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農林水産省

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指定前の公示(第77号)

更新日:令和2年7月7日
担当:食料産業局 知的財産課
下記の名称について、指定前の公示をしたのでお知らせします。

Međimursko meso 'z tiblice(メジムルスコ メソ ズ ティブリツェ) 


1 指定前の公示の番号  第77号
2 指定をした場合に締約国の名称として公示されることとなる国の名称  欧州連合
3 農林水産物等の区分  第6類 畜産加工品類 食肉製品類(ハム類) 
4 農林水産物等の名称  Međimursko meso 'z tiblice(メジムルスコ メソ ズ ティブリツェ) 
5 農林水産物等の生産地  クロアチア

 クロアチア北西部メジムリェ郡(Međimurje County)地域(北側はムール川(River Mura)、南側はドラバ川(River Drava)によって境界線が引かれる。西側の丘陵地はプレアルパイン(pre-Alpine)地域の一部であり、中部および東部は低地にあり、カルパチア盆地(Pannonian Plain)の一部である。メジムリェ郡(Međimurje County)は3つの都市と22の行政区画から成る。メジムリェ(Međimurje)の都市はČakovec、Mursko Središće、Prelogである。行政区画はBelica、Dekanovec、Domašinec、Donja Dubrava、Donji Kraljevec、Donji Vidovec、Goričan、Gornji Mihaljevec、Kotoriba、Mala Subotica、Nedelišće、Orehovica、Podturen、Pribislavec、Selnica、Strahoninec、Sveta Marija、Sveti Juraj na Bregu(Lopatinec)、Sveti Martin na Muri、Šenkovec、Štrigova、Vratišinecである。
6 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1) 特性
 メジムルスコ メソ ズ ティブリツェは、「slanína」(背脂肪)と燻製し熱処理をした豚肉の切り身という2つの材料から作られる産品である。
 「Slanína」(生産地において使用されている用語)は、一定の条件の下熱処理した背脂肪から作られる。沸騰した湯の中で背脂肪を30分以上煮こみ、その際、薬味(玉ねぎやニンニク、胡椒、ローリエ)を加えることもある。火の通った背脂肪の湯を切って冷ましてから、切り分けたうえで食卓塩を2~3%かけ、そしてニンニクを足して味を付け、常温で最大24時間置いておく。
 豚肉の切り身は、塩を用いて保存処理をする。この時、薬味(砂糖、ローリエ、ニンニク、胡椒)を加えることもある。少なくとも21日間保存処理をした状態で置いておかなければならない。そして、肉の切り身の中心が40 ℃以上に達するまで、ブナ材とシデ材を用いて燻製する。その後、豚肉の切り身を180~220 ℃のオーブンで少なくとも1時間焼く。
 熱処理をした肉の切り身を背脂肪の上に重ねることで肉の切り身が背脂肪でコーティングされる。45日以上熟成させて、最終産品のメジムルスコ メソ ズ ティブリツェが出来上がり、食卓に出せる状態になる。

◯ 産品の官能特性
 外観:脂肪は白色から黄色がかった白色の間の色で、肉の切り身は赤みを帯びた色をしている。 
 切り分けたときの外観:肉の切り身は、保存処理をした肉特有のピンクがかった淡い赤色をしている。
 食感:肉の切り身は柔らかくてぼろぼろしており(非常にもろい)、背脂肪は目が密であり、塗ることができるくらい柔らかい。
 香りと風味:控え目な風味で、燻製し熱処理をした豚肉特有の香りと風味を有する。また、微かに塩が効いており、ニンニクによる味付けに伴う仄かな香りと風味を有する。

◯ 物理化学的特性
 豚肉:水分活性(aw)-0.93未満、背脂肪:水分活性(aw)-0.93未満

(2) 生産方法
◯ 原料
 原材料は、新鮮な豚肉(後肢、骨なし・皮なし、腰部・背部、肩、首、肋、腹部)と背脂肪である。105キログラム以下の豚の枝肉を使用できる。豚はと畜時点で10か月齢以上でなければならない。

◯ 生産工程
 と畜から食肉処理、塩漬け、燻製、熱処理、熟成までの全生産工程を、生産地で行う。

◯ 包装など
 最終産品は、「tiblica」と呼ばれる伝統的な容器に事前に詰めるか真空パックにして販売する。最終産品は少なくとも50%が肉でなければならない。

◯ ラベル表示
 市場に出すときは、共通のマークを産品に表示しなければならない。明細書に従って本産品を販売する生産者は、全て、同一条件にて共通のマークを使用する権利を有する。当該マークを以下に示す。

