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農林水産省

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指定前の公示(第79号)

更新日:令和2年7月7日
担当:食料産業局 知的財産課
下記の名称について、指定前の公示をしたのでお知らせします。

Dalmatinski pršut(ダルマティンスキ プロシュート) 


1 指定前の公示の番号  第79号
2 指定をした場合に締約国の名称として公示されることとなる国の名称  欧州連合
3 農林水産物等の区分  第6類 畜産加工品類 食肉製品類(ハム類) 
4 農林水産物等の名称  Dalmatinski pršut(ダルマティンスキ プロシュート) 
5 農林水産物等の生産地  クロアチア

 ダルマチア(Dalmatia)
(北側の境界線は、Novaljaの町から、Kolan行政区画、Pagの町、Starigrad及びJasenice行政区画、Obrovacの町、Ervenik行政区画、そしてKninの町までである。東側は、ボスニアヘルツェゴビナとモンテネグロとの国境。南側と西側は、イタリアとの洋上の国境が境界線である。) 
6 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1) 特性
 ダルマティンスキ プロシュートは、豚の肢と、骨、皮、皮下脂肪から作る乾燥塩漬けした保存食肉製品である。
 ダルマティンスキ プロシュートには、海塩を除き、いかなる添加物(亜硝酸塩や硝酸塩、ソルビン酸カリウム、アスコルビン酸、プロパン酸)も含まれていない。
 ダルマティンスキ プロシュートには次の官能特性がある。
 (ア) 外観:ひびや切れ目、緩く垂れた筋肉組織や外皮がなく、目立った皮のしわもない
 (イ) 断面:皮下脂肪は白色とピンクがかった白色の間の色で、筋肉部分の肉は赤色から淡い赤色の間の色が均一に広がっている
 (ウ) 香り:発酵、塩漬け、乾燥、燻製させた豚肉の香りがし、異物の匂い(タールや油、生肉、湿った又は乾いた草等)は全くせず、煙の香りが仄かにする
 (エ) 風味:仄かに塩気があるものから塩気があるものまである
 (オ) 食感:柔らかい

 ダルマティンスキ プロシュートには次の化学特性がある。
 (ア) 水分含量:40%~55%
 (イ) 水分活性(aw):0.93未満
 (ウ) 塩類(NaCl)含有量:4.5%~7.5%
 市場に出荷する時点で、ダルマティンスキ プロシュートは6.5kg以上の重量があり、加工開始から12か月以上熟成されている。

 ダルマティンスキ プロシュートの特性は、主に生産工程に由来するその官能特性に表われている。
 特徴的な官能特性は、発酵乾燥させた豚肉とややスモーキーな感じが合わさった香りである。ある調査によると、ダルマティンスキ プロシュートと南ヨーロッパ諸国産の他の乾燥塩漬けした6種類のハムの間には、揮発性物質の構成に違いがあり、とりわけ、ダルマティンスキ プロシュートの全サンプルにてフェノール類(グアヤコール、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール、2,6-ジメトキシフェノール)の存在が確認された。他のハムの生産工程には燻製が組み込まれてないことを踏まえると、煙の香りが前記のフェノール類によって与えられている可能性がかなり高い(Igor Jerković, Josip Mastelić, Snježana Tartaglia: A study of volatile flavour substances in Dalmatian traditional smoked ham: Impact of drycuring and frying, Food Chemistry 104 (2007), p. 1038)。

(2) 生産方法
◯ 原料
 ダルマティンスキ プロシュートは、商業向けの肉用種、交配種若しくは育成系統又はこれらの組み合わせの交配種の豚から得られる骨付きの新鮮な豚の肢から生産する。
 余分なものを取り除いた肢の最低重量は11kgである。

 肉の質:生の肢には、認識できる外傷の痕があってはならず、肉の色は赤色がかったピンクで、食感はしっかりとしており、表面が水っぽくない(RFN)こと。また、肉の色が白っぽく柔らかくて水っぽい肉(PSE)、黒っぽく硬くて乾いた肉(DFD)、色は望ましいが柔らかくて水っぽい肉(RSE)、硬くて水っぽくないが白っぽい肉(PFN)は使用してはならない。なお、生産施設へ搬入する時点における半膜様筋部分で測定する豚の肢のpHは5.5から6.1の間である。

