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農林水産省

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更新日:令和4年10月18日
担当:輸出・国際局 知的財産課

登録の公示(登録番号第12号)

下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

三輪素麺

1 登録番号  第12号
2 登録年月日  平成28年3月29日
3 登録の申請の番号  第13号
4 登録の申請の年月日  平成27年6月1日
5 登録生産者団体の名称  奈良県三輪素麺工業協同組合
 奈良県三輪素麺販売協議会 
6 登録生産者団体の住所  奈良県桜井市大字三輪334-6
 奈良県桜井市大字芝322-2
7 登録生産者団体の代表者の氏名  代表理事 小西 幸夫
 会長 池田 利一
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス  奈良県三輪素麺工業協同組合: http://www.miwasoumen-kumiai.com【外部リンク】
9 特定農林水産物等の区分  第5類 農産加工品類 穀物類加工品類 (そうめん類) 
10 特定農林水産物等の名称  三輪素麺(ミワソウメン) 、Miwa Somen
11 特定農林水産物等の生産地  奈良県全域
12 特定農林水産物等の特性

 三輪素麺の特性は、先ずは三輪が手延べ素麺発祥の地であるということである。

 素麺は、約1300年前に、日本最古の神社である三輪の大神神社(おおみわじんじゃ)の大神主であった大神朝臣狭井久佐(おおみわのあそんさいくさ)の次男穀主(たねぬし)が、飢饉と疫病に苦しむ民の救済を祈願したところ、ご神体である三輪山とそこから流れ出る巻向(まきむく)川と初瀬(はせ)川の二つの清流が結ぶ地の肥沃な地味や湿度が小麦の栽培に適していることを知り、種を蒔かせ、川沿いに多くあった水車でゆっくりと挽いた小麦を原料に清浄な湧き水でこね延ばして素麺を作り、地域の生業として発展させようとしたことが始まりであると伝えられている(別紙1参照(PDF:46KB))。また、製品としての三輪素麺の特性としては、タンパク質量が9.5%以上(※1)あり、しっかりとしたコシの強さ(※2)から、伸縮性に優れており、非常に細い製麺が可能であること、茹で上げ後の茹で伸びが抑制されることが挙げられる。それは粗タンパクが10.0%以上と非常に高い小麦粉(強力粉・準強力粉)を使用して生産していることに起因している。これらの歴史的背景や貴重な地場産業であり続けること、またその食感が高く評価され、新聞、テレビ、雑誌等でも数多く取り上げられるとともに、毎年、宮内庁に三輪素麺を献上している。平成26年4月には、ローマ法王(フランシスコ法王)に謁見の上、直接献上した。


(※1)文部科学省「五訂増補 日本食品標準成分表」で定める「手延べそうめん」9.3%を上回る9.5%以上である。
(※2)「麺」のコシは、小麦粉に含まれるタンパク質「グルテン」の特性によるものであり、タンパク質の高い小麦粉は「グルテン」の含有量も多く、「グルテン」は粘弾性を高める特徴がある。

13 特定農林水産物等の生産の方法

 三輪素麺の生産の方法は、以下のとおりである。
(1)原料
以下の小麦粉製品規格に適合した小麦粉、食塩、水、食用植物油
特殊麺については、上記に加え各々の食品原料、食品添加物(香料、着色料等)を加える。
<小麦粉製品規格>

  普通品 上級品・最上級品
水分 14.6%以上(15.1%以下) 14.6%以上(15.1%以下)
灰分 0.38%以下 0.36%以下
粗タンパク 10.0%以上 10.8%以上

 

(2)生産の方法
  三輪素麺は、以下の方法で生産している。
1)捏前工程
 小麦粉と食塩、水(特殊麺については、各々の食品原料、食品添加物も含む)を30分程度練り合わせる。
2)板切工程
 麺生地を加圧し延ばしながら麺帯(麺綱)にし、筋状に形成されたグルテンが麺繊維の基礎を形成する。
3)小より工程
 油がえし作業 … 熟成させた麺綱に撚りをかけ、食用植物油を塗付しながら細く延ばし麺紐とする
 細目作業 ……… 熟成させた麺紐に撚りをかけ、さらに細く延ばす
 こなし作業 …… 熟成させた麺紐に撚りをかけながら、さらに細く延ばす
4)掛巻工程
 熟成させた麺紐を延ばしながら撚りをかけ2本の掛け管に8の字型に掛け付ける。
5)小引き工程
 熟成させた2本の管に掛かった麺を徐々に引き延ばす。
6)小分け工程
 熟成させた2本の管に掛かった麺をハシで上下に分けつつ、麺を引き延ばす。
7)門干し工程
 乾燥用ハタに掛けた麺を徐々に延ばしながらハシを入れ麺を分けて麺線を整える。
8)乾燥工程
 含水率13.5%以下となるまで乾燥を行う。
9)切断工程
 乾燥した麺を切断する。
10)計量工程
 切断された麺を計量する。
 また、製造工程毎に、作業性と食品衛生を考慮した適正な水和、緩和のための熟成時間を置いている。
 なお、上記工程のうち、5)の小引きと7)の工程の中の延ばし分けについては、どちらか、または双方とも手作業で行うこととしている。 

