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農林水産省

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指定前の公示(第85号)

更新日:令和2年7月7日
担当:食料産業局 知的財産課
下記の名称について、指定前の公示をしたのでお知らせします。

Καλαμάτα(Kalamata)(カラマタ) 


1 指定前の公示の番号  第85号
2 指定をした場合に締約国の名称として公示されることとなる国の名称  欧州連合
3 農林水産物等の区分  第9類 食用油脂類 食用植物油脂(オリーブ油) 
4 農林水産物等の名称  Καλαμάτα(Kalamata)(カラマタ) 
5 農林水産物等の生産地  ギリシャ

 ペロポネソス(Peloponnese)地方に属するメッシニア(Messinia)県の行政区内。
6 農林水産物等の特性、生産の方法その他の当該農林水産物等を特定するために必要な事項 (1) 特性
 コロネイキ(Koroneiki)種及びマストエイディス(Mastoeidis)種のオリーブから生産されるエクストラ・バージン・オリーブ油を指す。コロネイキ種のオリーブを主な原料とし、マストエイディス種のオリーブも5%以下の範囲で使用される。

 カラマタには次の特徴が備わっている:
 オレイン酸の総量は、オイル100g当たり0.50gを超えない。
 オリーブ油内の酸化物質の存在に関する指数は、当該オリーブ油を標準形式で販売するときは次の値を有する必要がある:
 Κ232:2.20以下
 Κ270:0.20以下
 過酸化物価:14 MeqO₂/kg以下
 ステロール合計:1 100mg/kgより多い

 脂肪酸含量(%):
 オレイン酸:70-80
 リノール酸:4.0-11.0
 ステアリン酸:2.0-4.0
 パルミトレイン酸:0.6-1.2
 パルミチン酸:10.0-15.0

 官能特性:
  平均値
 オリーブのフルーティ度 3-5
 苦味 2-3
 辛味 2-4
 欠陥 0


 




 カラマタは、中程度のフルーティ度、緑の果実の香り、軽い苦味、軽めから中程度の辛味を有する。
 色:緑から黄緑

 カラマタは、厳選したコロネイキ種およびマストエイディス種のオリーブから作られ、酸度が許容されている上限を遙かに下回り、他の指標(過酸化物価と減衰係数K232)も欧州連合規則の定める許容上限値を下回るため、すべてエクストラ・バージン・オリーブ油に分類される。また、脂肪酸特性も極めて特徴的で、これもカラマスタの特徴の一つである。オレイン酸の割合が極めて高い一方、リノール酸、ステアリン酸、バルミトレイン酸、バルミチン酸の値とこれらの値の比率が極めて特異であり、これらがこのオリーブ油を他のオリーブ油と異なる存在にしている。こうした得意な脂肪酸特性に、中程度のフルーティ度、緑の果実の香り、微かな苦味とまろやかな辛味が加わって、カラマタの特徴を形作っている。

(2) 生産方法
 栽培、生産及び粉砕は、専ら、生産地にて行わなければならない。オリーブ油は、生産地に所在するステンレス製の機械及びステンレス製の貯蔵タンクが設置された工場にて生産し、一次保管しなければならない。

◯ オリーブの収穫、輸送、及び保管
 ほとんどの地域では、オリーブの収穫は、果実が緑から黄緑に変化してから、50%が墨のような色に変化するまでの時期に、手摘みで又は熊手や振動を与える機械を用いてふるい落として行う。収穫時の天候条件によるが、10月末から約 4~6週間かけて収穫する。収穫は、必ず、木の下にオリーブ用のネットを広げて行う。地面に落ちた果実(風で落ちた果実)は粉砕用に収穫してはならない。
 オリーブ工場への輸送は、3050kgの容量の、硬くて通気の良いプラスチック製の箱か、植物性の素材のみで作られた袋に入れて行う。質の劣化を防ぐために、最善の環境(空気が循環しかつ地面に直接触れないように、直射日光の当たらない所でパレットに載せて保管する)のもと工場へ輸送し、24時間以内に粉砕しなければならない。粉砕するまでは、オリーブは涼しい所に保管しなければならない。果実の収穫からカラマタの完成までに、24時間以上が経過してはならない。各種自然災害や微生物学上の危険に晒されるため、オリーブ畑にオリーブを保管することは禁じられている。