 脂肪の厚さ:余分なものを取り除いた肢の外側部分にある皮下脂肪の皮を含めた厚さは、大腿骨頭の下を垂直に測定して15 mm以上である。肢の丸い縁全体に付いた脂肪が十分あり、下層にある筋肉から皮が剥がれるのを防ぐ。

 肉の温度:肢を生産施設へ搬入する時点では、内部温度は1℃から4℃である。保管・輸送中も、生の肢は1℃から4℃の温度で保管しなければならず、肢を冷凍してはならない。

 肢は、と畜後24時間から96時間の間に塩漬けにしなければならない。

◯ ラベル表示
 熟成工程終了後に、ダルマティンスキ プロシュートの共通のマークと生産者コードをハムに焼き付ける。なお、生産者コードは、施設の獣医療管理番号と同一のものである。
ダルマティンスキ プロシュートの共通のマーク

 販売時は、「Dalmatinski pršut」の名称と共通のマークを産品に付さなければならない。「Dalmatinski pršut」の名称がはっきりと読め、かつ消すことができない状態でなければならないほか、他の記載よりもはっきりと目立つように書体や色を調節して十分大きくし、かつ強調しなければならない。
 本産品の明細書に従って本産品を販売する地理的表示の使用者は全て、同一条件にて共通のマークを使用する権利を有する。

(3) 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 ダルマティンスキ プロシュートと、生産地との繋がりの土台には、伝統的な製法に由来する本産品の特徴のほか、全国的に確立した評判がある。

地域の特殊性
◯ 自然要素
 ダルマティンスキ プロシュートは、生産地のダルマチア(Dalmatia)全域で生産されている。ダルマチア(Dalmatia)は、アドリア海に面したクロアチアの最も長くて大きい沿岸地域であり、いくつかの島と、沿岸部、地中海内陸部から成る。沿岸部と島々、そして山岳地帯の内陸部は北西から南東にかけて互いに概ね平行しており、内陸部は山岳地帯で、カルスト地形特有の特性を有する。
 ダルマチア(Dalmatia)の気候は地中海性気候で、夏は暖かく乾燥しており、冬は穏やかで湿度が高い。冬の平均気温は3.6 ℃から9.0 ℃で、夏の平均気温は24.7 ℃から25.3 ℃で、1年間の湿度は56%から76%の間である。このエリアで頻発する気象現象に「ボラ」というものがあり、これは、冬期によく吹く乾燥した冷たい風で、平均すると年間130日吹く。このような気候要素の複合効果が、ダルマティンスキ プロシュートの乾燥と熟成を促す条件を作り出している。

◯ 人的要素
 海塩を手に入れやすいことと望ましい気候のおかげで、ダルマチア(Dalmatia)の人々は古代ローマの時代と非常に早くから塩漬けと乾燥による豚肉の保存加工技術を実践していた。以来、プロシュート作りのノウハウは世代を超えて受け継がれ、時間の経過とともにダルマチア(Dalmatia)の伝統と呼ばれる生産工程が作り上げられてきた。
 この伝統的なプロシュート作りのノウハウは、ダルマティンスキ プロシュートの全生産工程に組み込まれている。ダルマチア(Dalmatia)のプロシュート生産者は、原料として少なくとも11kgの重量があり、かつ厚さ15mm以上の脂肪と皮のある高品質な豚の肢を選別する。乾燥・熟成工程で腐るのを防ぐために、塩漬けをする前に大腿動脈を中心に豚のもも肉から血の抜き残しを絞り出す。もも肉を塩漬けし加圧する期間は基本的にその重量次第だが、この期間を判断する際にもプロシュート生産者の技術が問われることになる。
 燻製の方法と期間、そして木材の選択には特に注意が払われている。実のところ、かつてダルマティンスキ プロシュートは燻製よりも主に塩漬けと乾燥によって保存加工されてきており、乾燥工程が、昔の台所や穴が無数に空いた乾燥用の小屋にあった暖炉のそばで行なわれていたため、燻製は雨の多いじめじめした天気の時の湿気対策として導入された工程であり、天気が変わりボラが再び吹くと、直ぐにもも肉を出して風に当てて乾燥させていた。
 ダルマティンスキ プロシュートの生産者らは、燻製した肉の方が保存加工が十分なされ、煙の酸化防止と殺菌効果のおかげでより長く保存できることを知ったことから、天気が乾燥し、必ずしも暖炉の隣に干す必要がない時でも、彼らはもも肉を燻製させるようになった。今日の製法においては、肉の保存加工手段としての燻製の必要性はなくなったが、燻製し乾燥させた豚肉の独特な香りを与えるためにダルマティンスキ プロシュート作りでは今もなお燻製が行われている。今日の燻製は、地元の家庭によって従来からまきとして使用されてきたシデ(Carpinus種)やオーク(Quercus種)、ブナ(Fagus種)の硬材や削りくずを燃やすことで得る冷煙を用いて行う独立した生産工程になっている。