(3)製品規格
 製品としての三輪素麺は、タンパク質量が9.5%以上。麺線規格は、10g当たり普通品で65~75本、上級品で75~95本、最上級品で95本以上あるものを言う。

(4)最終製品としての形態
三輪素麺の最終製品としての形態は、加工品(そうめん類)である。 

14 特定農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由

 三輪では、毎年2月5日、全国の手延べ素麺産地の関係者が一堂に会し、また伝統行事として全国乾麺協同組合連合会の協賛・後援も得て、大神神社でその年の三輪素麺相場や全国の素麺相場を占う神事である「卜定祭(ぼくじょうさい)」が営まれており、三輪が素麺発祥の地であることに結び付いている。また、昭和40年代以降、奈良県では過疎対策として、産業としての三輪素麺に着目し、県下全域に生産を推奨した結果、県南部の吉野・五條地域や県北東部の月ヶ瀬地域等の山間部では、農林業従事者の冬場の仕事の確保に繋がることから家内工業として広く受け入れられ、生産範囲が県下全域に広がることとなった。次に、製品としての三輪素麺の特性である、タンパク質量9.5%以上あり、しっかりとしたコシの強さは、粗タンパクが10.0%以上と非常に高い小麦粉(強力粉・準強力粉)を使用して生産していることに起因している。また、そのコシの強さから、伸縮性に優れており、非常に細い製麺が可能であること、茹で上げ後の茹で伸びが抑制されることが発現される。 

15 特定農林水産物等がその生産地において生産されてきた実績

 「古事記」や「正倉院文書」(750年頃)、「延喜式」(927年刊)といった文献に素麺が食されていたことが記されている。永禄8年(1565年)の「多聞院日記」には、「麺十把、ミワヨリ来間、茶三袋返了」と三輪という地名が出てきており、享保21年(1736年)の「大和志」には、「麺線(そうめん)、三輪、馬場、金屋三村四方に売出す、世に三輪素麺と称す」とあり、産地形成の様子を伝えている。特に、宝暦4年(1754年)に書かれた「日本山海名物図会」には、「大和三輪素麺、名物なり、細きこと糸のごとく白きこと雪のごとし。ゆでてふとらず、余国より出づるそうめんの及ぶ所にあらず。旅人をとむるはたごやにも名物なりとて、そうめんにてもてなすなり」と三輪素麺の名声ぶりが記されている。三輪素麺は奈良時代から生産が始まり、江戸時代に現在のような形になったと考えられているが、戦後は格段に機械化が進み、それ以前に比べて手作業による工程は少なくなっているものの、伝統の味を損なうことなく、機械化できるところは新しい設備を導入しながらも、伝統的な手延べ製法は守り続けている。 

16 法第13条第1項第4号ロ該当の有無  該当する
商標権者の氏名又は名称  奈良県三輪素麺工業協同組合 
登録商標  三輪素麺
指定商品又は指定役務  第30類:そうめんのめん
商標登録の登録番号  第2219632号
商標権の設定の登録及び存続期間の満了の年月日(当該商標権の存続期間の更新登録があったときは、当該商標権の存続期間の更新登録及びその存続期間の満了の年月日についても記載する。) 商標権の設定の登録の年月日 : 平成2年3月27日
商標権の存続期間の更新登録の年月日 : 令和1年12月10日
商標権の存続期間の満了の年月日 : 令和12年3月27日
専用使用権者の氏名又は名称  設定されていない 
商標権者等の承諾の年月日  平成27年6月1日
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容  【13.農林水産物等の生産の方法】
 奈良県三輪素麺販売協議会

 (1)原料
 <小麦粉製品規格>
  普通品
水分 14.6%以上(15.1%以下)
灰分 0.38%以下
粗タンパク 10.0%以上

 (3)製品規格
 麺線規格は、10g当たり65~75本。

18 特定農林水産物等の写真  三輪素麺画像

 

登録簿(PDF : 243KB) 明細書(PDF : 393KB) 生産行程管理業務規程(PDF : 146KB)

お問合せ先

輸出・国際局知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX番号:03-3502-5301

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