 MEDIMURSKOMESOZTIBLICE

(3) 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 メジムルスコ メソ ズ ティブリツェは、その評判と、地元の人々の伝統的なノウハウ及び技術に由来する。地元の人々は、生産地において独特の方法で本産品を作っており、本産品はそれらのノウハウと技術の影響を受ける。メジムリェ郡(Međimurje County)はクロアチアの最北に位置する。メジムリェ(Međimurje)は、東アルプス山脈(Eastern Alps)とカルパチア盆地(Pannonian Plain)という2つの大きな地形の境界線上にあるが、固有の地理的特徴により、2つの地域に分けることができる。一つは丘陵地のUpper Međimurjeで、もう一つは低地にあるLower Međimurjeである。この地域の基本的な気候の特徴は、カルパチア盆地(Pannonian Plain)の気候地域に属しているということの影響を受けている。同気候地域は、夏は暑く冬は寒い、そして春は気温が急上昇し秋は過ごしやすい気温になるというのが特徴である。気候は、1年のうちの寒い時期から暖かい時期への移り変わりが速いという特徴がある穏やかな大陸性気候である。
 養豚はメジムリェ(Međimurje)地域で長年にわたり最も盛んに営まれてきた畜産業であり、今日もそれに変わりはない。メジムリェ(Međimurje)の農家にとっては、人生における最も重要なイベントは豚のと畜、結婚、そして宗教的な祝祭である。豚のと畜時期は、11月から1月までの冬期であり、通常はクリスマス前後に行われる。豚のと畜と豚肉の加工、保存及び消費に関する最も古い文書での記録は、メジムルスコ メソ ズ ティブリツェに関する最初の記録同様19世紀末から20世紀初頭とそれほど古くない(E. Kerecsenyi 『Povijest i materijalna kultura pomurskih Hrvata(Pomurjeのクロアチア人の歴史と物質的文化)』1982)。
 メジムリェ(Međimurje)で暮らす家族は大家族で貧しく、所有する豚は僅か1頭というのがほとんどであり、家畜のどの部分も無駄にできなかった。メジムリェ(Međimurje)の生産地の気候条件は、豚肉の保存方法に大きく影響を及ぼした。冬は寒く夏は暑い、1年を通して比較的湿度が高い、そして顕著な気流(風)がないという固有の微気候条件の影響で、肉を乾燥して保存することができなかった。そのうえ、肉を保存できる冷蔵庫がなかったため、メジムリェ(Međimurje)の女性は、豚肉を劣化させることなく豚肉を保存する簡単な方法を考案しなければならなかった。そして、肉を長期間保存する非常に効果的な方法を編み出した。それは、「tiblica」と呼ばれる木製の容器を使って豚肉と脂肪を重ね合わせるという方法である。そうすることで、貯蔵室にて数か月にわたり保存できる。食品の保存とメジムルスコ メソ ズ ティブリツェの製造に関する伝統的な方法は、忘れられないように『Vodič kroz hrvatske gastro ikone(代表的なクロアチア料理の紹介)』という料理本に書き記されている。その本の中で著者は、クロアチア中の様々な伝統品を文化の象徴としてまとめており、メジムルスコ メソ ズ ティブリツェにより生産地であるメジムリェ(Međimurje)が広く知られていることを指摘している(Vodič kroz hrvatske gastro ikone、2007)。
 メジムルスコ メソ ズ ティブリツェの特徴は、何よりもその伝統的な加工方法にあり、最終産品の特性と品質は、その加工方法の影響を大いに受ける。昔から非常に効率的な産品であることを実証し、とりわけ、長い期間にわたり品質を維持することに関して言えば、特に効果を発揮してきたメジムルスコ メソ ズ ティブリツェの加工方法は今日も変わらない。メジムルスコ メソ ズ ティブリツェは、熟成のために容器内に重ねるように敷くという特殊な方法で製造する。つまり、容器の底に脂肪の層を敷き、その上に豚肉の層を敷き、そしてそれを容器が一杯になるまで繰り返し、最後に脂肪の層を敷く。肉が劣化するのを防ぐために、空気が入らないようにすることが重要である。産品全体の劣化を招きかねない空気が絶対に入らないようにするためには、肉と脂肪を重ね合わせる際の生産者自身のノウハウと技術が重要になる。とりわけ、肉を脂肪に押し付け、慎重に材料を詰める際のノウハウと技術が重要である。
