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農林水産省

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指定前の公示(第78号)

更新日:令和2年7月7日
担当:食料産業局 知的財産課
下記の名称について、指定前の公示をしたのでお知らせします。

Slavonski med(スラヴォンスキ メド) 


1 指定前の公示の番号  第78号
2 指定をした場合に締約国の名称として公示されることとなる国の名称  欧州連合
3 農林水産物等の区分  第8類 調味料類 はちみつ(はちみつ) 
4 農林水産物等の名称  Slavonski med(スラヴォンスキ メド) 
5 農林水産物等の生産地  クロアチア

 スラヴォニア(Slavonia)
 次の郡に所在する都市と行政区画:Vukovar-Syrmia郡、Osijek-Baranja郡、Brod-Posavina郡、Požega-Slavonia郡、Bjelovar-Bilogora郡、Virovitica-Podravina 郡の全てと、Sisak-Moslavina郡のNovska、Lipovljani、Jasenovacの都市・村。 
6 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1) 特性
 スラヴォンスキ メドは、植物の花蜜若しくは生きている植物の分泌物又は生きている植物の樹液を吸う植食性昆虫の排出物から、地域固有の灰色のミツバチ(カーニオラン種ミツバチ(Apis mellifera carnica)、Pannonian subtype)が生産するハチミツのうち、ミツバチが生産地内でそれらの蜜などを採取し、自らの特定の物質と結合させ、保管し、脱水し、巣房に溜め込んで熟成させるものをいう。
 その製法に応じて、スラヴォンスキ メドは、巣蜜、塊状ハチミツ又は巣入りハチミツ、抽出ハチミツに分けられる。また、以下に該当する。
 (ア) ハリエンジュ(ニセアカシア)のハチミツ(black locust honey)
 (イ) シナノキのハチミツ(linden honey)
 (ウ) 菜の花のハチミツ(rapeseed honey)
 (エ) ひまわりのハチミツ(sunflower honey)
 (オ) 栗のハチミツ(chestnut honey)
 (カ) 百花蜜(ブロッサムハニー)(blossom honey)
 (キ) ハンガリアンオークの甘露蜜のハチミツ(Hungarian Oak honeydew honey)

 本産品の質に影響を及ぼしているスラヴォンスキ メド固有の代表的な特性は、水分含有率とヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の含有量である。スラヴォンスキ メドの水分含有率は18.3%以下、HMFの含有量は16.5 mg/kg以下である。また、Brassicaceae科、Robinia類及びRosaceae科の植物種の花粉が二次的花粉(16%以上)又はマイナー花粉(15%以下)として含まれている点もスラヴォンスキ メド特有の特徴である。スラヴォンスキ メドにおけるショ糖の量は規定値よりも少ない。

 各種ハチミツの物理化学的特性、官能特性、花粉特性を下表に示す 。

ハチミツ 水分
[%]
HMF
[mg/kg]
花粉特性
[%]
電気
伝導度
[mS/cm]
ジアスタ
ーゼ活性
(Schade法)
ショ糖
含有量
g/100g
ハリエンジュ 18.3以下 16.5以下 20 以上 0.2 以下 8 以上 9 以下
シナノキ 18.3以下 16.5以下 25 以上 0.5 以上 8 以上 4 以下
菜の花 18.3以下 16.5以下 61 以上 0.3 以下 8 以上 4 以下
ひまわり 18.3以下 16.5以下 45 以上 0.6 以下 8 以上 4 以下
18.3以下 16.5以下 86 以上 0.8 以上 8 以上 4 以下
百花蜜 18.3以下 16.5以下 x 0.8 以下 8 以上 4 以下
ハンガリアンオークの甘露蜜 18.3以下 16.5以下 x 0.8 以上 8 以上 4 以下












