登録の公示(登録番号第117号)
更新日:令和4年11月9日
担当:輸出・国際局 知的財産課
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。
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はかた地どり
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登録番号
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第117号 | ||||
2 | 登録年月日 | 令和4年3月31日 | ||||
3 | 登録の申請の番号 | 第61号 | ||||
4 | 登録の申請の年月日 | 平成28年2月29日 | ||||
5 | 登録生産者団体の名称 | 福岡県はかた地どり推進協議会 | ||||
6 | 登録生産者団体の住所 | 福岡市中央区天神4丁目5番23号 | ||||
7 | 登録生産者団体の代表者の氏名 | 会長 秋吉 智司 | ||||
8 | 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス | http://www.hakatajidori.jp/[外部リンク] | ||||
9 | 特定農林水産物等の区分 | 第2類 生鮮肉類 家きん肉(鶏肉、その内臓肉、かわ、がら及びなんこつ) | ||||
10 | 特定農林水産物等の名称 | はかた地どり(ハカタジドリ)、Hakata Jidori | ||||
11 | 特定農林水産物等の生産地 | 福岡県 | ||||
12 | 特定農林水産物等の特性 | |||||
「はかた地どり」は、軍鶏などの在来種(農林水産省の定める「地鶏肉の日本農林規格」別表に掲げる鶏の品種をいう。以下同じ)を原種鶏として「はかた地どり」の生産専用に交配・作出した雄鶏及び雌の白色プリマスロックにより交配・作出され、福岡県内の農場において鶏舎内を自由に動ける環境の下で飼育された地鶏の肉、その内臓肉、かわ、がら及びなんこつ(以下「鶏肉等」という。)である。 「はかた地どり」の肉は、美味といわれる軍鶏などの在来種の特性が雄の親鶏に引き継がれているため、うま味成分であるイノシン酸を多く含み、食味が良いうえ、身が締まっていて、程良い弾力と歯ごたえがあり、煮炊き料理などで煮崩れが起こりにくいことから、「水炊き」や「がめ煮」といった福岡県の郷土料理に良く合うものとなっている。 このような「はかた地どり」の品質は、「水炊き」や「がめ煮」はもとより、焼き鳥、唐揚げなど他の料理にも良く合うと量販店や飲食店等の取引先から高い評価を受けており、一般的なブロイラーのものと比べるとボリュームがあり内臓特有の臭みも少ない砂肝や肝といった内臓肉、噛むほどにうま味が増し厚みや弾力もあるかわやなんこつは福岡県内の焼き鳥店から、また、がらは鍋料理の出汁用として鶏肉料理店からそれぞれ引き合いも強く、生産初期となる昭和63年度(当年4月から翌年3月までの期間をいう。以下同じ。)に約8万羽であった出荷羽数は、平成29年度にはその約7倍となる55万羽を超え、九州の地鶏肉の中でも最大級の出荷規模に成長しているが、取引価格は安定しており、年々上昇傾向にあるなど、「はかた地どり」の品質に対する社会的評価の高さを裏付けたものとしている。 |
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13 | 特定農林水産物等の生産の方法 | |||||
「はかた地どり」の生産は、(1)の素びなを生産地内の農場において(2)の飼育条件の下で飼育することにより行う。 (1) 素びな アの雄種鶏及びイの雌種鶏を交配して作出されたものとする。ただし、農林水産省の定める「地鶏肉の日本農林規格」の生産の方法における素びなの基準に適合しているものとする。 ア 雄種鶏は、「はかた地どり」の特性付与に適していることが確認されている交配様式により、福岡県農林業総合試験場が同試験場において「はかた地どり」の原種鶏として維持している軍鶏などの在来種を交配して作出されたものとする。 イ 雌種鶏は、白色プリマスロックとする。 (2) 飼育条件 ア 飼育期間 輸送事情等のやむを得ない場合を除き、ふ化日の翌日までに素びなを農場に受け入れ、飼育期間がふ化後80日間以上(ただし、飼育技術等の向上により「はかた地どり」の発育性が高まる等、その特性が確保できる場合にはふ化後75日間以上)になるまで飼育する。 イ 飼育方法 28日齢以降は生産地の鶏舎内において平飼い(鶏が床面又は地面を自由に運動できるようにして飼育する方法)で飼育する。 ウ 飼育密度 28日齢以降の飼育密度は、1平方メートル当たり10羽以下とする。 エ 飼育用飼料 発育段階に応じた代謝エネルギー値及び粗タンパク質率を有する餌を各農場で共通して使用する。 (3) 最終製品としての形態 「はかた地どり」の最終製品としての形態は、鶏肉、その内臓肉、かわ、がら及びなんこつである。 |
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14 | 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由 | |||||