生産地と特性との間の因果関係
 ダルマティンスキ プロシュートの特性とその生産地の繋がりは、主に世代を超えて受け継がれてきた伝統的な製法の使用に表れている。伝統的な生産技法のおかげで、ダルマティンスキ プロシュートは特殊な特徴を具備しており、それらが評判に寄与している。
 ダルマティンスキ プロシュートの突出した主たる特徴は、仄かにスモーキーなその独特な香りである。したがって、燻製は特に神経を使う生産工程であり、この工程において、プロシュート生産者は、適切な種類のまきの選択に加え、主にもも肉の重量と燻製時の天候に左右される煙の量と燻製プロセスの期間に特に注意を払わなければならない。これらの要素を正しく選択しないと、煙の香りが強すぎたり、外皮が変色したり、食感が硬く口の中でなかなか溶けないといったハムができてしまう場合がある。
 熟成期間中におけるプロシュート生産者の技術は、空気の循環、温度、湿度の正しい管理に表われている。それらを正しく管理することで、代謝過程が適切な割合でなされ、肉が硬くなったり、縁が黒ずんで筋肉組織の広範にわたり均一な赤から淡い赤の色が失われる原因となる急速又は過度な乾燥を防ぐことができる。
 仄かにスモーキーな香りが主に寄与するダルマティンスキ プロシュートは、かねてから生産地以外でもよく知られている。
 1930年代後半、Varaždinの町で宿屋を経営していたRudolf Bergštajnは地元の週刊誌に、宿泊者は「本物の『ダルマティンスキ プロシュート』」を試食できると広告を載せている(Hrvatsko jedinstvo No 60, 1938, Varaždin, p. 8)。
 1960年代、ダルマティンスキ プロシュートは急速に人気を集め、需要拡大が生産を押し上げ、協同組合が生産を取り仕切った。
 M. KrvavicaとJ. Đugumは業界誌「Meso」への寄稿(2006)にて、「クロアチアの伝統的なプロシュートには、『ダルマティンスキ プロシュート』を含め、・・・最も質の高いプロシュートに確実に数えられる特徴が備わっている・・・」と記している。これは、「ダルマティンスキ プロシュート」は今日もその特性と伝統的な製法により広く知られていることを示している。
 ダルマティンスキ プロシュートの生産者は、National Pršut Fairにいつも出品している。このイベントは2006年からSinjで開催されているもので、国外からの出品もある。また、2007年からTinjanで催されているInternational Prosciutto Fairにも出品しており、ダルマティンスキ プロシュートの生産者は何度も優勝の座を獲得している。ダルマティンスキ プロシュートは、セルビアのNovi Sadで開催されたInternational Agriculture Fairにて優勝の座とゴールドメダルを2009年、2010年、2013年に獲得している。
 1990年代半ばにおける観光の拡大と代表的な地域特産品に対する需要の伸びに伴い、ダルマティンスキ プロシュートは、ダルマチア(Dalmatia)固有の珍味になり、そして経済面から見てもクロアチアの重要な伝統食という位置づけになった。

7 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -
8 公示の年月日  令和2年7月7日
9※ 意見書提出期間
(公示開始日から3か月間)
 令和2年10月7日まで
※意見書提出についてはこちら

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301