 ハチミツ  ハチミツの官能特性
風味 香り
 ハリエンジュ  黄色から淡い黄色  ハリエンジュ(ニセ
 アカシア)の心地よ
 い風味
 主張しない弱い香
 り
 シナノキ  淡い黄色からやや緑
 がかった色
 心地よい仄かな苦味  シナノキの花の顕
 著な香り
 菜の花  淡い黄色から麦わら
 色
 適度に甘いものから
 微かな酸味を感じる
 ものまで
 ハーブ系の顕著な
 香り
 ひまわり  琥珀色  甘いものから仄かな
 渋みを感じるものま
 で
 ひまわりの仄かな
 香り
 栗  褐色  苦く、若干酸味があ
 る
 熟しすぎたリンゴ
 のような強くて鼻
 をつく香り
 百花蜜  赤みがかった黄色か
 らより色合いの濃い
 色
 心地よい甘さと、少
 しの苦味
 弱い香りのものか
 ら強い香りのもの
 まで
 ハンガリアンオーク
 の甘露蜜
 ほぼ黒色の顕著な暗
 色
 適度な甘さと、強い
 酸味
 森の蜜の香り


 





















 ハチミツ 植物の種類
 ハリエンジュ  Robinia pseudoacacia(ハリエンジュ)20%以上、
 Brassicaceae、Rosaceae

 シナノキ  Tilia(シナノキ)25%以上、Robinia 類(ハリエンジュ)
 菜の花  Brassica napus(菜の花)61%以上、Rosaceae、
 Salix 類(ヤナギ)
 ひまわり  Helianthus annuus(ひまわり)45%以上、
 Brassicaceae
 栗  Castanea sativa(栗)86%以上
 百花蜜  Brassicaceae、Rosaceae、Salix類(ヤナギ)
 ハンガリアンオークの甘
 露蜜
 甘露蜜成分(芽胞と菌糸)、Castanea sativa(栗)


 















 スラヴォンスキ メドの特徴は、その物理・化学・花粉・官能特性に表れている。生産地固有の植物相及びミツバチに由来する本産品の特性が失われないようにするため、結晶化した本産品を溶かすときは43 ℃以下で行なう。

(2) 生産方法
◯ 原料
 ミツバチには、非採蜜期間(気候条件によるが、春先及び晩秋)中であれば人工的に給餌できる。ミツバチには砂糖を与えることができるが、この砂糖は生産地内において生産されたものでなければならない。人工給餌に関する条件が満たされていない場合のハチミツや採蜜期間にミツバチが人工給餌を食べた場合のハチミツについては、そのハチミツをスラヴォンスキ メドとして販売できない。

◯ 包装
 スラヴォンスキ メドは生産地にて包装しなければならない。そうすることで、スラヴォンスキ メドの真正性及び品質の保護の強化と、産品のトレーサビリティ管理と品質管理の徹底を図っている。
 こうした手段により、品質を守ることができ、また物理化学的特性や官能特性の変化を防ぐことができる。別の場所へ本産品を輸送すると、気温や湿度、外部の臭気の吸収などの変化や、HMFやジアスターゼの増加を招く。
 スラヴォンスキ メドを生産地で包装することで、他のハチミツと一緒になるリスクを減らしている。

◯ ラベル表示
 包装をして販売する商品ごとに、図に示すロゴ(意匠文字)を貼付しなければならない。明細書に従ってスラヴォンスキ メドとして本産品を販売する全ての者が、当該ロゴを使用する権利を有する。ロゴの色は茶と黒で、クロアチアの織り模様による装飾が施され、左上隅にミツバチが描かれている。 ロゴの左側にはクロアチアの地図が、右側には「1879」年の文字とスラヴォニア(Slavonia)の昔の紋章が、そして中央には枝編みのハチの巣箱があしらわれている。ロゴの上部にはスラヴォンスキ メドの名称があり、下部にはオークの葉が3枚描かれている。
 図 スラヴォンスキ メドのロゴ
スラヴォンスキ メドのロゴ