福岡県は、古くから養鶏の歴史のある土地柄であり、江戸後期には福岡藩の殖産興業政策の一環で、領内各地で採卵のための養鶏業が発達し、明治時代になると、貴重な産物であった鶏卵を生産するため、養鶏業はさらに盛んになり、産卵を終えた親鶏を食材として利用する食文化が広まった。 また、古くから商業集積地として栄えた福岡市では、鶏や野菜が筑後平野や周辺の山間地の農村などからも豊富に集まったことから、これらを食材とした「水炊き」や「がめ煮」といった鶏肉料理が生まれ、福岡県を代表する郷土料理として福岡県民に広く親しまれるようになった。 戦後には、短期間で成長し出荷できるブロイラー生産が盛んになり、広く利用される一方、古くから食材として鶏肉に親しんできた福岡県民からは、煮崩れしにくく、「水炊き」や「がめ煮」等の郷土料理に合う鶏肉を求める声が聞かれるようになった。 こうした状況を踏まえ、福岡県農業総合試験場(平成26年に福岡県農林業総合試験場に名称変更)が、「水炊き等に最適で、コクがあって、味が良く、歯ごたえのある県民が求めている鶏肉の生産」を目標に掲げ、素材とする鶏種として福岡県内でも古くから闘鶏用の鶏として飼育され、体格が良く、鶏肉の中でも美味で歯ごたえに定評のあった軍鶏を選定し、福岡県内の日本鶏愛好家で飼育されていた大軍鶏を利用して原種鶏群を作成のうえ、その原種鶏群を元に同試験場で選抜された雄の軍鶏と雌の白色プリマスロックを交配する当初の「はかた地どり」の交配様式が昭和62年に完成した。 一般に、軍鶏のような在来種の飼育にはストレスをかけないようにすることが、良質な肉質を生むことに必要不可欠な条件となり、「はかた地どり」についても軍鶏の喧噪性の強さなどの性質を受け継ぎ、ブロイラーに比べ飼育に困難な点があるため、生産を広げていくことは容易ではない。しかしながら、福岡県は、九州最大の筑紫平野など豊かな自然が広がり、騒音が少なく平飼いに適したゆったりとした飼育スペースが確保しやすかったことに加え、飼料や飼育方法を共通化し農場毎に品質に差が生じないように地域の生産業者が努力してきたことも安定した品質の「はかた地どり」の生産を後押しした要因となった。 さらに同試験場では、鶏群の近交度上昇に伴なうむね肉の歯切れや生産時における喧噪性の改善を図るため、平成21年に「はかた地どり」の雄の種鶏を、これまでの「はかた地どり」の雄種鶏であった軍鶏と同試験場で長年維持している在来種で、その性質が温順であり、かつ肉質が「はかた地どり」の特性付与に適していた横斑プリマスロックの雌鶏を交配、作出したものとし、それを雌の白色プリマスロックと交配、作出する現在の交配様式へと改良することに成功した。その結果、うま味の強さや程良い弾力と歯ごたえの良さといった福岡県の郷土料理に良く合う「はかた地どり」の特性を維持しつつ、生産のさらなる向上につながった。 |
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15 | 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績 | |||||
「はかた地どり」の生産地は、福岡県内となるが、鶏肉の一大消費地である福岡市で生まれた「水炊き」や「がめ煮」に適した鶏肉として開発されたことなどから、昭和63年度の生産・販売時から名称には、当地域に対する代表的な呼び名である「はかた」が冠された。 昭和63年度の出荷羽数は約8万羽であったが、平成14年度には20万羽、平成21年度には30万羽、さらに平成25年度には40万羽を超え、平成29年度には55万6千羽に達し、出荷規模を拡大している。 食鳥処理場で処理された鶏は、中抜き、正肉をはじめ、内臓肉やがら等の各部位に分けられ生鮮又は冷凍の状態で出荷されている。 昭和63年の生産開始時の生産農場は8か所であったが、その後の農場数の増加(現11か所)や飼育規模の拡大に対応し、飼育管理マニュアルの作成や飼育技術の勉強会等を通じ飼育技術の高位平準化を確保する体制が順次整備され、平成18年には生産関係者・団体及び福岡県関係部署・機関で構成される「福岡県はかた地どり推進協議会」が組織された。 このような生産体制の強化に加え、肉用鶏では全国に先駆けて平成16年にトレーサビリティシステムを導入、また、平成29年には生産農場のひとつが肉用鶏では全国初となる農場HACCP認証を取得するなど、先進的かつ高度な取組を積極的に導入し、品質の信頼性を高めている。 さらに、平成24年には、全国農業協同組合連合会(同会福岡県本部は同協議会の構成員である。)が、「はかた地どり」を地域団体商標として登録し、ブランド力をより高めることにつながっている。 平成26年に福岡県が県内在住のモニターを対象に行った県政モニターアンケート調査によると回答者の約7割が「はかた地どり」を知っており、約5割が「はかた地どり」を購入した経験を有すると回答があったことからもわかるとおり、「はかた地どり」は福岡県民の間にしっかりと根付いたものとなっている。また、その出荷先も県内にとどまらず首都圏や関西圏にも及び、平成29年度の出荷羽数は、県内向け及び県外向けでそれぞれおよそ半々の比率となっている。さらに平成28年度からは海外への輸出も始め、平成29年度には約3千羽を香港向けに出荷している。 |
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16 | 法第13条第1項第4号ロの該当の有無 | 該当あり | ||||
商標権者の氏名又は名称 | 全国農業協同組合連合会 | |||||
登録商標 | はかた地どり | |||||
指定商品又は指定役務 | 第29類 福岡県産の地鶏の鶏肉 | |||||
商標登録の登録番号 | 第5504323号 | |||||
商標権の設定の登録及び存続期間の満了の年月日(当該商標権の存続期間の更新登録があったときは、当該商標権の存続期間の更新登録及びその存続期間の満了の年月日についても記載する。) | 登録の年月日:平成24年(2012年)6月29日 満了の年月日:令和4年(2022年)6月29日 |
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専用使用権者の氏名又は名称 | - | |||||
商標権者等の承諾の年月日 | - | |||||
17 | (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容 | - | ||||
18 | 特定農林水産物等の写真 | ![]() |
登録簿(PDF : 152KB) | 明細書(PDF : 200KB) | 生産行程管理業務規定(PDF : 145KB) |
お問合せ先
輸出・国際局知的財産課
担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301