地域は海に近いものの(直線距離で20~30キロメートル)、変質型の地中海性気候の特徴を有する。全体的に、気候は基本的に亜地中海性気候で、夏は暑く(猛暑と乾燥が特徴)、冬は穏やかで降雪はほとんどない。東、南東及び北東から頻繁に吹く風が、この地域全体の気候に大きな影響を及ぼしている。これらの風は、平均すると年間65%近い期間吹いている。冬は、空気を乾燥させ冷やす風が頻繁に吹くが、特に重要なのが、強い勢力のボラとシロッコ(又はjugo)の入れ替わりである。ボラは、ディナラ(Dinara)山塊と周辺の山々から海に向かって吹く乾いた冷たい北東寄りの風で、シロッコは海から暖かい空気と湿気を運ぶ南東寄りの風である。
 ボラとシロッコの入れ替わりとアドリア海に近いおかげで、冬の気温は極端に下がらず、山から頻繁に吹く風により空気は乾燥し冷やされる。このような自然の力が、肉の乾燥を促すとともに、劣化から守る。このような保護作用は、ドゥルニシュキ プロシュートの生産における最初の工程、つまり肉を乾塩漬けし乾燥させる工程においては特に欠かせない。ドゥルニシュ(Drniš)地域の12月から2月までの平均気温は3.7℃から5℃、平均湿度は76%から78%で推移する。これが、乾塩漬けと乾燥工程によるドゥルニシュキ プロシュートの確実な防腐のために必要な、低温で乾燥した状態を作り出す。こうした気温と湿度が、冷たくて乾いた風と相まって、1年のちょうどこの時期に始まるドゥルニシュキ プロシュートの生産に寄与する。
 ドゥルニシュキ プロシュートの特性は、伝統的な製法と地元の気候をいかした製法から生まれる控え目な塩気や仄かなスモークの香り、乾燥度などの特性のほか、国内外の市場での長年にわたる評判と貴重性に由来する。
 冬には低い気温と風が劣化から肉を守るため、ドゥルニシュ(Drniš)のハム生産者は塩漬けの工程で大量に塩を使用する必要がない。ブナ材やシデ材、乾燥したトウヒ材、アーモンドの殻、乾燥花は今日も手作業でくべられている。ハムは基本的に暖かくて湿度の高いときに燻製し、北東の風(ボラ)が吹くときに一定程度空気に触れさせるだけである。慎重な塩漬けと燻製、そして自然乾燥と熟成といった工程を1年以上かけて行うことが、特徴的な色や構造、香り、風味には極めて重要である。ドゥルニシュ(Drniš)のハム生産者の技術、知識、そして経験に加え、地元の気象条件を熟知していることが、ドゥルニシュキ プロシュートの特性と伝統的な生産に昔から不可欠な要素である。
 ドゥルニシュキ プロシュートと地理的環境の繋がりは、ドゥルニシュ(Drniš)地域産のハムの昔ながらの伝統的な製法と高い評価、そして適した気候と地元の人々の知識と技能に由来する。ハム生産の豊かな伝統は、「神の恵み」である自然条件を巧みにいかしてきた地元の人々が何世代にもわたり作り上げてきたものであり、その結果としてドゥルニシュ(Drnišの町とその周辺地域は昔からハムで有名である。その品質のおかげでドゥルニシュキ プロシュートは、1978年の新聞(Nedjeljna Dalmacija, 15.4.1978)中の「Unikati drniške pršutoteke」(Drnišハム店の独特な商品)という見出しの記事にもあるとおり国内で生産されるハムの中で特に高い評価を常に受けてきた。その一方で、エリザベス二世女王の即位を記念して1953年6月2日に英国王室で振る舞われ、そして即位50年を記念するお祝いの場でも振る舞われた(礼状、バッキンガム宮殿・2002年)という事実からは、ドゥルニシュキ プロシュートが誇る非常に高い国際的な名声もうかがえる。1990年代の独立戦争までは、ドゥルニシュ(Drniš)の工場で作られたハムは、国内市場で商業的に最も重要であり、最も有名なハムのブランドであった。ドゥルニシュキ プロシュートは今日でも高い評判を維持しており、旧ユーゴスラビア諸国にとどまらず他の国々でもよく知られている。
 
7 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -
8 公示の年月日  令和2年7月7日
9※ 意見書提出期間
(公示開始日から3か月間)
 令和2年10月7日まで
※意見書提出についてはこちら

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301