(3) 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
◯ 自然要素
 スラヴォニア(Slavonia)地域は3本の大きな低地河川の水路に囲まれている。すなわち、北はドラヴァ(Drava)川が、東はドナウ(Daunbe)川が、そして南はサヴァ(Sava)川が流れている。この地域におけるカギを握る環境因子は、このエリアの西側にある山地と東側にあるほぼ平坦な地の地勢・地形学的特徴の相違である。最も低い地点は(海抜78メートル)、この地域の東南側の隅に位置するスパーヴァ(Spačva)にある。
 1,248,600ヘクタールあるスラヴォニア(Slavonia)の面積のうち、耕地が52%を占め(655,468ヘクタール)、森林が29%(359,605ヘクタール)、草原が4.2%、牧草地が1.2%を占める。
 こうした土地の用途の構成と、気候条件、地形、および植生特徴の顕著な違いを踏まえると、スラヴォニア(Slavonia)の環境は、ハリエンジュの蜜、シナノキの蜜、菜の花の蜜、ひまわりの蜜、栗の蜜、百花蜜、ハンガリアンオークの甘露蜜を原料とするスラヴォンスキ メドの生産に適している。
 スラヴォニア(Slavonia)固有の気候・土壌・水質特性の特異性とその植物相・動物相の豊かさに鑑み、クロアチアはその領域内にある3つのエリアを保護対象にしている。すなわち、Kopački RitPapukLonjsko Poljeという3つの自然公園を指定している。
 スラヴォニア(Slavonia)は、低地にある、カルパチア盆地(Pannonian Plain)に位置する、そして欧州大陸の内陸に面しているという点が、その気候・気象条件に最も大きな影響を及ぼしている要素である。冬の大半は寒気の塊に覆われるが、夏はかなり暑くなる。東へ行くにしたがって夏の気温は高くなり、降雨量は減少する。
 蜜を生成する植物の成長を促す気温は、一年を通じて維持される。平均気温は春が11.8℃、夏が21.1℃、秋が11.3℃、冬が1.0℃である。生育期(4月から9月)における平均気温は18.3℃である。
 降雨の年間推移・分布は植物生産と養蜂に適している。降雨は年間104日から160日の間である。
 月間平均風速は春(3月と4月)が最も強く、夏の終わりから初秋(8月と9月)が最も弱い。最も頻繁に吹く風は北西と南東寄りの風で、次に頻繁なのは南西と北東寄りの風である。
 スラヴォニア(Slavonia)の生産地にて育つ蜜を生成する植物が花を咲かせる時期にはばらつきがある(3月から11月)ため、ミツバチは多様な花蜜及び花粉を集めることができる。

◯ 人的要素
 スラヴォニア(Slavonia)の養蜂家は、130年にも渡ってハチミツ作りの伝統を紡いできた。農村地域にある家族経営農場で、世帯収入を補う手段としてハチミツを小規模で生産するというのが最も一般的である。また、スラヴォニア(Slavonia)で長年に渡り養蜂が行われてきた結果、人間の営み、技能、能力、及び知識といった養蜂に関するノウハウの発達及び継承が進んだ。
 スラヴォンスキ メドの生産について養蜂家が先人から受け継いできた養蜂の手法を以下に示す:
・大半の巣箱が木製である
・養蜂家は、乾燥した植物の残滓を燃料として利用する燻製器を細心の注意を払いながら使用する。こうすることで、弱い煤煙を生成させている
・採蜜期はミツバチに人工給餌してはならない
・蜜巣の蜜蓋をとるときは、くし、ナイフ、又はブラシを用いて伝統的な方法で行う
・ハチミツを巣礎枠から抽出するときは、加熱することなく遠心分離により行う
・ハチミツを低温殺菌しない
・結晶化したハチミツは43 ℃以下の温度で溶かす