◯ オリーブの加工
 オリーブは、伝統的な搾油機又は遠心分離型の搾油機によって加工する。このとき、捏ね(練和)工程及びその他の全工程中、ペースト状になったオリーブの温度を27 ℃未満に保つ。搾油機では、果実が葉と小枝から分離され、洗浄のうえ粉砕機に送られる。その後オリーブのペーストを2030分間かけて捏ね、圧搾又は遠心分離により油を抽出する。その際、オリーブに十分な水分が含まれていないときは、少量の水を加える。
 オリーブ工場は生産地内になければならない。

◯ オイルの充填、表示
 カラマタは、適切な保管施設にあるステンレス製のタンクにおいて、24 ℃以下の温度で保管しなければならない。オリーブ油を一次保管する施設の場所は、オリーブ油を生産する工場内でもよい。
 オリーブ油を搾油工場から充填工場にある保管施設へ輸送するときは、隅々まで洗浄された特殊なステンレス製のタンクに入れなければならない。
 信頼できる生産履歴管理体制が確立しており、かつ適切なラベル表示がなされる場合に限り、油の充填は生産地の中でも外でも行える。
 卸売に関しては、信頼できる生産履歴管理体制が整備されている場合に限り、産品をステンレス製のタンクで輸送できる。その際、タンクに注いでから直ちに密閉し、適切なラベル表示を行う。小売販売に関しては、容器は最大5リットル入るものまで認められる。
 ラベル表示には、次に示すように、ラベルの整理番号と製造年の下二桁を示す文字と数字から成るコードを記載しなければならない:
 KA / ラベルの整理番号 / 製造年の下二桁

(3) 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 生産地はPeloponnese南西部の端に位置し、2,991平方kmの面積を占める。メッシニア県の東側は、ラコニア(Laconia)県との自然の境界も形成するタイゲトス山脈がそびえ立っている。タイゲトス山脈は115kmにわたり伸びており、最も高い地点は2,400mに到達するが、この山脈がこのエリアの微気候を醸成する。最も大きく最も肥沃な平原はMessinian平原である。他にも、それよりは小さいがKiparissiaGargalianiPylosMethoniKoroniLongaPetalidiといった平原がある。
  生産地の気候と土壌は、オリーブの栽培に非常に適した固有の特徴が備わっており、栽培期に行わなければならない作業は、木々の通常の発達に必要なものに限られる。このエリアの微気候は穏やかな地中海気候から亜熱帯気候である。冬は穏やかで夏は長く暑い。涼しい季節は11月から4月まで続き、暑い季節は5月から10月まで続く。年間の平均降雨量は約750800mmで、降雨が最も多いのは冬である(約330mm)。降雨量は秋が約250mm、春が約146mm、夏が約23mmである。最も降雨が少ないのは7月で(約5.2mm)で、最も多いのは11月である(約138.2mm)。

 年間の平均相対湿度は67.7%である。7月は湿度が最も低く(58%)、11月は最も高い(74%)。
 1年における平均月間気温に関しては、最も気温が低いのは12月と1月(10 ℃)で、最も高いのは7月と8月(28 ℃)である。このエリアの1年間の日照時間は3,000時間を超える。
 このような気候はオリーブの栽培にとっては理想的である。気温の急激な変化がなく、降雨の量と分布も適している。よって、オリーブの木は最適な条件の中で年間サイクルを繰り返すことができる。
 土壌は、中性からアルカリ性の粘土質砂である。生産地の土地はほとんどが丘陵地である。やや透水性があり、十分な水はけを発揮し水や土壌溶液が流れやすいため、水を溜めこんだりひび割れたりすることもない。土壌には十分な量のリン、ホウ素、マンガン、マグネシウムが含まれているが、窒素とカリウムが若干不足しているため、適切な量の無機質肥料を撒いている。土壌の粒径組成は細粒から中粒である。オリーブは主に傾斜のある丘陵地で栽培されており、木々に風がよく当たる。これが、本産品の質の高さに寄与している。

