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農林水産省

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登録の公示(登録番号第130号)

更新日:令和5年3月31日
担当:輸出・国際局 知的財産課
下記の地理的表示について、登録の公示をしたのでお知らせします。

深蒸し菊川茶、菊川深蒸し茶

1 登録番号 第130号
2 登録年月日 令和5年3月31日
3 登録の申請の番号 第240号
4 登録の申請の年月日 令和2年4月13日
5 登録生産者団体の名称 菊川市茶業協会
6 登録生産者団体の住所 静岡県菊川市堀之内61番地
7 登録生産者団体の代表者の氏名 会長 長谷川 寬彦
8 登録生産者団体のウェブサイトのアドレス https://kikugawacha.com
9 特定農林水産物等の区分 第5類 農産加工品類 酒類以外の飲料等類(茶葉(生のものを除く。))
10 特定農林水産物等の名称 深蒸し菊川茶(フカムシキクガワチャ)、菊川深蒸し茶(キクガワフカムシチャ)、Kikugawa deep steamed green tea 、Deep steamed Kikugawa tea、Fukamushi Kikugawacha、Kikugawa Fukamushicha
11 特定農林水産物等の生産地 静岡県
12 特定農林水産物等の特性
 お茶を淹れると濃厚な黄緑色で、渋みが少なくまろやかな味わいを持つ。
 需要者からは、これらの特性に加え、深みのある豊潤な香りやうま味とコクがあることが高く評価されている。

13 特定農林水産物等の生産の方法
(1) 原料茶葉
  菊川市および牧之原市(勝田、東萩間、西萩間、大寄、菅ケ谷、嶋、布引原、片浜)、掛川市(佐夜鹿、八坂、満水、上内田、高瀬、中方、中、下土方、篠場)、島田市(菊川、牧之原、切山、神谷城、猪土居)、御前崎市(新野、上朝比奈、下朝比奈、門屋、高松、合戸)の茶園において生産された生葉を使用する。
(2) 荒茶加工方法
  上記(1)の生葉を菊川市茶業協会(以下「茶業協会」という。)が定めた加工基準を遵守していると認められる荒茶加工場において荒茶に加工する。
 ア  蒸熱工程
    茶業協会が認めた機械を使用し、送帯式蒸機については蒸熱時間を、網胴回転撹拌式蒸機については胴傾斜角度と胴回転数等を茶業協会が定めた基準に従い、蒸熱を十分に行う。  イ 粗揉、揉捻、中揉、精揉、乾燥の工程を経て荒茶に加工する。
(3) 仕上げ加工方法
  「深蒸し菊川茶」の仕上げ加工技術と施設を有する静岡県内の工場で、上記(1)及び(2)により生産・加工された荒茶のみを原料として、仕上げ加工を行う。
(4) 最終製品としての形態
  「深蒸し菊川茶」の最終製品としての形態は、仕上げ加工を経た緑茶である。
14 農林水産物等の特性がその生産地に主として帰せられるものであることの理由
(1) 深蒸し茶の発祥とその品質特性
   牧之原台地がある菊川市とその周辺地域は茶の栽培に適した自然条件を備えていたものの、他産地に比べ気温が高く日照時間が多いことから、茶葉が肉厚となりカテキン含有量が高いことで渋みが強く、国内では中級茶として扱われた。しかし、『菊川町茶業誌』(1984)によると、昭和27年頃から六郷村(現在の菊川市)の篤農家らが製造方法の研究に取り組み、試行錯誤の結果、茶葉を長い時間蒸すことで、渋みが少なく味の良い茶を製造することに成功し、他産地に先駆けて「深蒸し茶」の新たな需要の開拓と産地化による供給体制を確立したとされており、菊川市は「深蒸し茶発祥の地」として認知されている。
 これは、茶葉を長く蒸すことにより水溶性ペクチンの含有量が高くなり、渋みが抑制されること、また、茶葉中のクロロフィルがフェオフィチンに変化し、茶葉や水色が緑色系から黄色系に変化することによるものである。
(2) 「深蒸し茶」の地位の確立と全国への普及
   地域での深蒸し製法の広がり及び粗揉機の改良・大型化等により「深蒸し茶」の品質が飛躍的に向上したこと、また、全国に先駆けて茶農協による組織経営が開始されたことにより「深蒸し茶」の製造技術が確立し、品質の安定した良質な茶の量産化が実現した。
 「深蒸し茶」の製造は、菊川町(現在の菊川市)を中心とした牧之原台地から周辺に広がり、昭和40年代には静岡県外へ、昭和50年代には全国の茶産地で生産されるようになった。
 全国茶品評会における正種目に「深蒸し茶」がまだ存在しなかった昭和44年に、初めてフリースタイルの部で菊川町の深蒸し茶が出品された。
 以降10年間に出品された363点のうち、約4分の1にあたる89点の深蒸し茶が菊川町から出品され、昭和54年には全国茶品評会の正種目に「深蒸し煎茶」という新たな部門が正式に設けられた。
 なお、昭和58年~59年に発行された『月刊 茶』によると、昭和57年までの14年間に開催された9回の全国茶品評会に出品された545点の深蒸し茶のうち、実にその3割を超える188点が菊川町から出品されている。更に、菊川町から70点が入賞を果たし、14年間における入賞数においては菊川町が群を抜いて最多となり、全国有数の深蒸し茶の産地として評価が高まった。
 このように、「深蒸し菊川茶」は、全国茶品評会での「深蒸し煎茶」部門の新設や全国への普及・拡大に大きく貢献した。
15 特定農林水産物等の特性が確立したものであることの理由
 「深蒸し菊川茶」は、昭和27年頃から取り組んだ「深蒸し」の研究から始まり、地域の関係者により確立した技術を現在に至るまで約60年間守り、製造を続けている。
 また、菊川市とその周辺市町では、100年以上前から環境と共生する伝統農法「茶草場農法」により生葉の生産を行っており、茶草場から刈り取ったススキなどの草を茶園に敷くことで茶に有機物を与える農法を続けている。このことが、茶園の中に半自然草地が点在するという特徴的な風景を作り出し、良質な茶の生産とともに生き物を守ることにつながっていることから、農業と生物多様性が両立していることが評価され、2013年に国際連合食糧農業機関(FAO)により「静岡の茶草場農法」として世界農業遺産に認定された。


16 法第13条第1項第4号ロの該当の有無 該当しない
商標権者の氏名又は名称  - 
登録商標  - 
指定商品又は指定役務  - 
商標登録の登録番号  - 
商標権の設定の登録及び存続期間の満了の年月日(当該商標権の存続期間の更新登録があったときは、当該商標権の存続期間の更新登録及びその存続期間の満了の年月日を含む。)  - 
専用使用権者の氏名又は名称  - 
商標権者等の承諾の年月日  - 
17 (11から13までに掲げる事項と明細書に定めた法第7条第1項第4号から第6号までに掲げる事項とが異なる場合)その内容  -
18 特定農林水産物等の写真

お問合せ先

輸出・国際局 知的財産課

担当者:地理的表示保護制度担当
代表:03-3502-8111(内線4284)
ダイヤルイン:03-6744-2062
FAX:03-3502-5301

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