 メジムルスコ メソ ズ ティブリツェに関する科学的研究もいくつかある。例えば、2012年に行われたある研究は、肉又は脂肪組織の試験標本のいずれにも病原性細菌が含まれていなかったとして、メジムルスコ メソ ズ ティブリツェは健康に良い安全な食品であると結論付けている。同研究は、その風味と香り及び肉の食感が特に優れたスコアを記録したことを示した。この産品の豊かで熟した(香りのよい)風味と肉の柔らかい食感は、筋組織と脂肪組織の相互作用または変化に起因すると言える(学術論文、I. Filipović, V. Dobranić, L. Kozačinski et al、2012)。
 メジムルスコ メソ ズ ティブリツェは、その名称や製法が肉に関する学術誌や専門誌にて言及されており、今日も品質及びその評判は健在である(学術誌の『Meso』(2009)や専門誌の『Vikend kuhinja』(2015))。
 メジムルスコ メソ ズ ティブリツェは1980年代になって評判が上がった。これは、今日も開催されている以下の料理コンテストがメジムリェ(Međimurje)やその他地域で初めて開催された時と合致する。
・1983年に開催されたZagrebでのMeđimurje Food Daysフェスティバルにて、メジムルスコ メソ ズ ティブリツェをはじめとするメジムリェ(Međimurje)料理が審査された(学術誌の『Međimurje』(No 1516、1983))
・「Međimurjeの食卓における『メジムルスコ メソ ズ ティブリツェ』」というイベントにてメジムルスコ メソ ズ ティブリツェが珍味として紹介された。同イベントでは、特別審査員からその製法が評価されて賞を受賞した(『Zbornik radova Središnjeg saveza uzgajivača svinja Međimurske županije(Međimurje Countyの養豚場中央会の会報)』(2009))。
・Međimurje Chefs Associationはメジムルスコ メソ ズ ティブリツェの料理コンテストを開催した(学術誌Međimurje(2011)、記事の表題:『Slađana Herman ― Winner of the Croatian Chefs Cup』)。
 メジムルスコ メソ ズ ティブリツェという名称と生産地であるメジムリェ(Međimurje)の繋がりはメジムリェ(Međimurje)地域における観光ガイドによるプロモーションにも表れており、本産品は伝統的な郷土料理として紹介されている(Čakovec観光局、2014)。
 メジムルスコ メソ ズ ティブリツェは、様々な料理本でも取り扱われており、メジムルスコ メソ ズ ティブリツェのレシピが紹介されている(『Međimurska kuharica(Međimurje料理の本)』A. Tišlarić・1991、『Kolinje i domaće mesne prerađevine(豚のと畜と国内の食肉製品)』1987、『Zipka u horvatskom cvetnjaku(クロアチア花園の発祥の地)』1991)。今日でもなお、メジムルスコ メソ ズ ティブリツェの名称は、商いや日々の会話の中で使用されている(2013年及び2015年のインボイス)。
 メジムルスコ メソ ズ ティブリツェとその発祥の地であるメジムリェ(Međimurje)地域の関係の根底には、本産品の製造とその品質に関する地元の人々の伝統的なノウハウと技術がある。メジムルスコ メソ ズ ティブリツェは特別な特性と価値を有する伝統的な産品であり、メジムリェ(Međimurje)地域の文化遺産として不可欠である。本産品は今日まで受け継がれてきた独特な産品であり、その特性は脂肪の中で肉を保存するという製造法によるところが大きい。
   メジムルスコ メソ ズ ティブリツェの官能特性(熟した風味と非常に柔らかい肉)は貯蔵中における肉と脂肪の相互作用による影響を直接受けて形成されている一方、肉の安全性と健康に関する微生物学上の要件も満たされている。今日、メジムルスコ メソ ズ ティブリツェは、規模の大小を問わず食肉生産業者と農場経営者が関心を寄せている産品の一つであり、また観光業界でも注目を集めている。メジムリェ(Međimurje)の他の伝統料理とならんでメジムリェ(Međimurje)固有のこの産品は今もレストランや食卓において日常的に楽しまれているだけでなく、その個性的な包装は多くの販売店でも存在を示している。

7 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -
8 公示の年月日  令和2年7月7日
9※ 意見書提出期間
(公示開始日から3か月間)
 令和2年10月7日まで
※意見書提出についてはこちら

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301