 理想的な気候・土壌条件にくわえ、スラヴォニア(Slavonia)の牧草地、草原、野原、広大な森林に豊富に植生する蜜を生成する植物種、そしてサヴァ(Sava)川、ドラヴァ(Drava)川、ドナウ(Danube)川の川沿いに堆積してできた沼地・湿地帯のおかげで、地域固有の灰色のミツバチ(カーニオラン種ミツバチ(Apis mellifera carnica)、Pannonian subtype亜類型)は数千年にわたり、食糧源となる花蜜と花粉を豊富に見つけることができてきた。農業生態学上独特な地域が形成されており、これが変種の純粋ハチミツとしてスラヴォンスキ メドを突出した存在にしている。市場では、スラヴォンスキ メドはそのように認識され、評価されている。
 その土地の気候は、ハチミツ生産量を左右する養蜂の作業と環境に直結するが、スラヴォニア(Slavonia)における気候はスラヴォンスキ メドの生産に資する条件を具備している。
 春の気温は春咲きの植物、果樹、牧草の早い時期での豊かな成長を助ける一方、夏の気温は、蜜を生成しスラヴォンスキ メドにとって欠かせないものもある農作物の熟成に適している。秋の気候条件は、ミツバチが冬ごもりに備えるのに適している一方、冬の気候条件は冬ごもりに良く、ミツバチが新しいシーズンを良い状態で迎えられるようにする。
 春と夏の最適な気温が、大半の植物の蜜の分泌を促す。春咲きの植物は低い気温で蜜を分泌する一方、夏咲きの植物が、蜜の分泌が減少又は止まらないためには夜間の温度が比較的高い必要がある。
 降雨日数は1年の3分の1を切り(ただし104日以上)、ミツバチが花蜜を採取できる降雨の無い日が1年の間に十分ある。
 ミツバチは春に豊富な量の花蜜を採取できる。それらの蜜からミツバチはエネルギーを摂取し、より容易に気流に抵抗することができる。夏の終わりになると、風は強くなり、花蜜の量は減少し、ミツバチは風への抵抗に費やすエネルギーを減らし、冬ごもりに向けてエネルギーを蓄えられるようにする。
 「List mesečni horvatsko-slavonskog Gospodarskoga družtva(クロアチアとスラボニアの営利会社の月刊誌)」において1845年に発表されたĐakovo地区の報告書には、「スラヴォニア(Slavonia)には、高品質なハチミツを生産しない都市又は行政区画は一つとしてない」と記されている。Slavonian Beekeeping Association1879年にOsijekにて設立された。同協会は、この種の組織としては欧州南東部最初の組織で最も古い歴史を有するが、「Slavonska PčelaSlavonianのミツバチ)」という機関誌が、Slavonian Beekeeping Associationの会報として1881年3月に発刊された。同誌が発刊されると、同協会の支部が急速に設立され始めた。Slavonian Beekeeping Associationは、スラヴォニア(Slavonia)における養蜂の振興とスラヴォンスキ メドの品質向上に積極的に取り組み、養蜂の発展への小学校の先生の貢献の促進、養蜂の進化に関する認知向上、養蜂とミツバチによる採蜜時期に関する最新情報の発信などを行ってきている。スラヴォニア(Slavonia)、そしてクロアチア全般における養蜂の発展に対するこの協会の貢献の重要性は、この最古の協会の創設者で長年にわたり書記を務め、そして同時にSlavonska pčelaの編集も担ったBogdan Penjić1852-1918)がクロアチアにおける近代養蜂の父と呼ばれていることに表れている。同氏は、可動式の巣板がついた最初のハチの巣箱(1871年)、最初のハチミツ抽出器の導入、人工の巣礎の導入(1879年)を行った人物である。1889年、第1回養蜂展示会がOsijekにて開催され、1903年にはBeekeeping Association of Vukovarがハチミツ市場を創設するための取組をGospodarski list紙にて公表した。
 独特な土壌と気候条件の相互作用、数世紀にわたり地元の人々が積み上げてきた養蜂の経験、そしてこれら2つの相互作用がスラヴォンスキ メドに影響し、スラヴォンスキ メドには固有の物理化学的構造と固有の官能特性が備わっており、消費者の間で広く知られ高く評価されている。

7 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -
8 公示の年月日  令和2年7月7日
9※ 意見書提出期間
(公示開始日から3か月間)
 令和2年10月7日まで
※意見書提出についてはこちら

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301