◯ 歴史的繋がり
 生産地でのオリーブ栽培の始まりは、遥か昔に遡り、はっきりとは分からない。考古学的発見や保管されてきた文書によると、オリーブやオリーブ油は、かつて、食べ物として消費され、香水の主成分として使用され、そして芸術の題材だった。ホラ近くにあるネストル宮殿での発掘作業により、線文字Bで書かれた1,200の粘土板が発掘され、それらに、紀元前14世紀から13世紀におけるオリーブの木の役割とオリーブの木がこの地域の人々の生活をどのように形づけたかについて貴重な情報が記されている。
 紀元前1900年のオリーブの種がKarpofora地域で発見されている。また、放射性年代測定に基づく花粉分布図法を用いて、Pylos地域でのオリーブの栽培について試算がなされている。それにより、オリーブは遥か昔の紀元前1100年から栽培されており、当時は主に栽培種であったことが分かっている。
 コロネイキ種はその名が示す通りメッシニア原産の種である。コロネイキとは、生産地の南東部にある小さな沿岸部の町、コロニ産という意味である。
 オリーブ油はMethoniNavarinoPylosの近代都市)の港から出荷されていた。ギリシャの商人らは自分たちの積荷を、Kiparissia周辺の地域で作られた油で埋めていた。
 公有地のオリーブ畑が、ベニスの征服者の手に渡っていたトルコの所有地に作られ、農家に貸し出された。需要に応えるために、Koroni以外の地域でもオリーブ油が一部作られ、ManiMessini全域でオリーブ油が作られていた。

◯ 自然的繋がり
 カラマタ固有の特徴を与える要素を以下に示す:
・このエリアの理想的な気候:長い日照時間、最適な降雨量(約750~800mm)、穏やかな冬と暑くて湿度の低い長い夏といった組み合わせ
・適度に強い風と丘陵の多い地形に加え、農家の剪定(1本の木につき3~4本の主枝と、葉の一部除去)によりカップ状の形が形成され、その結果オリーブ畑に日光が適度に当たり、かつ風通しが良く、果実が十分熟する。これらが、彩色が豊かで、色が強く心地よい風味という、生産される油固有の特徴を決定づける要素である。メッシニアの丘陵の多い地形は、必ずしもオリーブ栽培の機械化または機械による果実の収穫が可能ではないため、伝統的な手法がまだ用いられている。
・中性からアルカリ性の軽量の石灰質土壌は、木が鉄分を吸収するのを他の土壌よりも効果的に防ぎ、かつ保水力が遥かに良い。つまり、この種の土壌で栽培されるオリーブの木は、干ばつ時も簡単に干上がらない。カラマタの官能特性は、土壌の特異な特徴(軽量の石灰質土壌)が原因で形成される芳香物質と、果実が熟す時の降雨が少なく、かつ、生産地でのオリーブ油の生産のために栽培されるオリーブの木についての灌漑が限られているため、木々の水分摂取が少ないという点によるところが大きい。
・リン、マグネシウム、マンガン、ホウ素などの十分な濃度。とりわけ、マンガン(多くの酵素過程および生化学過程の触媒成分であり、クロロフィルの形成において重要な役割を果たす)とマグネシウム(クロロフィル分子の形成において重要な役割を果たす成分)の存在は特徴的な黄緑色を呈し、芳香物質が豊富な油の生産においては欠かせない。
・オリーブの最適な収穫時期の決定に関する生産者の経験。未熟のオリーブは、緑色が強く苦味がある一方で芳香族成分が少ないオリーブ油を生産する。他方、熟成の生理的段階を過ぎた後にオリーブを収穫したときは、芳香族成分の水準が低下し、酸度が高まり、色が変わる。
・適度にフルーティな香りと仄かな苦味、軽めから中程度の辛味を有し、かつ総ステロール含量が多いエクストラ・バージン・オリーブ油の生産に良い最適な加工条件。空気の吸収、酸化、芳香族成分の喪失を防ぐために、ペースト状のオリーブの練和は27℃未満の温度で短い時間、限られた水の使用で行われる。その結果、抗酸化力が強い高品質なオリーブ油が出来上がる。

・パーセル(区画)が小さいため、メッシニアのオリーブ農家はオリーブの木に手間をかけることができ、高品質なオリーブ油を生産できる。

7 法第29条第1項第2号ロの該当の有無等 
(1)商標権者の氏名又は名称  -
(2)登録商標  -
(3)指定商品又は指定役務  -
(4)商標登録の登録番号  -
(5)商標権の設定の登録の年月日  -
(6)専用使用権者の氏名又は名称  -
(7)商標権者等の承諾の年月日  -
8 公示の年月日  令和2年7月7日
9 ※ 意見書提出期間
(公示開始日から3か月間)
 令和2年10月7日まで
※意見書提出についてはこちら

お問合せ先

食料産業局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301