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農林水産省

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登録の公示(登録番号第127号)

更新日:令和5年3月31日
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

阿波尾鶏

1 登録番号 第127号
2 登録年月日 令和5年3月31日
3 登録の申請の番号 第179号
4 登録の申請の年月日 平成30年7月2日
5 登録生産者団体の名称 徳島県阿波尾鶏ブランド確立対策協議会
6 登録生産者団体の住所 徳島県徳島市万代町1丁目1番地
7 登録生産者団体の代表者の氏名 会長 辻 貴博
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス https://www.tokutori.org/tori/
9 特定農林水産物等の区分 第2類 生鮮肉類 家きん肉(鶏肉、その内臓肉、かわ、がら及びなんこつ)
10 特定農林水産物等の名称 阿波尾鶏(アワオドリ)、Awaodori
11 特定農林水産物等の生産地 徳島県
12 特定農林水産物等の特性
 「阿波尾鶏」は、徳島県在来の赤笹系軍鶏の雄とホワイトプリマスロックの雌を用いた優良種の交配により、10年の歳月をかけて開発した徳島県オリジナルの地鶏である。
 肉色は赤みを帯びて美しく、適度な歯ごたえがあり、低脂肪でアスパラギン酸、グルタミン酸及びイノシン酸といったうま味成分を豊富に有しているばかりでなく、鮮度の指標である値の変化が緩慢なことから鮮度劣化もしにくい特徴がある。
 徳島では一般家庭はもとより外食店において取り扱われる鶏肉も、広く阿波尾鶏が使用されており、地元の食文化に深く浸透し、実需者からも、安定した供給とコストパフォーマンスの高さから、多種多様な料理に適した万能な地鶏肉として高く評価されている。
 その品質の良さは、徳島県はもとより全国の量販店の取引先から高い支持を受け、平成10年度から平成29年度までの20年間連続で地鶏肉の生産量(出荷羽数)全国一位となっている。

13 特定農林水産物等の生産の方法
阿波尾鶏の生産の方法は、以下のとおりである。
(1) 品種
  徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究課より供給された軍鶏の雄とホワイトプリマスロックの雌を交配して生産された素びなを用いて飼育する。
(2) 飼育方法
  生産地において、「地鶏肉のJAS規格」を基本とし、次の方法により飼育する。
ア 飼育方法は、素びな導入後、全期間平飼いとする。
イ 飼育密度は、28日齢以降は、1m²当たり10羽以下とする。
ウ 飼育期間は、75日以上とする。
エ 配合飼料は、各期を通じ、増体性能に適した高栄養のもの、また、概ね21日齢以降は動物性タンパク質を抑えたものを使用する。
(3) 最終製品としての形態
  「阿波尾鶏」の最終製品としての形態は、鶏肉、その内臓肉、かわ、がら及びなんこつである。
14 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
 徳島県の肉用鶏産業は、県土の多くを占める四国山地の急峻な地形を活かし、小規模生産者を維持しながら発展を遂げており、明治時代から昭和30年代まで、県内で集荷された食鶏が生体のまま海路で関西方面に搬入され、大阪市場において高値で取り引きされるなど、古くから大阪への食鶏供給基地として栄えていた。
 昭和40年代後半からの外国産ブロイラー輸入増加により、国内の養鶏産業は大打撃を受け、他産地が生産性を高めるため農場の大規模化などの対策を進める中、大規模化に不向きな地形を有する徳島県では、既存の小規模農家を活かす方策として、小ロット生産が強みとなる地鶏や特殊鶏のような「少量・高品質」をセールスポイントとする新しい高品質肉用鶏の開発を求める声が高まり、昭和53年に徳島県畜産試験場(現在の徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究課)が、県在来の赤笹系軍鶏が持つ肉味佳良な特性に着目し、育種と改良に着手した。
 元々闘鶏用に改良された品種である軍鶏の気性は荒く、また、晩熟で産肉性・産卵性が低いという問題があったが、その優れた肉質を活かしながら、実用性を高めるため、生産性に秀でたホワイトプリマスロックと交配する交雑種生産を技術確立させ、10年間の改良育種を重ね、平成元年に「阿波尾鶏」が誕生した。
 また、同年に、徳島県と県内の生産者や食鳥処理・加工・販売事業者で組織する「徳島県阿波尾鶏ブランド確立対策協議会」(以下「協議会」という。)を設立してからは、軍鶏の開発で培った飼養技術やブロイラー生産で育んだ極め細やかで丁寧な小群管理技術を活かし、豊かな自然に囲まれた静かな環境で、喧噪性の高い軍鶏の気質を持ち合わせる「阿波尾鶏」にストレスを与えることなく良質な肉質を生み出す飼育管理や、官民一体で手掛ける独自の生産体制と販売及び流通までを一元化した取り組みが、平成元年度の販売当初から現在に至るまでの長期に渡り、安定的な生産の保持とブランドの信頼性を高める素因となっている。

15 特定農林水産物等の特性が確立したものであることの理由
 平成元年に交配様式を決定し、徳島県の伝統芸能である「阿波おどり」からその強烈なエネルギーと躍動感がみなぎる郷土色豊かな鶏という意味と、「尾羽」がピンと伸びた美しい立ち姿をかけてブランド名を「阿波尾鶏」と命名し、同年度に設立した協議会が生産・販売を開始してから、販売開始当初の生産羽数は2万羽であったが、官民一体の飼養管理と品質保持や消費拡大の取り組みにより、平成10年度には60万羽以上を出荷し、地鶏では生産羽数全国一位となった。
 平成13年には、「図形付き阿波尾鶏」の商標登録取得や、全国で初めて「地鶏肉のJAS規格」の産品として認証されるなど、知名度や消費者の信頼性向上に継続して取り組んだ結果、平成16年度以降は年間200万羽前後の生産羽数を維持し、平成29年度まで20年連続で地鶏肉の中で日本一の出荷量を続けており、更に平成22年度からは香港への輸出を開始するなど、国内外から選ばれるブランドへの取り組みを進めている。
 また、協議会が中心となり、「阿波尾鶏」命名の由来である徳島県の伝統芸能「阿波おどり」をはじめとするイベント等への積極的な「食」の提供をしており、平成16年に全国の地鶏・銘柄鶏が集まって好感度を競う食味コンテストでは、幅広い年代層から支持を集め最高位を獲得、平成28年には安全安心で独自の魅力を持った地域を代表する観光資源として、徳島県から「とくしま特選ブランド」に指定されている。
 協議会は、今後も阿波尾鶏の品質と産肉性を維持するため、赤笹系軍鶏の精液の凍結保存や種卵の遠隔地保存を実施し、高病原性鳥インフルエンザや近交退化などから遺伝資源を守るための危険分散体制を確立している。

16 法第13条第1項第4号ロの該当の有無 該当する
商標権者の氏名又は名称 徳島県
登録商標 図形 + 文字(阿波尾鶏)
指定商品又は指定役務 第29類 阿波尾鶏の鶏肉・肉製品・鶏卵
商標登録の登録番号 第4457816号
商標権の設定の登録及び存続期間の満了の年月日(当該商標権の存続期間の更新登録があったときは、当該商標権の存続期間の更新登録及びその存続期間の満了の年月日を含む。) 登録の年月日:平成13年3月9日
更新登録年月日:令和3年4月1日
存続期間の満了年月日:令和13年3月9日
専用使用権者の氏名又は名称
商標権者等の承諾の年月日 平成30年6月26日
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容
18 特定農林水産物等の写真

お問合せ先

輸出・国際局 知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062

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